感謝の伝え方は、言葉や態度などさまざま。今、Twitterに投稿された、空港スタッフによる感謝のメッセージアートが「素敵!」と話題になっている。

それがこちら。

先日、搭乗してから何気なく外を見ていたら…!

もっと最初から撮っておけば良かった。初めはハート?四つ葉?と何が始まるか分からなかったんですよ…

ものの数分で消えてしまう、でも心のこもった素晴らしいアート!

このコメントと共に投稿された動画は、1人の空港スタッフが右手に持ったノズルのような道具を使って、飛行機の駐機場にイラストとメッセージを描く様子。

描かれたのは、2枚の葉と大きく花開くハイビスカス。そして横には「ありがっさまりょうた!!」の文字。スラスラと描き切った後、動画の最後は空港スタッフのキレイな一礼で終わる。

動画はハイビスカスの描く途中から始まる
動画はハイビスカスの描く途中から始まる
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投稿したちょろ母さん(@Chorouzu1017)によると、動画は奄美空港で撮影したもの。普段は搭乗後、機内モードにする前にスマホチェックをすることから外をあまり見ないそうだが、この時は何気なく見たのだとか。

「何回か奄美には来ているのですが、こんな素敵な事をして下さってるのは今回初めて気付いたんです」と語り、見ることができた幸運と共に素敵な見送りに感動したというのだ。

スラスラとハイビスカスとメッセージを描いていく
スラスラとハイビスカスとメッセージを描いていく

Twitterでも「なんて…素敵な作品」「これは感動しちゃいますね」「粋ですね!」などと、感動や称賛をするコメントが多く集まり、2万以上のいいねに、動画再生数が29万を超える反響となっている(6月23日時点)。

数分で消えてしまうメッセージではあるが、見た人の思い出に刻まれるものになるだろう、素敵な見送りだ。

描き終わるとキレイに一礼
描き終わるとキレイに一礼

飛行機の搭乗者にはとても嬉しい対応だろうが、気になるのは毎回見ることはできるものなのかということだろう。また、どのような経緯で始まったのだろうか?

奄美空港でこのメッセージアートを行っている、日本航空(JAL)奄美大島空港所の担当者に話を聞いた。

ご搭乗いただいたお客さまへの感謝

ーーメッセージアートを描いているのは、どんな仕事をしている人なの?

奄美大島空港で整備を担当しておりますJALグループの整備士が、水道水で描いております。


ーー毎回行っているの?

天候や地面の状況にもよりますが、日々実施しております。主に奄美-伊丹便・奄美-羽田便にて実施をしておりますが、奄美-鹿児島便・奄美-福岡便でも状況に応じ実施をしております。

奄美空港 外観(提供:日本航空)
奄美空港 外観(提供:日本航空)

ーー空港スタッフの整備士全員が描くことができるの?

現在は3名の整備士で実施しております。


ーー「ありがっさまりょうた!!」とはどういう意味?

「ありがっさまりょうた」=「ありがとうございました」を表しています。ご搭乗いただいたお客さまへの感謝を込めております。

他にも「また いもーれ AMAMI」=「また、奄美にお越しください」と再度のご来島を願うメッセージを描くこともございます。メッセージと共にハイビスカスやヤシの木のイラストを添えることもございます。

描いている様子(提供:日本航空)
描いている様子(提供:日本航空)

コロナ禍で出来る“+αのおもてなし”

ーーなぜ、このような水のメッセージアートをしているの?

新型コロナウイルス感染症の影響で、飛行機にご搭乗いただく機会や奄美大島へご来島いただく機会が減っている中、私たちができる+αのおもてなしがしたいと考えました。

今年の4月25日から、ご搭乗への感謝の気持ちと奄美へまたお越しいただきたいという願いを込めて「水アート」を実施し、お見送りしております。

+αのおもてなしのお見送り(提供:日本航空)
+αのおもてなしのお見送り(提供:日本航空)

ーーTwitterに投稿され、話題になっているが?

私たちができる+αのおもてなしに対して好評いただき大変嬉しく思います。


ーーちなみに、空港への新型コロナウイルスの影響は?

新型コロナウイルス感染症により、空港をご利用いただくお客さまは減少しております。状況が落ち着き、再び多くのお客さまにご来島、空港をご利用いただける日を心待ちにしております。

提供:日本航空
提供:日本航空

水を使った見送りのメッセージアートは、コロナ禍の搭乗客に感謝の気持ちを込め、“+αのおもてなし”として始まったものだった。

現在は新型コロナの影響で外出自粛が続いていることから、なかなか奄美大島を訪れる機会はないかもしれない。しかし、この“水アート”は継続して実施する予定とのことなので、コロナが落ち着いた後に来島した際には、旅立つ前に、一度窓の外を覗いてみてほしい。

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プライムオンライン編集部
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