各界で活躍する一流アスリートたちはどのような学生生活を送っていたのか。

6月6日放送の「ジャンクSPORTS」(フジテレビ系)では、名門校の強さの秘密を調査。名門校出身のプロゴルファー・東浩子選手、俳優の大谷亮平さん、元女子バレーボール日本代表・大友愛さん、パンサー・尾形貴弘さん、元女子バレーボール日本代表・狩野舞子さん、元サッカー日本代表・高原直泰さんが登場した。

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出身校の制服を着用しての参加に大友さんは「嬉しいんですけど、公開処刑だな…」と恥ずかしそうにする。

永島優美アナもアメリカンフットボールとチアリーディングが有名な母校・啓明学院高等学校の制服姿で出演した。

野球部もサッカー部も人工芝!

まずは、東北の名門校、宮城県・仙台育英学園高校から。

生徒数3000人以上を誇るこの学校からは、今シーズン、読売ジャイアンツのリードオフマンとして活躍する松原聖弥選手を輩出し、この春も選抜ベスト8に進出した甲子園常連の野球部を始め、ラグビー元日本代表・畠山健介選手も所属したラグビー部、ロンドンオリンピック銀メダリストの卓球・平野早矢香さんなど、日本スポーツ界を代表する高校スポーツの名門だ。

この学校のバレーボール部出身なのが、ロンドンオリンピック銅メダル獲得の立役者ともなった大友さん。そして、「仙台育英サッカー部で10番をつけた“伝説の男”」と言い張るサッカー部のパンサー・尾形さん。

番組MCの浜田雅功さんが「伝説の男はやめて。うそくさい」と疑うと、尾形さんは高原さんに助けを求める。

尾形さんは「サッカー推薦で入ってサッカー部の合宿とか遠征は高校が出してくれて、1年生200人くらい(新入部員が)入ってくるんです。サッカー部に300から400人いる中でのレギュラー10番ですからね。すごいですよね」とアピール。

それを聞いた高原さんも「それはすごい」と納得していた。

今回は仙台育英高校のサッカー部の様子を生徒会の方々に協力してもらい紹介していく。

仙台育英が誇る野球部の球場はすべて人工芝で、室内練習場も完備。全国大会にも出場経験のあるサッカー部が練習するグラウンドも全面人工芝。さらに、学校が運営する寮が5つもあり、スポーツに秀でた生徒たちの多くが、寮生活を送りながらスポーツや勉学に励んでいる。

サッカー部が使用する寮は「IKUEI90」と呼ばれ、尾形さんの時代は1部屋を数人で使っていたようだが、昨年大幅に改修され、70ある部屋が全て個室になり、全部屋トイレとシャワールームを完備。乾燥機付き洗濯機が20台以上並ぶ洗濯スペースでユニフォームなどを洗っている。

すると、サッカー部の部員から“先輩”である尾形さんにあるお願いしたいことがあるとキッチンへ。キッチンには30人に対して1台の電子レンジしかないため、待ち時間が1時間になることもあるため、「電子レンジが取り合いになります。いい電子レンジください!」とおねだり。

“後輩”たちのお願いに尾形さんも「送ります!」と答え、実際に電子レンジを送り届けたという。

同じように寮生活を送っていた大友さんは「全国から優秀な選手が集まっていて、北海道出身の子の親からいくらが届いたりして、食事はすごく贅沢をさせてもらってました」と話した。

「おいす」「あす!」「さー!」わかる?

全国で勝つためには欠かせない、名門校ならではのルールもあったという。

バレーボールの名門、東京・八王子実践高等学校出身の狩野さんは、バレー部には独特な係がたくさんあったと振り返る。

「伝統校なので寮生活も大変だったんですけど、私はユニフォームを管理する係で。ほかにも洗濯係、先生の身の回りをお世話する先生係とかあって。あと、調味料係っていうのがあって」

そう話す狩野さんに思わず浜田さんも「調味料係」がどんな係なのかイメージできず、首をかしげる。

「よく使う調味料を合宿に持って行って、合宿先にない時とかあるので、先輩が使いたいときにすぐ出せるようにナップザックにいれて持ち歩く係。絶対に持ち歩いていたんです」

不思議な役割だが、狩野さんの話を聞いて浜田さんも学生時代に「バリカン係」だったというエピソードを話し出す。

「俺1年のとき、“バリカン係”やらされてた。全員坊主で“この日は髪の毛を刈りなさい”という時があって、その時にはバリカン係が各部屋にいて、引き出しからバリカン持ってきて、新聞紙下に引いてイス置いてどうぞって」

静岡・清水東高校のサッカー部には、独特過ぎる挨拶があったと高原さんは明かす。

「部内で使っていた挨拶があるんですけど、今思えば結構いっちゃってた」そう話す挨拶が、「おいす」「あす!」「さー!」「しやす!」「とぅー!」「サンバロサッレー サーレ サンバロー」の6種類。

「全然わからない」と困惑する浜田さんに高原さんは1つずつ解説していく。

「『おいす』が『おはようございます』。7時59分59秒までに先輩に会ったら、それ以降は『あす!』。『さー!』は『さようなら』で舌を巻く感じで発音。英語のLとRの発音みたいな。『しやす』は『お願いします』、『とぅー!』は『ありがとうございます』。最後の『サンバロサッレー サーレ サンバロー』は練習中とか試合前のアップの時に“頑張ろう”みたいな掛け声で使う」

高原さんも1年生の時はこの掛け声の驚いたというが、「慣れていきます。3年になると抑揚がついてきますから」と抑揚がついた3年バージョンの掛け声を披露した。

シブコも過ごした学生寮とは?

中国地方屈指のスポーツ名門校、岡山県・作陽高等学校。

全国高校サッカー選手権の常連校として24回の出場を誇り、現在はサンフレッチェ広島で活躍する元日本代表・青山敏弘選手をはじめ、20名を超えるプロサッカー選手を輩出する。

サッカー部が有名だが、ゴルフ部も全英女子オープンを制した渋野日向子選手や東選手らを輩出し、これまで2度の全国制覇を成し遂げている。

渋野選手も高校時代を過ごした女子寮は校舎のすぐ隣にあり、登校はたったの15秒。寮の入り口近くの部屋で渋野選手は過ごした。2人1部屋タイプで2台の勉強机と2段ベッドだけ。

現在女子寮では全女子生徒の3分の1にあたる69人が寝食を共にしている。食堂のレンジは4台あり、冷蔵庫も学年や寮ごとに9台。洗濯機も19台備わっている。掃除や片付けなどは学年に関係なく当番制のため、部活から帰ってもなかなか休めない。

通学の便利さに加え、設備や快適さが部活に集中できる環境を作り出しているが、ゴルフ部の強さの秘密は練習場にも。

池に向かって放つ、開放感たっぷりの水上ゴルフ場は、その距離300ヤード以上もある。

そんな練習場を経営するのが作陽高校ゴルフ部を創設から指導している田淵潔監督。トイレ掃除からボール拾いまで行う監督は、東選手の叔父でもあるのだ。

東選手はこうした練習環境について「群を抜いて“ゆとり”というか、自分で考えながらゴルフが楽しくなるようにしていた。それで渋野も成長していったんじゃないかと思います」と話す。

朝礼で般若心経を

大阪が誇るスポーツ名門校、清風高等学校。

毎朝行われる朝礼では般若心経を読んでいたと、卒業生の大谷さんは話す。

「仏教の高校で、毎朝朝礼があって中学・高校が3000人くらい集まって一緒になって般若心経を唱える。生徒手帳を出しながら読んで、1年で覚えるけど、出して読まないと怒られるんです」

真冬にふんどし一丁で水を被りながらお札を取り合う学校行事「四天王寺どやどや」や、大阪市内の校舎から和歌山県の高野山まで歩く「100キロ歩行」など特色ある仏教教育で知られている。

体操部はこれまで14人のオリンピック代表を輩出し、柔道部には格闘家・秋山成勲さん、元サッカー日本代表の本並健治さんを生み出したサッカー部なども。

中でもバレーボール部は、春の高校バレーで今年まで3年連続で全国ベスト4入りを果たしている強豪。このバレー部に所属していたのが、大谷さん。攻撃的なセッターでキャプテンとして名門バレー部をけん引した。

大谷さんは大阪選抜にも選ばれ、ここでもキャプテンを務め、国体にまで出場した。

数ある部活の中で最も厳しいと恐れられていたのがバレー部で、特に髪型には厳しかったという。生徒手帳にも細かくルールが記され、通称「清風カット」と呼ばれた。

そんな清風高校で大谷さんはどんな青春時代を過ごしたのか。高校時代の大谷さんをよく知る当時のチームメイトは「朝7時半に学校に行って夜10時くらいに帰る。休みが夏休み2日、大みそか・正月の2日。自分で望んで行って選んだ道なんですけど、いざ入ってみるときつくて」と振り返る。

特に厳しかったのが試合に負けた時で「2日間の大会で、1日目の予選で1敗して、その日の夕方に“坊主にせえ”と言われて。2日間の大会で1日目は髪の毛あって、2日目は丸坊主ということもありました」と明かした。

丸坊主後に「誰が一番似合っているか」という話になり、そこで大谷さんは「自分が一番似合っている」と言ってたそうだ。

公立校ながらサッカーの強豪校、静岡県立清水東高等学校。毎年、東京大学をはじめとする一流大学に進む生徒も多い進学校だ。

サッカー部は元日本代表の内田篤人さんや高原さんをはじめ、世界の舞台で活躍する日本代表選手を多く輩出。さらに、現FC東京の長谷川健太監督ら数多くの名監督も世に送り出した。

そんな文武両道の清水東高校の強さの秘密を元サッカー日本代表で、世界で活躍した武田修宏さんがリポート。

公立校のため、他の強豪校と比べるとお世辞にも恵まれた環境とは言えず、グラウンドは野球部と半々で使用し、人工芝ではなく土。しかも現在、グラウンドは工事中のため、さらに狭くなっている。

清水東高校の練習時間には特徴があり、毎日の練習は1時間半から2時間の短期集中で終わっているという。勉強時間もあるため、渡邊勝己監督は「自主練の時間を取って、自分で考えて自分で足りない練習や、やりたい練習をする」と話す。

また、渡辺監督は「勉強もすごく大変なんです。サッカーだけ思い切りやれればいいなと、僕も高校の時に思いましたけど、勉強もやらなければならない、練習もやらなければならない中で“サッカーだけやっている奴らには負けてられねぇ”という気持ちはありました。この子たちもそういうプライドは持っていると思います」と明かした。

他にも、学生時代によく食べていた思い出の味や恋愛事情などについて語った。

(『ジャンクSPORTS』毎週日曜日夜7:00~8:00放送)