コロナ禍でテレワークが増え、自宅でもラフな格好で仕事をすることが普通になってきたかもしれない。

しかし、オンライン会議や出社しなければならない日など、スーツを着る機会は依然としてある。最近では、気軽に自宅で洗えるスーツも各社から登場しているが、そんな中、AOKI株式会社がスーツと洗濯ネットが一体化した「洗えるスーツ」を発売した。

「洗えるストレッチ 背裏洗濯ネット付き 紺シャドーストライプ COOL 2パンツ スーツ 夏」
「洗えるストレッチ 背裏洗濯ネット付き 紺シャドーストライプ COOL 2パンツ スーツ 夏」
この記事の画像(7枚)

「洗えるストレッチ 背裏洗濯ネット付き 紺シャドーストライプ COOL 2パンツ スーツ 夏」という商品で、価格は30800円(税込)。同社が展開するオンラインショップ「ORIHICA」で購入できる。

一見すると普通のスーツだが、ジャケットを裏返し、ファスナーを下ろすと洗濯ネットとして使用することができ、スーツをそのまま洗濯機に入れて洗うことができるのだ。

 
 

まず、ジャケットの裏地にあるファスナーを下ろした状態で両側の袖を折りこみ、縦に三つ折りにする。

 
 

今度は横に三つ折りして正方形にし、その状態からファスナーをひっくり返し、そのまま全体を包むのだ。最後に、そのファスナーの中にパンツを入れる。

洗濯ネットを用意することなく、ジャケットとパンツ両方をそのまま洗濯機で洗うことができるのだ。

なおスーツには、伸縮性があり動きやすい素材を使用。袖裏には吸汗速乾裏地、パンツ裏には吸汗速乾メッシュ生地を使用しているので、汗のベタつきを防いでくれるという。

Twitterでは「これ革新的!なぜ誰も今まで思いつかなかったんだろうか」「その発想はなかった。やるなあ」など声があり、話題となっているのだ。

これまでにも「洗えるスーツ」を発売してきた同社だが、なぜスーツと洗濯ネットを一体化させるという発想になったのだろうか? スーツの着心地などと合わせて、AOKI株式会社の広報担当者に伺った。

「スーツが洗えるか不安」という声から開発

ーーなぜ、このようなスーツを作ろうと思った?

昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、衛生習慣が高まってきており、洗えるスーツの需要も高まってきております。

「洗濯ネットはあるが大きさが異なる」「手持ちのネットできちんと洗えるか不安」というお客様のお声もあり、スーツと一体化した商品を開発いたしました。


ーーこれまでも「洗えるスーツ」は売れていた?

洗えるスーツは大変ご好評いただいており、「ORIHICA」としてもスーツ全体の売上における洗えるスーツの割合は前年比で約2倍の推移をしております。


ーーネットと一体化するのは大変だった?

ベストなネットサイズにするため、何度もサンプルを作り、実際に洗って検証を重ね現在の形で商品化いたしました。


ーー“洗濯ネット”は着ているときは見えないの?

着用時は一般的なスーツの見た目になるように工夫しており、見た目着用感ともに影響はございません。

「洗えるストレッチ 背裏洗濯ネット付き 紺シャドーストライプ COOL 2パンツ スーツ 夏」
「洗えるストレッチ 背裏洗濯ネット付き 紺シャドーストライプ COOL 2パンツ スーツ 夏」

大きさに余裕がある洗濯ネットがこだわり

ーースーツの洗濯について、これまでにどんな声があった?

「スーツが入る洗濯ネットをわざわざ用意するのは煩わしい」「スーツに最適な洗濯ネットがどれかわからない」というお声がありましたが、「ORIHICA」の商品は安心して洗うことが出来ます。


ーー洗濯する際の注意点を教えて

・中性洗剤を使用すること
・水温は40℃以下で洗うこと
・水流は「ドライ」「手洗いコース」「ソフト」で実施すること
・脱水時間は「15秒~1分」程度にすること
・干す際は日陰干しで実施すること


ーーこだわりは? 

一番のこだわりは洗濯ネットの大きさでパンツ(スーツ上下)を一緒に入れてきちんと洗える余裕を持たせたサイズに設計していることです。


ーースーツの着心地を教えて

夏の時期の着用を想定しているため表の生地は薄く、軽く羽織るような着心地で独自の縫製方法により日本人の体形に合わせてあり、軽く羽織るような着用感になっております。

洗濯するまでの手順
洗濯するまでの手順

スーツ全体の売り上げは前年比約2割減

ーー「洗えるスーツ」自体も変化している?

毎年お客様のお声と共に進化させております。素材だけでなく、ストレッチ性、軽量化、涼しさ等を兼ね備えた洗える商品を販売させていただいております。


ーーちなみに、コロナ禍でスーツ全体の売り上げは下がっているの?

在宅ワークの増加や服装の自由化により、スーツを着用する人が減っている一方で、カジュアルにも使えるセットアップやビジカジアイテムの需要は高まってきております。

具体的には、パジャマスーツ、アクティブワークスーツなどお客様の働き方、働く場所の変化に対応した商品のニーズが高まっています。スーツの販売着数は前年比で約2割減です。(2020年12月時点)


ーーこの「洗えるスーツ」の反響はあった?

プレスリリース配信後、SNS等で「その発想はなかった」「これ、学生服でやってほしい」など多くの反響を頂きました。

パンツが入る大きな洗濯ネット
パンツが入る大きな洗濯ネット

テレワークをしていると、確かにスーツを着る機会は以前より減ったことだろう。たまにしか着用しないのであれば、このように自宅で洗濯できるスーツの需要はありそうだ。

さらに「スーツを洗うための洗濯ネットを持っていない」「手持ちのネットできちんと洗えるか不安」との声に応えた、この“洗濯ネット付き洗えるスーツ”はたしかに便利かもしれない。

【関連記事】
忘れても安心!?「エコバッグになるジャケット」を洋服の青山が発売…シワにはならないのか聞いた
テレワークにぴったりな“パジャマスーツ”が登場…「ラクできちんと見える」着心地をAOKIに聞いた

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。