「たらい」一つ分の距離を開けて

緊急事態宣言が全国的に解除されたが、新型コロナウイルス感染症はいまだ終息にはいたらず「新しい生活様式」を続けていくことが求められている。

多くの施設が営業を再開し、街には人通りも多くなったが、そんな中、一般社団法人佐渡観光交流機構が「“withコロナ時代”に選ばれる観光地であるために」として、新潟県佐渡島での新しい生活様式を取り入れた過ごし方を紹介する動画を5月27日に公開した。
 

Live Together on Sado Island「旅する人も、住む人も、安心・安全な佐渡で。」というタイトルのこの動画は、観光客2人が佐渡島を観光するドキュメンタリー風のストーリー。

まず、乗船場に着いた2人はサーモグラフィーによる検温を受け、備え付けのアルコールスプレーで手を消毒しながら船の中へ。

途中乗ったバスでは、乗客や運転手が全員マスクをつけていたり、旅館では発熱の有無などを「健康チェックシート」に記入するなどの感染予防対策を紹介している。

さらに、佐渡島名物の大きなたらいに乗る「たらい舟」の体験では、海女さんたちとたらい1つ分ほどの距離を空ける“タライ・ディスタンス”のほか、佐渡太鼓や市の鳥のトキ1羽でソーシャルディスタンスを表現する佐渡島ならではのクスリと笑える場面も登場する。

「旅する人も、住む人も、安心・安全な佐渡で」というキャッチコピーで締めくくられるこの動画。「新しい生活様式」を取り入れた佐渡島での過ごし方を、来島した人にも実践してもらうために、佐渡汽船船内で放送されるという。

現在、島内で新型コロナウイルスの感染者は発生していないというが、緊急事態宣言が全国的に解除されたタイミングで“withコロナ時代”の新しい観光を提案した佐渡島。
佐渡観光交流機構に動画作成の経緯など、お話を聞いた。

「感染者がゼロのままの島で、安心して過ごしてほしい」

――今回、「新しい生活様式」を紹介する動画を作ったきっかけは?

今後、新型コロナウイルスの感染が落ち着いて観光が再開されたとき、感染者がゼロのまま佐渡島の人も観光客の方にも安心して佐渡島で過ごしていただきたいと強く思いました。

この動画を作成する前に、佐渡島を想ってくださるみなさまへ向けて「Message from Sado」という、stayhomeをお願いする動画を作成し、配信したところ好評でしたので、佐渡でのnewnormalをわかりやすく、ちょっぴりコミカルに発信するにはやはり動画が良いということになり、制作することにしました。
 

――佐渡島が感染者ゼロを維持しているのは、この動画のような努力があったから?

佐渡市として、佐渡島民へ不要不急の外出の自粛、島外のお客様へ佐渡島への来島自粛を呼びかけました。また佐渡汽船では水際対策として、乗船名簿の記入のお願い、サーモグラフィーによる検温及び健康チェック、消毒液の設置などを行いました。

「トキ一羽分」の距離感も?

今回の動画以前にも、外出自粛で島に来られない人々に対して「いつかまた会える日までステイホームしてほしい」と語りかける動画を発信していた佐渡島。

これまでは外出の自粛など基本的な感染症対策を行ってきたというが、5月18日より安心・安全対策の第1弾として「佐渡クリーン認証制度」をスタートさせている。

この「佐渡クリーン認証制度」とは、島内の宿泊施設や観光施設、飲食店などを対象とした衛生認証制度で、観光再生へ向けて佐渡市が支援する市民・県民向けの宿泊費補助の対象となるには、この認証を受けていることが必須条件となる。


――「佐渡クリーン認証制度」ではどんなことをチェックする?

定期的な清掃や消毒を実践しているか、お客様にも手洗い・アルコール消毒を促しているか、などの基準があります。
 

今後も当面の間、新しい生活様式を続けていく

佐渡島では今後もこの「佐渡クリーン認証制度」を軸にした公衆衛生対策を行い、観光客と佐渡島民がお互いに安心・安全に過ごせる環境を作っていきたいとしている。

また、佐渡汽船ターミナルでは5月21日より、マスクを持っていない人向けのマスク無料配布を開始。「感染を広げず安全な佐渡島を維持するために、基本的な感染対策をしっかりと実践してまいります」と語っている。

新潟港佐渡汽船ターミナルでのマスク無料配布の様子

――今後、どのくらい「新しい生活様式」を続けていく?

感染症の拡大防止のため、当面の間実施していく予定です。


――今後旅行を考えている人に伝えたいことは…

感染が落ち着いたときには、ぜひ動画を見て佐渡のnewnormalを実践していただき、安心して佐渡島をお楽しみください。

人気の観光スポット・尖閣湾(提供:佐渡観光交流機構)

新型コロナウイルスの影響で多くの観光地が打撃を受けている状況ではあるが、緊急事態宣言が解除されても、すぐに今まで通りとはならず、観光地は新たな受け入れ体制も求められていくだろう。

観光地と観光客がお互いに安心・安全に過ごせるように、それぞれ意識を高めていくことが、以前の生活を取り戻す第一歩となる。