百戦錬磨の二階氏はなぜ五輪開催判断に「緊張」という言葉を用いたのか

政府与党幹部の記者会見で、真意が気になる注目発言が相次いでいる。

まず、自民党の二階俊博幹事長の東京オリンピック・パラリンピックに関する発言だ。5月25日の会見で二階氏は、日本国内の新型コロナ感染状況を受け米国が日本への渡航中止勧告を出したことについて問われ、「既にそれらに対する対応は、我が国でも心得ておりますから、非常に落ち着いて、この話を受け止めている」と述べた。

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そして記者から、「渡航中止勧告が出ている状況で五輪が開催できるのかという声もあるが」と問われると、二階氏は次のように語った。

「まだ時間的な問題もありますから、渡航中止の問題とオリンピックとすぐ短絡させなくても状況を見極めていきたいと思っております。オリンピックというのは一つのスポーツ行事ではありますけれど関係者は長い長い間かけて、その日のために努力をしてこられたわけですから。我々はそのようなことを十分頭の中に入れて、なおしかし現実的な問題も今日的重要な課題ですから、こういうことにも配慮しながら最終的な判断を下していかなくてはならないと思って緊張しているところであります」

二階氏は4月には東京オリンピックについて「とても無理だということだったら、すぱっとやめないといけない」と中止も選択肢だとの認識を示している。それだけに、政府が開催は揺るがないという立場を強調しているこのタイミングで「最終判断」そして「緊張」という言葉を使った意味は何なのか。二階氏ほどの百戦錬磨の政治家が緊張を覚えるような判断といえば「中止」や「延期」も想像させるが、真意は不明で、さらに憶測を呼びそうだ。

河野大臣のワクチン廃棄へのダメ出し発言は、“抜け駆け接種”の首長擁護か否か

続いて、ワクチン接種担当の河野太郎規制改革相が、21日の会見で述べた、地方自治体でのワクチン廃棄に関する発言だ。

「いくつかの自治体、保健所などで、接種券がない者には打てないという誤った指導を行っているところがある。そうした誤った指導の結果、貴重なワクチンが廃棄されているのは極めて許しがたい状況だと思う。保健所や自治体の関係の皆様には認識を新たにしていただいて、16歳未満には打てないが接種券のあるなしにかかわらず、しっかり記録だけとっておいていただければ、後日接種記録を入れていただければいいだけの話なので、貴重なワクチンが廃棄されることがゆめゆめないようにしっかり対応していただきたい」

河野大臣はこのように、貴重なワクチンを廃棄するということについて「許しがたい」と強い言葉を使った上で、次のように、自治体がやったことで批判があれば自らが責任を取る意向を強調した。

「何かその件で問題が起きれば私が責任をとりますので、町長さんが先に打ったとか、なんかいろんなことで批判を恐れて廃棄することがないように、自治体の裁量で廃棄しないで有効活用してほしいと申し上げている。自治体でやったことで批判があれば私が責任をとるので、どうぞ遠慮せず貴重なワクチンを使っていただきたいと思う」

この発言について一部で、賛否の分かれている「自治体の長の抜け駆け接種」について擁護したのではとの見方も出た。ただ河野大臣は以前、自治体の長の接種については説明責任が重要だと釘を刺している。そのため河野大臣としても、必ずしも一部の首長らを擁護しているわけでもなく、廃棄するくらいなら、町長に限らず自治体の職員でも関係者でも適切な人に接種することで、ワクチンを無駄なく活用してほしいという思いが、この言葉になったようだ。

“逃げ恥婚”にコメント「国も子育て室もよくやってるなというセリフを!」

最後に、坂本哲志少子化相の発言について紹介する。21日の記者会見で記者から、星野源さんと新垣結衣さんのいわゆる「逃げ恥婚」について、ドラマの設定で契約結婚が扱われたことなどを踏まえて少子化担当としての所感を問われると、坂本大臣は笑顔を見せながら、次のように回答した。

「私はドラマそのものはあまり見ていません。ただ娘が星野源さんの大ファンですので、娘からいろいろ話を聞いておりました。かなりショックのようでした。ドラマの中には、私達が今やっている結婚、それから妊娠、出産、そういったものがストーリーの中で出てまいりますので、非常に興味を持って後で話をいろいろ聞いたところでございます。もし続編があるとするならば、『国も子育て担当室もよくやってるな』というようなセリフでも一つ入れていただければ、それにこしたことはありません」

坂本大臣はこのように、逃げ恥の続編が制作される際には、「国も少子化対策をよくやっている」というセリフを入れてと、脚本への注文とも介入ともとれる発言をした。もちろん政府が少子化対策に全力で取り組んでいることをアピールする上でのジョークだが、胸を張れるほど国も少子化対策をよくやっているかというと賛否両論だろう。確かに幼保無償化や待機児童解消、結婚支援などの対策を実施してきているが、野党からは高所得世帯への児童手当廃止などをめぐって少子化対策に逆行するとの批判も浴びた。政府が真に子どもを産み育てやすい日本にしていけるかどうか、坂本大臣の言葉に違わぬよう、期待と共に厳しい視線も注がれそうだ。

(フジテレビ政治部 高田圭太)