電車などの乗り物や、昆虫などのいきものたち。子どもたちには、時に「どうしてそんなにハマっているの?」と聞いてみたくなるような、情熱を傾けているものがある。

編集部では以前、昭和レトロな扇風機が大好きな3歳の男の子をご紹介したが、今「三度の飯より洗車機が好き!」という5歳息子のため、お母さんが手作りスキルを尽くしたおもちゃが話題になっている。

「三度の飯より洗車機が好きな息子にせがまれて洗車機作った(?)要望多すぎてめちゃくちゃ大変だったよー。 大きい車が入る洗車機…タカラトミーさんかバンダイさんでもどこでもいいから販売してくださいませんか」

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主婦のReon Phi(@chip_aa)さんが投稿したのは、5歳の息子さんにせがまれて作ったという洗車機のおもちゃ。

実在する「ダイフク」社の洗車機をモデルにしており、ブラシ部分をくるくる回すことができたり、機体本体を前後にスライドさせられるギミックがついていたりと、一目見ただけでその精巧さに驚いてしまう。

前後のスライドもばっちり
前後のスライドもばっちり

投稿には「お母さん、すごい!」「市販のおもちゃだと思った!」「洗車機が好きな息子さんも将来有望」とコメントが続々寄せられ、2万5000件を超える「いいね」がつくなど話題になった(7月12日現在)。

よく見てみると土台はホワイトボード、ブラシを回すパーツは突っ張り棒だったりと、意外にも身近な素材が使われているようだ。お母さんの工作スキルが光る逸品だが「要望多すぎ」だったという息子さんのこだわりの点は、どれなのだろうか?

そしてプレゼントされた時の反応はいかに? Reon Phiさんにお話を聞いてみた。

息子さんの要望は6つ…唯一の却下は「乾燥機能」

――洗車機のおもちゃを作ったきっかけは?

2年前にハンディモップで大きい車のおもちゃを洗車するごっこ遊びをする姿を見て、モップと段ボールで作れるんちゃうか?と思い1号機を作ったのですが、長いこと遊んでくれてたので壊れてしまい、息子が新しいものを欲しがったので今回2号機を作りました。


――息子さんが洗車機に“ハマった”のはいつから?

2歳過ぎぐらいの時からYouTubeで洗車機の動画を見始めて、そこから、今まで泣いて嫌がってたのに「家の車を洗車機に通したい」「洗車機のおもちゃがほしい」と言い出し、最終的には家にあるハンディモップをブラシに見立てて洗車ごっこをする様になりました。

きっかけはよく分からないですけど、YouTubeでたまたま見て息子の何かに刺さったんではないでしょうか(笑)


――見本などはあった?それとも完全なオリジナル?

息子が見ているYouTubeの動画で、手作りの洗車機でお子さんが遊んでる動画があり、手でブラシを回すギミックはそこで見たと思います。 それ以外は本物の洗車機の動画や写真とにらめっこして作りました。 型紙とかはないです。


――息子さんの「要望」はどんなものがあった?

・大きな車(写真の「エルグランド救急車」というおもちゃ)が入る
・ブラシは自分で回せる
・上のブラシは下まで降りる(1台目が上固定だったので)
・下部洗浄ブラシを付けて欲しい
・操作パネルを付けろ
・乾燥機能をつけろ(却下)

が主な要望でした。

制作費は2000円以下で、5日で完成

話題となった洗車機は、実は“2号機”。“1号機”は今から2年前に作られたそうで、遊び倒して壊れてしまったこの1号機に代わって、2号機を作ったとのことだ。

こちらが1号機。大きな「せんしゃき」の文字が特徴的
こちらが1号機。大きな「せんしゃき」の文字が特徴的

息子さんからの要望は、大きく6つ。

息子さんは、すでにタカラトミーから販売されている「トミカ」「プラレール」シリーズの洗車機は持っているとのことだが、これらの洗車機では、大型(長さ26cm×高さ13cm×幅12cm)の救急車のおもちゃが入らないため、まずはこの大きさをクリアするのが第一条件!

さらに、“1号機”にはできなかったブラシの動きや乾燥機能など、“洗車機愛”あふれる要望ばかりが並んだという。

乾燥機能はつけられなかったそうだが、5日の制作期間でこの5つの要望を見事クリアしたというお母さんの職人魂にも、改めて驚きがこみ上げてくる。

こだわりがぎっしり詰まった2号機
こだわりがぎっしり詰まった2号機

ちなみに、ふわふわのブラシ部分は「ラップの芯にバスマットを巻いたもの」。

Twitterでは「ブラシがひき肉に見える」というコメントが多数寄せられたことで「この洗車機は今日より『ひき肉号』として息子の元で活躍してもらいます」と突然の命名が行われるなど、ちょっと笑ってしまうやりとりも展開した。

材料はほぼダイソーで揃えたということで制作費は「2000円いっていない」そうだが、息子さんの要望に細かく応えた「ひき肉号」がプライスレスなことは間違いないだろう。

「ダメ出し」多かったけれど毎日遊んでます

――作っていて難しかったのはどこ?

全部難しかったですが、手作業ですし特別な工具を持っているわけではないので、ブラシ可動部を左右対称にカッターでこじ開ける作業は何回か指切りました。


――仕上がった洗車機を見た息子さんの反応は?

喜んではくれましたが「ここは本当はこうじゃない」「乾燥機能は?」などダメ出しの方が多かったです。

――洗車機は今どうなっている?

毎日適度に遊んでくれています。 そしていちいち文句をいいます。


――大きな反響があった投稿、感想は?

1号機で色々文句を付けられたので私なりにめちゃくちゃ頑張って作ったのに、やはり息子からは文句が多く、ちょっとフォロワーに頑張りを褒めてもらおう…ぐらいの気持ちで投稿したら想像を越える沢山の方たちにお褒め頂き、嬉しいやらびっくりやら最近はこんな程度のもので…と恥ずかしくなってきました(笑)

これだけの方々に反応いただけたらもう承認欲求満たされまくりですありがとうございます(笑)


誰もが驚くお母さん渾身のおもちゃだが、息子さんからは“却下”した乾燥機能やその他のディティールについてダメ出しがあったという、思わず笑ってしまう一幕もあった。ただ、文句を言いつつも毎日遊んでいるという息子さんの様子からは、そのお気に入りっぷりが伝わってくる。

おもちゃメーカーへ向けて「これも手作りでいつかは壊れそうなんで、是非(大きいサイズの洗車機のおもちゃの)商品化を」と話しているお母さんだが、手作りの洗車機は世界に1つだけの特別製。ぜひ息子さんと一緒に、長く大切に遊んでほしい。

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プライムオンライン編集部
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