7月4日に投開票が行われた東京都議選で、自民党は都議会第一党に返り咲いたものの、目標としていた公明党と合わせての過半数には大きく届かず。選挙前に第一党だった都民ファーストの会は、大敗が予想されたが第二党に踏みとどまった。

一方、多くの選挙区で候補者を一本化するなど野党共闘を展開した立憲民主党と共産党は、議席を増やし躍進。これにより総選挙をめぐる情勢はどう変わるのか。BSフジLIVE「プライムニュース」では、与野党幹部をゲストに迎えて徹底議論した。

下馬評を覆した、選挙最終盤 退院後の小池知事の動き

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新美有加キャスター:
都議選の結果。都民ファーストの会は31議席を獲得、第二党に後退。前回の都議選で大敗を喫して選挙前の議席数が25だった自民党は33へと増やしたものの、公明党と合わせての過半数には届かず。公明党は23議席と候補者全員が当選。一方、立憲民主党と共産党は共闘の結果、共産党は18から19議席へ、立憲民主党も8から15議席へと躍進。下村さん、この結果をどう受け止めていますか。

下村博文 自民党 政務調査会長:
自民党は倍増を目標にしており、都民ファーストの会は激減という空気が巷間にあった。しかし、ワクチンの接種、観客数も含めたオリンピック・パラリンピックについて都民の皆さんの不安感や不満感があった。これは都議会ではなく国政の問題。そんな中で小池都知事も倒れ、同情論的にふわっとした自民支持票の2〜3割が都民ファーストの会に行ってしまった。都民ファーストの会は公約の中でオリンピックは無観客と言っており、立憲や共産支持とまでいかない方の受け皿になったのでは。

反町理キャスター:
小池都知事は退院の翌日、選挙運動最終日の土曜日に17選挙区19候補者を応援、うち16人が当選している。どこの選挙区も、厳しいがもうひと押しすればなんとかなるかも、というところ。この戦略については。

長妻昭 立憲民主党副代表 東京都連会長:
小池都知事の支持率は非常に高い。都内を回ると「小池さんの(党の)人に入れよう」という声をよく聞いた。政権批判票が都民ファーストの会、立憲民主党、共産党に分散した側面も。ただ、肝心なときに都議会の臨時会が開かれておらず、小池都知事は追及されていない。なんだかよくやっている、というイメージがあった。

小池晃 日本共産党 書記局長:
別に都民ファーストの会の政策が支持されたということではない。自民党政治に対する不信感が根深い。でも小池都知事はオリンピックを推進してきたわけだから、僕らから見れば同罪。

反町理キャスター:
今回の争点はやはりオリンピックだった?

小池晃 日本共産党 書記局長:
こういう中で本当に開催するんですか、感染者が増えてもいいんですかということ。自民党、菅政権に対して不信感がある中、小池都知事に票が動いた。

五輪の開催可否は都議選の争点だったか。リスクをとって開催する大義

小池晃 日本共産党 書記局長

反町理キャスター:
なぜ自民への批判票が小池都知事に行ってしまったのか。

小池晃 日本共産党 書記局長:
共産党も1議席、立憲民主党も7議席、現有議席を増やした。

高木陽介 公明党 国会対策委員長:
自民党も増えていますよ。オリンピックが争点だというのは共産党の主張。それはそれで結構。しかし、さまざまな要素が絡み合って今回の結果が出たということでは。

小池晃 日本共産党 書記局長:
全体としての力関係が大きく変わる結果になった。全体として35議席以上、延期・中止を求める民意が示された。

高木陽介 公明党 国家対策委員長

高木陽介 公明党 国会対策委員長:
124議席のうちの35議席ですよ。それを取ったからといって、オリンピックは中止ということになるのか。それは違うのでは。

長妻昭 立憲民主党副代表 東京都連会長:
オリンピックをやる場合は、感染による死者が増えるリスクが大きくなる。その命のリスクを上回る開催の大義は何か、堂々と都議選で語るべき。

下村博文 自民党 政務調査会長:
オリンピック・パラリンピックをやるということは決まっている。その中でクラスターが起きたり感染拡大になることがあってはならない。そのためにどのような形を取るか、最終的には8日の5者協議で決まるが、開催はする。緊急事態宣言の下であってもプロ野球やJリーグなどのスポーツはやっている。

下村博文 自民党 政務調査会長

反町理キャスター:
公明党は、都議選の選挙期間に入ってから表立って無観客を主張している。政府・自民党に対してかなりの影響力がありますよね。

下村博文 自民党 政務調査会長:
影響力はあるが、5者協議等の中で関係者が決める話。

長妻昭 立憲民主党副代表 東京都連会長:
当初はオリンピックをやるかやらないかの話だった。ところがその後、有観客か無観客かという論点にずらされている。

下村博文 自民党 政務調査会長:
基本的に長妻さんも小池(晃)さんも、オリンピックはやるべきではないという前提での話。前提が違えば論理展開も違ってくる。人の命とオリンピックという比較ではなく、当然、両方とも大切。どう両立させるか。そもそも我々の考え方はゼロコロナではなく、withコロナ。

野党は都議選で共闘に手応え 総選挙でも「政策の違いは全然問題ない」

新美有加キャスター:
ここからは都議選の結果を踏まえ、この秋までに迫る総選挙を各党はどう戦うのかについて。立憲民主党の福山幹事長は、「一本化した候補者がいれば1対1の構図の中で票が来る可能性はこの都議選で広がった。まずは国民民主党、社民党とやり、その後、共産党と調整」と話しています。

小池晃 日本共産党 書記局長:
今度の都議選で初めて野党共闘をやった。立憲民主党と政策的な議論をしてみると、一定程度共通するところがある。非常に大きな成果になった。

新美有加キャスター:
共産党の志位委員長は、総選挙での協力は野党連合政権樹立に合意するのが条件だと話していますが。

小池晃 日本共産党 書記局長:
協力の幅を大きく広げるものと思っている。連立政権ができなければ協力しないという話ではないと理解しています。

反町理キャスター:
立憲民主党としては、選挙協力と連立政権の樹立は別問題?

長妻昭 立憲民主党副代表 東京都連会長

長妻昭 立憲民主党副代表 東京都連会長:
そうですね。政策と選挙が全く別ということではもちろんないが、衆議院選挙は都議選と違って全て一人区。与党と一騎打ちの構造に持っていかなければ、なかなか勝てない。

小池晃 日本共産党 書記局長:
とにかく選挙で勝つために一本化する、というのではダメ。政党間できちんと基本的な政策の協議をしていく。

反町理キャスター:
例えば安保、憲法、消費税に関しての立憲民主党と共産党の政策の違いがある。これは埋められる?

小池晃 日本共産党 書記局長:
全然問題ないです。例えば今、自衛隊をなくすなどと我々も言わない。党としての理念、将来的な課題として言っている。憲法についても、今の自民党の改憲案に反対するという点では、立憲民主党と共産党は一致している。消費税も今度の選挙で訴えているのは5パーセントへの減税。時限的なものでもいい。

反町理キャスター:
ある程度、長期的な大目標はありながらも、目の前の非自民政権のためには一定の妥協をする用意があると。

小池晃 日本共産党 書記局長:
妥協というか、我々はかつての自社さ連立のように党としての政策を変えるつもりはないが、当面の課題でないところは一致できるということ。

高木陽介 公明党 国会対策委員長:
政権に共産党が入ったとする。例えば自衛隊は違憲なので今はやりませんけど、将来解消する。こうなれば自衛官はどう思いますか。そういう人たちが政府の中枢にいることを立憲民主党は認めるのですか。

長妻昭 立憲民主党副代表 東京都連会長:
それは極論。共産党が閣内に入って、というのは飛躍しすぎ。枝野代表も連立政権は考えていないと言っている。

反町理キャスター:
連合会長の神津氏は、閣外協力でもあり得ないと発言している。

長妻昭 立憲民主党副代表 東京都連会長:
閣外協力に定義はない。共通する政策は連携して実現する。今も国民民主党・社民党含め4党で議員立法を出している。

下村博文 自民党 政務調査会長:
選挙を勝つための手段と目的が違っていてもいいのか。それは国民に選挙時から説明する必要はある。

解散総選挙はやはりオリ・パラ後? 自民党では困窮者への追加給付案も

新美有加キャスター(左)、反町理キャスター

反町理キャスター:
下村さん、官邸に行って菅首相に会われたのこと。解散総選挙のタイミングについて、何か雰囲気などは?

下村博文 自民党 政務調査会長:
ありません。やはり、まずはワクチン接種をいかに急いでやるかということだけ。その目処がつかないのに解散総選挙というのは、とても考えていないのではという感じでした。

反町理キャスター:
その総選挙の争点、政策について。定額給付は?

下村博文 自民党 政務調査会長:
一律で全員にではなく、住民税非課税所帯、ひとり親家庭、非正規雇用といった格差によって困っている方々に対する10万円の追加給付。私案だが、ぜひ政府に提案していきたいと思っている。党内でもそうした方々への給付をすべきだという声は多くある。

BSフジLIVE「プライムニュース」7月5日放送