男性の寄付で配備された救急車…込められた思い

2021年1月、鹿児島県の大隅肝属地区消防組合に新しい救急車が配備された。
実はこれ、宮崎県に住む男性の寄付で配備されたものだ。寄付に込められた男性の思いを取材した。

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大隅肝属地区消防組合内之浦分署。車庫をのぞいてみると、そこには真新しい救急車が。

内之浦分署の近くには大きな病院がなく、1回の出動で往復50キロ以上走ることも多いそうで、山間部でも力強く走り、車内も広いとあって、新しい救急車は隊員たちの心強い相棒だ。

内之浦分署 東弘樹救急救命士:
広くて収納もあって、私たち救急救命士、色々活動するんですが、すごく使いやすくなってます

実はこの救急車、宮崎県の男性から救急車の購入費用として贈られた1100万円の寄付を活用して配備された。しかもその男性は、県内の自治体だけでこれまでに7台分の費用を寄付しているという。

そんな高額の寄付をなぜ続けているのか。男性に話を聞くため、宮崎市を訪ねた。

救急車のために寄付を行う松田真義さん。イベントの会場設営や、プレハブなどのリースを担う会社を経営している。

寄付のきっかけは、松田さんの母・智子さんの急病だった。

平和リース 松田真義社長:
8年前に私の母が脳梗塞で倒れて救急車にお世話になって命拾いしたことから、救急車を贈ろうと決意しました

救急搬送は1度だけでなく、数度繰り返され、しかも全て夜間だったにも関わらず迅速な対応のおかげで、その度に命をとりとめたという。

母・智子さんは今も元気で、松田さんは救急車への思い入れを強くした。

最初は宮崎県内の自治体に購入費を贈ってきたが、松田さんの父親のふるさとである鹿児島にも範囲を広げ、鹿児島市や霧島市、そして今回の肝属地区消防組合と、両県で合わせて19台分を寄付している。

平和リース 松田真義社長:
社員の頑張りもあって救急車を贈れる会社になってありがたいと思います。今から先も地元に貢献していきたいと思います

大隅肝属地区消防組合 内之浦分署 中小野田大作分署長:
地域住民のために大切に運用していきたいと思います。1人でも多くの人の命を助けてほしい

男性の思いも乗せて、救急車はきょうもどこかを走っている。

(鹿児島テレビ)

鹿児島テレビ
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