4月12日から始まった新型コロナワクチンの高齢者向け接種。その後は、一般向けの接種と続くが、接種会場には多くの人が集まることだろう。しかし、もちろん人が混み合う「密」は避けなければならない。

そんな課題解消の手助けをするため、スマホやPCで事前に問診を完了させることができるシステムの提供も始まっている。

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自治体が用意する紙の予診票の記入に代わってスマホなどで完了させる「ワクチン接種Web問診システム」で、開発したUbie株式会社が6日から自治体向けに提供しているのだ。

このシステムを使うと、ユーザーは自宅や出先で好きな時間を利用して、スマホやPCで回答する。その結果は接種会場の端末に送信され、来場時に自治体が発行する接種券のバーコードを機械に読ませ、医師の予診やワクチン接種をスムーズに進めることができるという。

またこの「問診システム」で、発熱など新型コロナの症状が確認された場合は、日程の変更や医療機関での受診といった適切な案内を行うとしている。

実は「予診票」の記入だが、意外と時間がかかるとして福岡県宗像市など一部の自治体は接種を円滑に行う課題の一つとして既に挙げている。

なおUbieは、2018年8月から「AI問診ユビー」という、医療機関の紙の問診票の代わりにタブレットを利用するサービスを提供しており、今回の「ワクチン接種Web問診システム」はそのシステムを活用しているとのことだ。

同社によると、今回の「ワクチン接種Web問診システム」では、会場の滞在時間を短縮することで接種の効率化と感染拡大防止に寄与し、さらに有症状者を事前に検知することで個別の案内や対策が可能になるとしている。

会場に着く前にスマホで簡単に回答できるのであれば便利そうだが、このシステムは電子機器に不慣れな高齢者でも操作できるのだろうか? また自治体から利用したいなどの反響は既にあるのだろうか?

Ubieの担当者に聞いてみた。

ワクチン接種の3つの課題

――「ワクチン接種Web問診システム」開発のきっかけは?

各自治体の模擬訓練では、主に3つの課題が明らかになっているようです。1つ目は、問診票(予診票)のチェックに時間がかかり、接種前に人が滞留するケースが多くなる点。2つ目は、一人あたりの接種までの時間が長くなると、大人数の円滑な接種が困難になる点。3つ目は、大人数の長時間滞在は感染リスクが高まる点です。

ワクチン接種の模擬訓練で様々な課題が浮き彫りになるなか、当社が提供してきた問診サービスが全国の自治体のワクチン接種の効率化の一助になると考え、サービスの提供を決定いたしました。


――スマホやPCに慣れていない高齢者でも簡単に使えるの?

「ワクチン接種Web問診システム」は、医療従事者・高齢者を除く一般でのワクチン接種での活用を想定しております。

一方で、「ワクチン接種Web問診システム」のベースとなっている「AI問診ユビー」は、すでに多くの医療機関に導入いただいています。「AI問診ユビー」は、どの世代や地域の患者様にもご利用いただけるよう、とりわけご高齢の方が慣れ親しんだインターフェースである銀行ATMやカラオケの電子リモコンなどのタッチパネルを参考にして開発しております。そのため、導入医療機関では70-80代の患者さんの9割がご自身で入力できていると報告を受けております。


――問診の内容は、厚労省が公開している予診票と同じ?

厚労省公開の予診票の情報に加え、医師が会場で問診する接種者へ深ぼるべき内容を質問するものとなります。

新型コロナワクチンの予診票(出典:厚生労働省)

――「ワクチン接種Web問診システム」について医療機関・自治体からの反響は?

提供開始前からのご相談を含めると、9日時点で既に10数件の自治体様よりお問い合わせをいただいています。


確かに予診票への回答は、しっかり読んで記入することから時間が掛かる。自宅などで事前にできるのであれば、その分だけ会場で円滑に接種を受けることができるだろう。「ワクチン接種Web問診システム」は、自分が居住する自治体が導入している必要があるが、接種会場が感染リスクとならないよう、このようなシステムがあれば利用したい人は多いかもしれない。
 

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