兵庫県から福井県坂井市に移住し、イチゴの栽培に励む若き農家がいる。目指すのは「若者目線の農業」。農業をおしゃれで華やかに、そして地域の活性化につなげようという取り組みを取材した。

兵庫から福井へ 移住サポーターに就任

5月、福井県庁で行われた「移住サポーター委嘱式」で、1人の若者があいさつに立った。

池田天瑠さん:
坂井市春江町でイチゴ農園をしています、池田天瑠です。福井県の魅力、農業の魅力を若い世代に伝えていきたいです

福井・坂井市に移住した池田天瑠さん
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福井県は、県内への移住者を増やそうと、地域活動に取り組んでいる移住者が福井での生活などを発信する「移住サポーター」を各市町から選出した。

各市町から選出された「移住サポーター」

その1人に選出されたのが、池田天瑠(いけだ・てんる)さん、25歳だ。坂井市の観光名所「ゆりの里公園」近くの農業用ハウスで、イチゴを栽培している。

兵庫県生まれの池田さんは2020年、坂井市に移住してきた。

池田天瑠さん:
叔父が農業をしているのを見ていたからその憧れもありましたし、学生時代に就職活動をする際に今後、農業はビジネスチャンスだなと思って農業を選びました

野球一筋の生活からイチゴ農家に転身

池田さんは、旧JAはるえが建設中だった農業用ハウスで、イチゴ栽培に挑戦する若手農家を募集していることを福井県で農業を営む叔父から知らされ、大学在学中の2017年に応募。

大学を卒業後、京都府のイチゴ農家で1年半研修したあと栽培技術や経営について学び、2020年12月、自身の農業用ハウス「ICHIGOOJI(イチゴ王子)」をオープンした。

農業用ハウス「ICHIGOOJI」(福井・坂井市)

池田天瑠さん:
普通だと○○農園や△△ファームという名前を付けるけど、まず僕のことを知らない人が多いと思うので、インパクトのある名前にしたくて。農園名を「ICHIGOOJI」にしました

実は池田さんは、大学までは野球一筋の生活を送っていた。小学1年から野球を始め、甲子園出場経験のある高校を卒業。大学時代は独立リーグに所属していたが、けがをきっかけに就職を決意したという。

独立リーグで活躍した池田天瑠さん

農業を始めた背景には、どのような思いがあったのか…

池田天瑠さん:
高齢化が進む中、誰も農業をやらないというのが、僕の中ではチャンスだと思いました

農業を始めた思いを語る池田天瑠さん

池田天瑠さん:
土地もこれから余ってくる可能性もあるので、そういった中で少しずつ作物を作っていけたらと

華やかに…目指すのは「若者目線の農業」

収穫したイチゴは、契約している直売所や菓子店に納めている。

西勘堂の洋菓子担当者:
イチゴの良さが他と全然違う。甘いのはもちろんだけど、実もしっかりしていて鮮度が良いので、すごくケーキも売れるようになったし、お客さんからの評判も良いです

池田さんにとって知り合いのいない福井での生活には、地域の人の協力があったという。

池田天瑠さん:
地域の方々に助けられた1年だった。「おいしかったよ」って言ってもらえるイチゴを来年も引き続き作っていけるよう頑張っていきたい

現在は両親も兵庫県から移住し、農園を手伝っている。

ICHGOOJIでは週に5回、イチゴ狩りを実施しているが、週末の夜になると…。BGMとライトアップで、日中とはがらりと雰囲気が違ったナイト営業を実施。

ナイト営業ではイチゴもライトアップ

イチゴがライトに照らされて、ハウスとは思えない幻想的な雰囲気が広がる。

池田天瑠さん:
近くのゆりの里公園で、年中イルミネーションを行っているので、それに合わせてナイト営業をすることで利用客が増えれば、地域の活性化につながると思って始めた

地域の活性化に取り組み、発信する「移住サポーター」に就任した池田さん。目指すのは、若者目線の農業だ。

池田天瑠さん:
農業っぽくない農業というか…。身なりなどもオシャレにして、ファッションと農業を組み合わせるとか、変わった農業の展開をしていくことで、若い世代にも興味を持ってもらえるかなと思っているので、今後どんどん取り組んでいきたい。もっとキラキラした職業だと思ってもらえるように、華やかにやっていきたいと思います

若い世代で福井の農業を盛り上げたいという池田さん。これからどんな農業を展開していくのか、注目される。

(福井テレビ)