なぎなたは「女性の競技」というイメージが強い方も多いと思われるが、競技歴約1年で全国大会3位の結果を残した”なぎなた男子”が話題になっている。

牛津高校 なぎなた部・吉田琉星さん:
常に「いつでもいけるぞ」という状態を作っておいて、「今だ!バーン!」という感じで行くのが楽しいです

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「なぎなた男子といえば吉田」目指し

牛津高校なぎなた部。
部員23人のうち、19人が女子で男子はわずか4人。2年生の吉田琉星さんは2020年4月、高校入学と共になぎなたを始めた。

牛津高校 なぎなた部・吉田琉星さん:
入部当時は女子しかいなかったんですけど、男子も大歓迎と言われて。(なぎなたは)牛津高校に入る前から興味があって、どんな感じなのかなとのぞいたら結構楽しそうだった

牛津高校 なぎなた部・福田千乃主将:
(吉田くんは)クールなんですけど、(練習では)盛り上げるのが上手で、「やる時はやる」みたいな感じです

2021年3月に兵庫・伊丹市で開催された「全国高校なぎなた選抜大会」。
全国から49人が出場するなか、吉田さんはその大会で見事、個人3位に輝いた。
競技を始めて約1年だった。

牛津高校 なぎなた部・吉田琉星さん:
もっと(全国大会で)上位を狙って、「なぎなた男子と言えば吉田」と思われるくらい頑張りたい

吉田さんがすっかり魅了されたなぎなた。この競技を簡単に説明する。
標準サイズのなぎなたは長さ約2m10cm、重さ約650グラム。
力任せに振っても中々スピードは出ない。上手く使いこなすにはポイントがある。

牛津高校 なぎなた部・吉田琉星さん:
前の手を強くするんじゃなくて、相手から見えない方の手でしっかり小指の締めを使って打つと、押さえが利いて(てこの原理で)早い打突ができます

なぎなたで有効な打突部位は剣道よりも多い。面、小手、胴、脛、咽喉の5カ所。
3分間で2本とった方が勝利。

吉田くんが得意とする戦法は…

牛津高校 なぎなた部・吉田琉星さん:
自分の今の得意技は、面を打つと見せかけての脛。フェイントによって脛が空くので、パチーンと狙える

指導するのは、尾形美和監督。
選手としては全国大会で4度優勝し、2007年にベルギーで開催された世界選手権大会に出場した経験もある。

牛津高校 なぎなた部・尾形美和監督:
(吉田さんは)目配り・気配り・心配りができる人かなと思います。(技の)習得のために自分の姿をビデオで見たり、まめにやっている。試合の中で相手が気が抜けた瞬間とか、そういうところをとらえるのは考えながらやっている

普段は調理科で料理について勉強

部活動ではなぎなたを振るう吉田さんだが、普段その手に持つのは包丁。

牛津高校 なぎなた部・吉田琉星さん:
食品調理科といって、調理師を目指す学科にいます。2年生になると中国料理と日本料理が入ってきて、3年生では西洋料理とか日本料理。将来は今のところ調理師になるのが夢

食品調理科の2年生は34人。
卒業と同時に調理師免許が取得できるコースで、全員が調理師を目指して日々研鑽している。

たくましい姿に両親、感激

父・吉田哲章さん:
絶対おかわりするやろ?

牛津高校 なぎなた部・吉田琉星さん:
全然足りん

父・吉田哲章さん:
断然中学校(の時)より食べるよね。今の方が

吉田さんの両親は、部活動と学業に奮闘するわが子の成長ぶりに嬉しさを隠しきれない。

母・吉田愛華さん:
(なぎなたを始めて)心身共にたくましくなったような感じがものすごくあります

父・吉田哲章さん:
(防具姿を見たのは)全国大会が初めてだったんですけど、たくましい姿を見せてもらって感激しました。朝早くから夜遅くまで(部活動と調理の勉強を)よくやっていると思います

競技歴約1年で全国大会で結果を残し、県内のなぎなた男子を牽引する存在となった吉田さん。

ーー今後の目標は?

牛津高校 なぎなた部・吉田琉星さん:
(男子にとって)なぎなたはマイナーじゃないですけど、まだ浸透率は低いと思うので、もっとなぎなた人口が増えてくれれば嬉しい。自分が先頭に立てるように、憧れられるように頑張りたいなと思います

(サガテレビ)

サガテレビ
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