都道府県内限定で1種類ずつ販売

スターバックスが各都道府県ごとに47種類のフラペチーノを発売。

香ばしい香りのするほうじ茶を使った和のテイストに、甘いラフランスをベースにしたフルーツメインの商品も。

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これは、6月30日から全国のスターバックスで発売された「47 JIMOTOフラペチーノ」(8月3日までの販売 ※なくなり次第終了)。

スターバックス日本上陸25周年を記念した企画の第2弾で、全国47都道府県がそれぞれ1種類ずつ地元を意識したフラペチーノを開発。各都道府県内限定で販売される。

特産品や地域の食文化をイメージ アイディアは店員から

例えば、新潟県では名産の柿の種がトッピングされ、しょっぱさとカリッとした食感が楽しめる一品に。

広島県は、出荷量が日本一を誇るレモンをベースにしている。

さらに、こちらの緑色のフラペチーノは、茨城県の名産であるメロンを使用。メロンの甘い香りとクリーミーな食感で、メロンのアイスを食べているような感覚だ。

特産品を使ったものの他、愛知県の小倉トースト、長崎県のカステラなど、地域の食文化をイメージしたフラペチーノも。

さらには食べ物だけではなく、鳥取県では観光名所の鳥取砂丘をモチーフに砂の模様をキャラメルで表現した。

アイディアは地元で働くスタバ店員から募集し、約1300案の中から各都道府県を代表する1品が選ばれた。

国内初のチャレンジに担当者は…

スターバックス コーヒージャパン 西日本営業本部 中島肇本部長:
47という数は非常に多いです。今までは国内で1つの商品が基本で、今までやったことがなかったので、そのプロセスが非常にチャレンジングでした。中には笑ってしまうような奇抜な意見もあったし、地域色が出ていたり、本当に面白いアイディアがたくさん提出されて、それを見るのは楽しい作業でした。

スターバックス コーヒージャパン 西日本営業本部 中島肇本部長:
次の25年もそれぞれの地域でご愛好いただいて、店舗とお客さまと繋がっていきたい思いで、今回の商品をお届けしています。

全国の店員と開発した47の新商品。なかなか遠出ができない今、地元を再発見する機会となりそうだ。

地域文化の尊重で"顧客"満足度アップ

三田友梨佳キャスター:
マーケティングや消費者行動などを研究している、一橋大学ビジネススクール准教授の鈴木智子さんに聞きます。都道府県ごとに異なる47種類のフラペチーノ、鈴木さんのマーケティングの視点にはどう映りますか?

一橋大学大学院 経営管理研究科 准教授 鈴木智子さん:
グローバルマーケティングの永遠の課題として、世界標準のグローバリゼーションと地域ごとのローカリゼーション。どちらのアプローチを取るのか、ということがあります。

今回の試みはフラペチーノという、スターバックスが世界で展開するグローバル商品をベースに都道府県別の地域文化をリスペクトして、47種類の地元仕様にカスタマイズしています。つまり、グローバルとローカルのいいとこ取り「グローカリゼーション」という第3のアプローチとして捉えることができます。

近年、マクドナルドやコカコーラといったグローバルブランドも世界で通用する商品を展開しながら、地域のニーズに応える商品を提供するグローカリゼーションを重視しています。

三田友梨佳キャスター:
ダイバーシティの観点からも地域文化へのリスペクトは、ビジネスの世界でも求められているようですね。

一橋大学大学院 経営管理研究科 准教授 鈴木智子さん:
グローバリゼーションでは世界レベルで標準化を進めるので、コスト面では大きなメリットが生まれますが、一歩間違えると文化の押しつけになりかねません。

地域文化へのリスペクト、地元限定メニュー。こういった付加価値を付けることで、顧客の満足度を上げることに繋がります。さらに今回の試みで興味深いのは、顧客満足度の向上と共にスタッフの満足度も上げていることです。

三田友梨佳キャスター:
顧客だけでなく、スタッフの満足度を上げるとはどういうことですか?

一橋大学大学院 経営管理研究科 准教授 鈴木智子さん:
47種類のフラペチーノは、それぞれの都道府県のスタッフが商品化に関わっています。地元の良いところ、自慢できるところをそれぞれが盛り込んでいる自信作です。

一橋大学大学院 経営管理研究科 准教授 鈴木智子さん:
自分が愛するスターバックスで自分が作った商品を提供できる。お店で働くバリスタの皆さんの満足度はきっと上がると思います。スターバックスの高い顧客満足度は、スタッフの高い従業員満足度から生まれているとよく言われます。ブランドは、スタッフと顧客の共同作業によって築かれていると言えるでしょう。

三田友梨佳キャスター:
今回のように期間限定、しかも地域限定となると、消費者の購買意欲はさらに促進されると思います。そこには何よりも、質の高いサービスに裏付けられた安心感があるのかもしれません。従業員の満足度と顧客の満足度の関係性に、人気の理由があるようです。

(「Live News α」6月30日放送分)