西日本豪雨からもうすぐ3年。
岡山・倉敷市真備町に、当時 地域の人たちが自主避難した神社がある。多くの命を救った神社で培われた防災意識は、今も大切に受け継がれている。

命を守った総代長の防災意識

旧総代長・三宅邦夫さん:
220人位いた、一番多い時は。ここにいられないから、外側でさい銭箱取って、そこに畳を敷いて寝ていた人も

熊野神社 旧総代長・三宅邦夫さん
熊野神社 旧総代長・三宅邦夫さん
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倉敷市真備町の熊野神社。
高台にあるこの神社では10年以上前から、大雨の時には住民がすぐに避難できるようにするため、総代長が本殿などの鍵をあけている。

三宅邦夫さんは、この春まで総代長を務めていた。
交代したばかりの新しい総代長・近藤雅志さんに、準備の方法を伝える。

新総代長・近藤雅志さん:
みんなに声かけて、頑張って、そういう時には(鍵を)開けることができたらいい

旧総代長・三宅邦夫さん:
神社に行けば開いているから、すぐ逃げても大丈夫ということがあれば安心できる

3年前の2018年西日本豪雨の時も、三宅さんは神社に出向いていた。

旧総代長・三宅邦夫さん:
これ開けて…ドアにロックしてあるので、外して部屋に自由に入れるように。そこと、ここを開けておけば誰でも入れる

2018年当時の三宅邦夫さん
2018年当時の三宅邦夫さん

当時は倉敷市指定の避難所ではなかったため、なかなか物資が届かなかったが、住民たちは当番を決めて食料を配るなど、自分たちの力で避難所を運営した。

地域の力で「避難所」認定

旧総代長・三宅邦夫さん:
届け出避難所、市が許可した場所

西日本豪雨の後、熊野神社は地域の避難所として市に認定された。

新総代長・近藤雅志さん:
パイプ椅子、テーブル、毛布マット、転がって寝られるようなもの

あれから3年、避難する際に神社の場所が良くわかるように、参道の木々は伐採し、境内には備蓄倉庫が設置された。

新総代長・近藤雅志さん:
熊野神社に行けば何とかなるよというのが、もっと浸透していけばいい

旧総代長・三宅邦夫さん:
我々も地域の活動にできるだけ参加し、防災のことも携わっていきたい

熊野神社で育まれた地域の防災意識は、これからも受け継がれていく。

(岡山放送)

岡山放送
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