夫婦のきずなが強いことで知られるペンギン
富山市の動物園「富山市ファミリーパーク」で、愛らしい飼育のお手伝いをしながら動物たちの生態に迫った。今回は、暑い夏の日にぴったりな愛らしい「ペンギン」に密着。
岡部里香リポーター:
きょうお世話するのはペンギンです。ペンギンのお世話をされている青山さんです。ペンギンのお世話をし始めて、まだ1年目とのことですね
富山市ファミリーパーク 青山三菜さん:
新人なので、頑張ります。よろしくお願いします!

岡部里香リポーター:
いまファミリーパークには、ペンギンは何羽いるんですか?
富山市ファミリーパーク 青山三菜さん:
このペンギンのプールには7羽います。つがいは3ペアいまして、1羽だけ相手がいないんですけど

夫婦のきずなが強いことで知られるペンギン。一度ペアになると、一生離れることはないといい、子育ても夫婦一緒にするそう。
ペンギンが暮らす岩場へ…掃除をお手伝い
最初のお手伝いは、展示場のプールのお掃除。いざ、飼育員さんしか入ることのできない場所へ。
岡部里香リポーター:
お、近くにいるよ!
富山市ファミリーパーク 青山三菜さん:
暮らしているところが岩場だったりするので、展示場もそれに見立てた造りに

岡部里香リポーター:
慣れない足場…
富山市ファミリーパーク 青山三菜さん:
私も何度か滑って転んだこともあるので(笑)藻がツルツルして…ブラシでこするときれいになるんですけど
岡部里香リポーター:
羽が抜けている部分は生え変わるんですか?
富山市ファミリーパーク 青山三菜さん:
本当は生え変わるんですけど、この子たちはお年寄りになってきているのと、自分たちでそこばかり毛づくろいして、ハゲ気味に…
岡部里香リポーター:
ペンギンって羽が生え変わるんですね。
富山市ファミリーパーク 青山三菜さん:
7月から8月になると「換羽」の時期で、こんなスマートな姿から、もふっとした姿に変わってしまいます


お掃除の前に、ペンギンの暮らす場所を特別に見せていただくことに。
岡部里香リポーター:
中が洞窟みたいになっているんですね。1メートルもないくらい。ここで落ち着く気持ちもわかるな
岡部リポーターの持つカメラを威嚇しているように見えるのが、メスのペンギン。

岡部里香リポーター:
あっ、鳴いた。鳴くのはどういう理由が?
富山市ファミリーパーク 青山三菜さん:
他のペアに自分たちの居場所を知らせたり、つがいの相手に自分がどこにいるか知らせたりする役割があります
それではプールの水を抜いて、お掃除開始。青山さんは2~3日おきに、この場所の掃除を1人で行っているそう。

30分ほどかけて、きれいに苔を取り除き、お掃除完了。
健康診断を見学 羽の触り心地は…
そして、次の仕事は…
岡部里香リポーター:
次は何をするんですか?
富山市ファミリーパーク 青山三菜さん:
夏に向けて、ペンギンの健康診断をしようと思います
健康診断は、ファミリーパークの獣医さんと一緒に行う。
岡部里香リポーター:
健康診断って、体重を量ったりする以外に何をするんですか?
富山市ファミリーパーク獣医師 加藤あかねさん:
体重を量るのと、聴診器で胸の音を聴いて、呼吸音や心臓音を確かめます
ペンギンを連れてくるのは、青山さんの担当。

富山市ファミリーパーク獣医師 加藤あかねさん:
くちばしがすごく鋭いので、けがをしないようにチューブで口を止めます
動物用の聴診器で、心音や呼吸を確認する。

富山市ファミリーパーク獣医師 加藤あかねさん:
大丈夫です。肺雑音も心音も異常ないです
続いて、足の裏を確認。人間でいうタコのようなものができることがあり、見つかれば細菌などが入らないように薬を塗り、消毒をしておく。

富山市ファミリーパーク獣医師 加藤あかねさん:
胸の筋肉を触って、痩せていないかを確認します。異常なしです
最後は体重測定となるが、これが大変。警戒心が強いため、暴れて逃げ出してしまったペンギン…

ペンギンの機嫌もなおって、なんとか測定も完了。このあと、特別にペンギンの羽に触らせてもらった。
岡部里香リポーター:
ひとつひとつ、しっかりとした羽が生えているんですね。もっとゴムみたいな触り心地かと思っていたんですけど

食事は3種の魚 ペンギンたちの賢い食べ方とは?
健康診断を終えて、ペンギンたちのお食事タイム。
岡部里香リポーター:
今からエサの時間ですが、3種類の魚?
富山市ファミリーパーク 青山三菜さん:
そうですね、いつも3種類の魚をあげていて

アジ、ワカサギ、キビナゴと3種類の魚を与えるのには、理由がある。
富山市ファミリーパーク 青山三菜さん:
1種類にかたまってしまうと、あるとき突然、食べなくなることもあるので。そういうときのために、何種類か与えて代用できるようにしています
ペンギンのエサの食べ方にも特徴が。それは「頭から食べる」ということ。
富山市ファミリーパーク 青山三菜さん:
アジは背びれや胸びれなど、とがっている部分が多いので、頭から飲み込まないと喉に刺さって飲み込めなくなってしまうんですね。ペンギンたちも賢いので頭から飲み込んでいます
現在、ファミリーパークでは、飼育員の手からエサを与える「ハンドフィーディング」を行っている。
このときも、魚の頭から食べているのがわかる。

魚の角度が横になっていても、口を使ってうまく頭から飲み込んでいた。
このフンボルトペンギンは南米に生息しているので、極地に生息するペンギンたちよりは暑さに強いが、猛暑が続く最近の気候はこたえてしまうということで、夏の間は健康診断を頻繁に行っているという。
知れば知るほど、ペンギンのことが好きになる密着取材となった。
(富山テレビ)