熊本県が整備を計画する空港アクセス鉄道について、10月31日に熊本県とJR九州が会見を開き、JR豊肥線の輸送力強化などについて合意したことを発表した。運行形態は『上下分離方式』とし快速列車の導入も盛り込まれている。

熊本県とJR九州が4項目で合意

10月31日朝、木村知事と、JR九州の古宮洋二社長が記者会見を開き、空港アクセス鉄道の整備とJR豊肥線の輸送力強化について、4つの項目で協力して取り組むことに合意したと発表した。

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熊本県の木村知事は「JR九州と空港アクセス鉄道の整備と、これを支える豊肥本線の輸送力強化について、前向きかつ真剣な協議を重ね、ともに取り組んでいこうと大筋合意に至りました」と話した。

1つは上下分離方式の採用。線路や駅などの鉄道設備は熊本県が設置する第三セクターが所有・管理し、列車の運行をJR九州が担う。

2つ目はJR豊肥線の機能強化。東海学園前駅や武蔵塚駅、原水駅で上下線の行き違いや同時進入ができるよう整備し、熊本駅から熊本空港まで、普通列車よりも9分速い39分で結ぶ『快速列車』を導入する。

この他、沿線の活性化や将来の抜本的な輸送力強化についても、両者が連携して取り組むとしている。JR九州の古宮洋二社長は「アクセス鉄道完成まで時間があるようで、多分ないと思うので、客の動向を見極めながら、利用しやすい魅力ある豊肥本線を目指していきたい」と述べた。

概算事業費約610億円 2034年度中開業

空港アクセス鉄道はJR肥後大津駅と熊本空港を結ぶ、全長約6.8キロで、概算事業費は当初の見込みから200億円増額し、約610億円。最大3分の1をJR側が負担することでも合意している。

熊本県では2027年度中の着工、2034年度中の開業を目指している。

(テレビ熊本)

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