ホテル療養した平川アナウンサーの報告

新型コロナ陽性患者の軽症・無症状患者を受け入れる宿泊療養施設として、佐賀県は民間のホテルを借り上げ、約1年前から運用を始めた。
現在、佐賀市と鳥栖市の2つのホテル、あわせて354床が確保されていて、ホテルでの療養期間はウイルスの感染力がなくなるとされる10日間がめどとなっている。

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65歳以上の高齢者は、重症化のリスクを考え、軽症や無症状であっても医療機関に入院する場合が多く、ホテルでは主に若年層から中年層の患者が療養している。

その療養中の生活はどのようなものなのか。
4月5日から10日間、新型コロナウイルスに感染し、実際に佐賀市のホテルで療養したサガテレビ・平川邦明アナウンサーが報告する。

療養1日目 軽症患者のホテル生活

平川アナウンサー:
4月5日月曜日です。きょう療養施設に入りました。いまのところ症状と言えば、少しだけ喉に違和感があるかなというくらい

療養1日目
療養1日目

こちらが、私が10日間過ごした部屋。
基本的にこの部屋から出ることができないため、10日間 本を読んだり、SNSやテレビを見たりして過ごした。

基本的に部屋から出ることはできない
基本的に部屋から出ることはできない

療養生活の中での楽しみが「食事」だった。
ただ、基本的に部屋から出てはいけない中で、どうやって弁当を受け取るのか。

療養中の食事はボリュームたっぷり
療養中の食事はボリュームたっぷり

平川アナウンサー:
昼ごはんの時間が近づいています。ここで部屋の外をドアスコープから覗いてみます。向かい側の部屋にオレンジ色のコンテナがあって、白いビニール袋があります。これが昼ご飯です

ドアスコープから除く
ドアスコープから除く

弁当などの受け取りは、いわゆる「置き配」になるため、スタッフとの接触はない。
この日はエビフライ弁当だった。

平川アナウンサー:
お弁当自体、野菜やお米、揚げ物とかボリュームたっぷり。栄養も考えて作られているので、ご飯に不満は全くありません

療養4日目 味覚に違和感が…

当初は、ご飯をおいしく味わっていた平川アナウンサーだが…
療養4日目の4月8日、野菜ジュースを口にしたところ、異変を感じる。

平川アナウンサー:
うん…やはりあれですね。こんな味だったかな?という感じ。ニンジンの味がわかるとか、甘味がわかるとか、細かい部分まで今までわかっていた部分が感じにくくなっている感覚がありますね。コーヒーも、コーヒーを今飲んでいる、ということはわかるんですが、なんか苦みとか酸味が正直わからないですね

療養4日目
療養4日目

その後、朝と夜に部屋にかかってくる看護師からの電話で鼻づまりの薬を飲むように言われ、6日間服用した。

ホテルでは、入所時に5種類の市販薬が渡され、発熱や鼻づまりなど症状に合わせて服用することになっている。

発症から10日目 味覚・嗅覚も回復

療養生活最後の食事となった、夕ご飯。

平川アナウンサー:
う~ん!味ははっきりわかります。最初はこういう優しい味がわからなかったです。だしの感じがわかるくらい、味覚・嗅覚、はっきり元の感覚に戻ってきています

療養生活最後の食事
療養生活最後の食事

最終日には、症状が何もない状態まで回復。
感染力がなくなったとされる、発症後10日目の4月14日に部屋を後にした。

陽性の診断からホテルまでは?感染して感じたことは?

ーー陽性とわかってからホテルに行くまでどういう流れ?

平川アナウンサー:
私の場合は、保健所の指示で、いったん佐賀市にある保健福祉事務所に車を止めてから、後部座席と運転席をアクリル板で仕切った専用車両でホテルまで送ってもらいました

ーー何を持って行った?

平川アナウンサー:
県のウェブサイトで公開されている入所者向けの資料があります。それを確認して、10日分のタオルや着替えを持っていきました。ゲーム機や本など、嗜好(しこう)品の持ち込みもできます。差し入れは入所日と翌日のみなので、それも踏まえて多めに荷物を準備しました

ーー感染して気づいたこと・感じたことは?

平川アナウンサー:
感染したくて感染する人はいない。ただ、「医療従事者の負担を増やした」「会社や家族に迷惑をかけた」「身の回りの人は大丈夫か」と不安と申し訳なさで押しつぶされそうになった。その時、家族や同僚、友人たちから「大丈夫か?」「君は悪くない」と言われると本当に安心した。ぜひ、身近に感染者や濃厚接触者がいたら、一言でもいいから声掛けをしてほしいと思います

(サガテレビ)

サガテレビ
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