3社の新型コロナワクチンを比較

厚生労働省はアメリカのモデルナ製と、イギリスのアストラゼネカ製の新型コロナウイルスのワクチンを特例承認したと発表。モデルナ製は5000万回分、アストラゼネカ製は1億2000万回分の供給が予定されているという。

この記事の画像(5枚)

日本で今後使えるようになった3社のワクチンの特徴は、以下の通り。

【アストラゼネカ製】
接種回数…2回
間隔…4~12週間
有効性…70.4%
管理温度…2~8℃

【モデルナ製】
接種回数…2回
間隔…4週間
有効性…94.1%
管理温度…-20℃前後

【ファイザー製(2月に承認)】
接種回数…2回
間隔…3週間
有効性…94.6%
管理温度…-70℃前後

接種回数はいずれも2回だが、1回目と2回目を打つ間隔や有効性、管理温度などにはそれぞれ違いがある。

発症予防の効果を示す有効性についてはファイザー製が94.6%なのに対し、モデルナ製が94.1%、アストラゼネカ製が70.4%。インフルエンザのワクチンの有効性は約60%程度とされており、3社いずれも有効性は高いといえる。

また、ファイザー製・モデルナ勢のワクチンは保管する際の温度が低く冷凍保存が必要なのに対し、アストラゼネカ製は一般的な冷蔵庫で保管しやすいという特徴もある。

“アストラワクチン”の使い道は…

モデルナ製のワクチンが来週から東京・大阪に設置される大規模接種センターなどで使われることになっている一方、アストラゼネカ製のワクチンだけは現在、使い道が決まっていないという状況。

実は、アストラゼネカ製のワクチンは接種後まれに血栓症を発症する症例が報告されており、ヨーロッパ各国では特に若い層で目立ったということで60歳以上を推奨するなど年齢制限を設けたり、使用を中止されている。そのため、当面は公的な接種の対象とせず、推奨する年齢など、対象者を引き続き慎重に検討することとしている。

加藤綾子キャスター:
アストラゼネカ製に関しては少し心配がある中で、菅総理が訪米した際にファイザー製のワクチンを交渉して追加し、2社で足りるようになったわけです。これはもう安心材料の一つだなと思うのですが、となるとアストラゼネカ製はどうするのかというのも気になります。

榎並大二郎アナウンサー:
もうすでに2社だけで、接種対象の日本国民が2回接種する分の契約が済んでいるということで、アストラゼネカ製のワクチンはどうするのか。
政府内では普通の冷蔵庫と同じ温度で保存できるという点から、診療所の個別接種で使用するという案ですとか、備蓄用として活用する案、さらには発展途上国の支援として活用する案も浮上しているんです。田村厚生労働大臣はどのような形でこれを利用していくかということを決定していきたいと述べています。

(「イット!」5月21日放送分より)