勢いも大きさも、第3波よりずっと大きい恐れ

「すでに人流が増加していること、変異株による陽性者が著しく増加していること等により、増加比がさらに上昇し、急速に感染が拡大することが危惧されます」

国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、人流と変異ウイルスによる急激な感染拡大に危機感を示した。

国立国際医療研究センター 大曲貴夫国際感染症センター長
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4月15日に開かれた東京都のモニタリング会議では、新規感染者数の7日間平均が前回の395人から475人に増え、増加比も前回の113%から120%に上昇したという分析とともに、新規感染者数が2週間後には1日680人、4週間後(ゴールデンウィーク後)には1日980人になる、との試算を示した。

第3波の1カ月前は増加比が104%にとどまっていたので、現在の120%という増加比では“第4波”となると、増加の勢いも大きさも第3波よりずっと大きくなる可能性があるという。

年代別に見ると、20代から40代の割合が目立って上昇しているということだ。

変異ウイルスで「若い世代の重症化リスク上昇」に懸念

「重症化率が高いとされる、変異株による重症者の増加を注視する必要がある」

「変異株によって40代、50代など、従来株よりも若い世代における重症化リスクが高まることも懸念される」

東京都医師会の猪口正孝副会長も医療提供体制についての分析の中で、変異ウイルスへの強い懸念を示した。

また、変異ウイルスについて、東京iCDC専門家ボードの賀来満夫座長は次のように述べ、若年層の感染拡大に強い警戒感を示した。

「(感染力が強いとされる)N501Y陽性例が、この2週間で都内でも急速に増加してきております。感染例では、10代20代の若年層が占める割合が高いとの報告を受けております」

東京iCDC専門家ボード 賀来満夫座長

人との接触を50%減らしても拡大の恐れ

さらに、東京都健康安全研究センターの検査では、N501Yの発生割合が3月22日~28日は8.2%だったのが、4月5日~11日は37.8%まで増えており、今後はN501Yが主流に置き換わる可能性が高いとみて注意しなければならない、との見方が示された。

「(人との接触を)30%減らしても感染が拡大することになります」

賀来座長は、感染を抑えるため人との接触をどれだけ減らせば良いのか、という試算を示した。

それによると、人との接触を30%減らした場合、従来のウイルスだと感染抑制ができるが、N501Yだと30%減らしても感染が拡大し、50%減らすと感染抑制の効果があるという。

しかし、N501Yが欧米で報告されているような高い感染力を持つとしたら、人との接触を50%減らしても感染は拡大するという。

「今後、大阪のように陽性者が急増する前に人流を抑制していくことが一層必要と思われます」

賀来座長はできるだけ早く対策するよう警鐘を鳴らした。

大阪ピークアウトには時間を要する 東京も…

「しばらく感染者数の増加は続く見込みで、その間、医療提供体制の逼迫が極めて深刻な状況になることが示唆されています」

東京都医学総合研究所社会健康医学研究センターの西田淳志センター長は、大阪の繁華街での夜の人出と感染の広がりを示す実行再生算数の推移から、大阪府の「感染者数のピークアウトまでは、まだ時間を要する可能性が高い」との見方を示した。

大阪市内(4月15日)

「ゴールデンウィーク前には感染者数が急激に上昇することが示唆されます」

西田センター長によると、東京都内の夜の人出は、今は1月の緊急事態宣言時の最低値より午後8時から午後10時は80%増、午後10時から午前0時は60%増となっていて、この状態で今の実行再生産数が続くと、ゴールデンウィーク前には感染者数が急増する可能性が高く、夜の人出は最低でも今の半分に抑えるべき、ということだった。

東京に来ないで、東京から出ないで             

「東京に来ないでいただきたい」

小池知事は、緊急事態宣言が発出時よりも強いのではと思えるような言葉で、かつ詳細に、人の流れを抑えるよう協力を呼びかけた。

都民に対しては、次の5点を促した。

(1)都県境を超える外出自粛
(2)感染力が強いとされる変異ウイルスN501Yによる感染が拡大している大都市圏との往来を控える
(3)ゴールデンウィーク中の旅行も延期
(4)毎日の買い物も3日に1回程度、少人数・短時間で
(5)通販の活用を

また、働く人に対しては

(1)テレワークで出勤者を最大でも3割に抑制
(2)都県境を超える出張は控えて、オンライン会議の活用を
(3)クールビズの時と同様に経営トップの積極的呼びかけが不可欠

とし、学校には次の4点を呼びかけた。

(1)時差通学の実施
(2)感染リスクの高い教育活動は中止
(3)部活動ではリスクの高い活動、宿泊活動、練習試合の等の中止
(4)修学旅行・校外活動は延期または中止

そして、都外在住者に対しては、通勤も含めどうしても出勤が必要な人以外は「東京に来ないで」と訴えた。

歯止めかからなければ緊急事態宣言発出要請も

「今週は数字がはねる」

ある都庁関係者は今週始め、こう話していた。その話を裏打ちするように、新規感染者数は14日の591人から一気に700人を超え729人に。16日以降の新規感染者数も懸念される。

「この流れに歯止めがかからなければ緊急事態宣言の発出を国に要請せざるを得なくなる」

小池知事の危機感は、これまで以上に強まっている。

「これまで通り、これまで以上に徹底していただきたい」「緊急事態宣言ができた頃、皆さん緊張してご対応いただいたことを思い出していただきたい」と、感染予防対策の徹底を改めて呼びかける小池知事。

最近の自らの感染予防対策を見直し、さらに緊張感を持って過ごすことが求められている。

(執筆:フジテレビ都庁担当 小川美那記者)