ヒグマ1頭分のソーシャルディスタンスを守ろう

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、さらなる予防の徹底が求められている現在。
改めて"3密"の回避のため、ソーシャルディスタンスの確保などの基本的な対策を見直していくべきだが、今、札幌駅前の地下に掲出されているソーシャルディスタンスを呼びかける啓発広告が「臨場感がある…」と話題になっている。

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「北海道のソーシャルディスタンスは臨場感があるな」

twitterユーザーのえせ(@ese_nd)さんが投稿したのは、「ヒグマの体長約2メートル 実物大で2mを実感しよう」と書かれた吊下げ式の広告。

こちらを振り返っているようなポーズの実物大ヒグマがドンとデザインされ、「ナイスな実例だ」「実物じゃなく、実物大でよかった…」の声や「ヒグマとだったら2mじゃディスタンスが足りない」といったコメントが寄せられるなど、注目されているのだ。

編集部では以前、名物の「たらい舟」ひとつ分や「トキ」1羽分の距離を保つことをすすめる佐渡島の観光動画をご紹介したが、札幌の"ヒグマ・ディスタンス"もそれに負けないご当地色あふれる呼びかけとなっている。

(関連記事:「たらい一つ分の距離感」佐渡島が“withコロナ時代の観光”を動画で発信

北海道ならではの表現で、一度見たら忘れられなくなりそうなインパクト大の広告を作成した、札幌駅前通まちづくり株式会社にお話を聞いてみた。

「北海道でよく見かけるもの」をデザイン

――この広告を作ったきっかけは?

2020年の4・5月と一時広場の利用休止をしていたチ・カ・ホ(札幌駅前通地下歩行空間)ですが、「新北海道スタイル(感染拡大防止対策)」を実践していただくことで、様々なイベントでの広場利用を再開していました。

しかしながら感染拡大の収束が見通せない状況が続いており、この「新北海道スタイル」という取組を継続してくこと、この言葉「新北海道スタイル」という言葉自体も、もっと周知してく必要があると考え「幅2mのバナーに札幌都心で目にする色んなものを実物大で描いてソーシャルディスタンスの2mを実感してもらおう」という弊社独自の企画として実施し、デザインも社内デザイナーが行いました。

世の中の自粛ムードや様々な注意喚起や要請が溢れ、気分も下がり気味になっていることも感じていましたので、そんな中でも少しでも楽しい気分でソーシャルディスタンスを意識して、感覚的に分かってもらいたいという願いから「幅2mのバナーに、札幌のまちなかで見かける色々なものを実物大で表現する」というアイデアが生まれました。

―――他にはどんなデザインがある?

設置当初から「ヒグマ」「札幌時計台の文字盤」「JR札幌駅の看板<札の箱文字>」「マンホール」「横断歩道の白線」の全5種類のデザインで、チ・カ・ホの中の出入口のうち5カ所に掲出しています(イベント状況等により時々場所が変わることもあります)。


――いつごろから掲出している?

北海道では全国の他の地域より早い時期から感染拡大があり、自粛や施設の休止も行われていました。正確には覚えていませんが、6、7月ごろから道庁から「新北海道スタイル」の推進が提唱され、8、9月頃に「新北海道スタイル」推進の集中対策期間があった頃に社内検討し、実際の掲出は2020年9月23日からでした。

こちらは時計台デザイン

――「まちなかでよく見かけるもの」…もしかしてヒグマも?

ヒグマについては、さすがに北海道札幌といえどもまちなか(都心部)で見られるわけではありませんので、札幌市民でもヒグマの大きさを実感している、良く知っているような方はほぼいないと思います。見ていただいた方に興味を持ってもらう、へぇ~と思ってもらいたいと思ってデザインに採用しました。


この広告が掲載されているのは、地下鉄さっぽろ駅と大通駅を結ぶ、520mの地下歩行空間。
北海道では「新しい生活様式」を道内で実践するため、道民と事業者が連携して感染リスクを低減させていく「新北海道スタイル」が呼びかけられているが、今回の広告はこの「新北海道スタイル」を周知していくために作られたという。

そのために注目したのが、札幌のまちなかで見かける身近なものたち。
ヒグマについては「札幌市内でも山寄りの方に行くと野生のヒグマが出没しますが、住宅に近い場所だったりすると大きなニュースになります」ということで決して身近なものではないものの、そのインパクトから足を止めた人は多いはず。
そして、2mを伝える案はその他にも候補があったという。

札幌市民がピンとくる新たなモデルも募集中?

――他にはどんな案があった?

検討時には、地元プロスポーツチームの選手に出てもらえないか?とか、飛行機のエンジンや建築物など目にしてはいるけど近くで見られない触れないものを実物大で紹介できないか?などの他、意外に大きい国道の青い看板や、有名なクラーク博士像の右手の指先からというアイデアも出ました。

この企画自体をスピーディに進める(すぐ始める)必要性も感じていましたので、結果的に協議や撮影に時間を掛けずに制作できる今掲出している5種類に落ち着きました。

この記事をみたプロスポーツチームや企業から協力してもいいよとお声が掛かったり、市民の方からこんな2mのものがあるよっていう情報が来たりすると嬉しいですね。そうしたら新しいバナーが出来るかもしれません。

――大きな反響への感想を…

掲出開始からかなり日が経っていましたので正直驚いていますが、こういった形で広くたくさんの方にチ・カ・ホでの取組を知っていただき、安心してご通行、ご来場いただければ嬉しいです。札幌市は今また感染が拡大して厳しい状況になっていますが、これからも皆さん一緒に「新北海道スタイル」に取り組んでいきましょう!

「マンホール」は時計台デザインのご当地モノ

実際の掲出は2020年9月からだったというが、今回twitterで話題となりウェブメディア数社から問い合わせが寄せられるなど改めて注目されたようだ。

withコロナの生活に慣れはじめ、どうしても緩みがちになってしまう基本的な感染対策への意識。一度見たら忘れられない「ヒグマ1頭分の距離」をとりつつ、ぜひ安全・安心な生活を守っていただきたい。