指紋認証機能を強化

マスクの使用が日常化する中、指紋認証を強化

シャープが17日に発表した、5G対応の新型スマホ「AQUOS R6」。

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現在、主流となっている顔認証でロックを解除するスマホは、マスクをつけたままの使用が課題となる中、シャープは、あえて指紋認証機能を強化し、指紋の登録も2~3秒の長押しを1回するだけでできるようになった。

販売は、6月中旬以降を予定している。

課題は国内に限られた市場の拡大

三田友梨佳キャスター:
このニュースについてグローバル企業の事業戦略に詳しい早稲田大学ビジネススクール教授の長内厚さんに聞きます。
シャープは経営の立て直しを図って本来の持ち味であるユニークなものづくりが戻ってきた印象がありますね?

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚氏:
シャープは初めて携帯電話にカラー液晶やカメラを組み込んで、いわゆる"写メ文化"を作った会社でもあります。

今回本当に新しい物を出していくワクワク感があると思いますが、2010年代半ばに日本の携帯電話メーカーがかなり多く撤退する中で、シャープも経営不振だった時期もありますので、一時はどうなるのだろうという思いもありましたが、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が経営に参画したころから攻めに転じているような気がします。

三田キャスター:
台湾メーカーとの関係がプラスに働いているということですね。

長内厚氏:
シャープは新たな商品のアイディアを生み出す多様性に富んだ会社です。
一方、鴻海はコスト体力のある生産の効率性に優れた会社です。

日本流と台湾流の良さの両方を活かす両利きの経営が功を奏しているのではないでしょうか。

三田キャスター:
今後シャープのスマホ事業が成功していくためにクリアすべき課題は何がありますか?

長内厚氏:
日本では人気のAQUOSスマホですが、課題は国内に限られた市場をどれだけ広げるかだと思います。

ガラケーですとか、かつてのアナログなエレクトロニクスというのは国内市場に向けて少ない生産量でも作り込みの良さで何とかなっていたところがあります。

しかしデジタルの時代になると数を作る。それによってコストを下げていくことが重要になるので、これからもグローバル市場にどれだけ入って数を増やせるかがカギになると思います。

三田キャスター:
マスクによって指紋認証へのニーズがこれまで以上に高まっている中での今回の「指紋認証機能の強化」というのは魅力的ですが、世界と戦うにはどう差別化を図るのかもカギと言えそうです。

(「Live News α」5月17日放送分)