コロナ禍では感染予防のため、エレベーターや自販機のボタンなど、できるだけ触れないように意識している人も多いことだろう。

そのような中で今、西日本旅客鉄道(JR西日本)が、画面に触らずに使える券売機の実用化に取り組んでいる。

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新大阪駅の東口に7月2日、「タッチレスパネル」を搭載した新しい券売機1台が導入されたのだ。「タッチレスパネル」とは、画面から数センチ離れた状態でも指を動かして操作できる装置。

このパネルを従来から使われている「みどりの券売機」のディスプレイ部分に装着することで、画面を触らず切符が買えるようになった。

操作手順や購入できる切符の種類はこれまでの「みどりの券売機」と同じで、もちろん今までと同様に触って操作することも可能。現在は実証実験をしている段階で、期間は2カ月間を予定している。

Twitterでは早速タッチレス券売機を使ったゆきちゃん(@ftc2633)さんをはじめ多くの人たちが様々な感想を寄せていた。

・触らずに操作できました
・まるで未来みたい!
・使ってみたら不思議な感覚
・これまでの券売機と同じ操作でよかった

たしかにTwitterに投稿された動画を見ると、タッチしているかのようにしっかりと画面が反応し、ストレスなく切符が購入できているようだ。

これまで編集部では、触らずに使える顔認証の自販機、エレベーターなどを紹介してきたが、券売機もこれからはタッチレスの時代になるのだろうか。

(参考記事:手ぶらで決済できる顔認証の自販機が登場…マスク姿でもOK! 仕組みを担当者に聞いた
手をかざすだけ? 既存エレベーター向け“非接触ボタン”が登場…コロナ禍で想定以上の大反響

このようなタッチレス券売機を導入した理由は、やはり乗客からの要望などの意見が多かったからなのだろうか? 今回の実験結果によってタッチレス券売機の本格導入が決まるのか?

JR西日本の担当者に聞いてみた。

新型コロナの影響で非接触化に社会的関心

――タッチレス券売機を導入したきっかけは?

新型コロナウィルスの影響により、非接触化に対する社会的関心が高まってきている中、より安心して当社の鉄道をご利用いただくための取り組みを模索していたところ、「みどりの券売機」を開発しているJRシステム様よりタッチレスパネルのご紹介を受けたことから、実証実験を行うことになりました。

直接お客様からご意見を伺ってはいませんが、潜在的なニーズはあると考えております。


――指が反応する距離は?

画面より2~3センチの距離で認識し、操作が可能となります。


――どうやって指を検知している?

赤外線センサーで検知しております。


――どこを押そうか迷った場合に、間違って反応してしまうことはない?

2~3センチより近い箇所であれば可能性はありますが、そのあたりの使用感も含めての検証と考えております。誤操作しても前の画面に戻れる仕様です。

クレカの暗証番号入力では触れる必要も

――この実験の目的は?タッチレス券売機の本格導入を判断している?

非接触化に対するお客様ニーズの把握とタッチレスパネルの機能性確認が目的です。


――タッチしないと操作できない部分もある?

パネル上の操作はタッチレスとなります。それ以外にクレジットカードの暗証番号入力や釣銭・紙幣の授受を行う際には、機器に触れる必要があります。


――タッチレス券売機は、どうやって周知している?

券売機周辺での案内掲示と当該機器の上部液晶パネルでタッチレス機器であることをご案内しています。


――タッチレス券売機の評判は?

現時点ではマイナスのご意見もなく、違和感なくご利用いただいているという認識ですが、今後、操作実績や駅への聞き取り調査によりお客様の反応を確かめていきたいと考えています。


なお同じ仕組みのタッチレス券売機は、7月5日からJR九州の博多駅も導入し、こちらも約2カ月間の予定で実証実験を始めている。いつか生活のすべてが、このようなタッチレスで済むようになるのだろうか?

そんな日が来るまでは、やはりこまめな手洗いをしっかりするのが大切なことに変わりはなさそうだ。
 

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プライムオンライン編集部
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