与党内でも「文在寅離れ」が加速

2022年の韓国大統領選の前哨戦とされた、ソウルと釜山の市長選挙で与党が惨敗しました。国民にノーを突き付けられた文在寅政権の死に体化は避けられない見通しです。韓国メディアは「怒った民心が審判を下した」と報じ、不動産価格の高騰などに有権者の怒りが爆発したと分析。文大統領は「国民の叱責を重く受け止める、さらに低い姿勢で国政に臨む」とコメントしましたが、支持回復の決め手はなく、与党内でも「文在寅離れ」が加速しそうです。残り任期1年、求心力を失った文大統領が、いわゆる徴用工問題などで世論の反発を押し切り、日本に譲歩するのは至難の業です。今後は、対話姿勢から一転、再び「反日攻勢」に舵を切る可能性もあります。(ソウル支局 川崎)

文政権は再び「反日攻勢」に舵を切る可能性もある
文政権は再び「反日攻勢」に舵を切る可能性もある
この記事の画像(13枚)

中国政府に抗議デモ

トルコで暮らすウイグル族が、中国は強制収容所を閉鎖せよなどと訴え、中国政府に対して抗議デモを行っています。
ウイグル族の女性:
「私の親族は生きてるか死んでいるかさえわからない。「強制収容所」が閉鎖され、人権侵害の全てが即時に停止されることを望む。」
トルコは中国から逃れるウイグル族を積極的に受け入れてきましたが、中国の影響力が強まり、ウイグル族たちは危機感を強めています。こちら、参加者に配るマスクがあります。中国の国旗を模した手が口の部分をふさいでいます。中国政府による言論弾圧を表しているものとみられます。参加者は一様にこのマスクを着けてデモに参加しています。ウイグル族弾圧への批判に中国政府は、「中国をおとしめるデマだ」と反論しています。(イスタンブール支局長 清水)

トルコで暮らすウイグル族による中国政府への抗議デモ
トルコで暮らすウイグル族による中国政府への抗議デモ
中国の国旗を模した手が口の部分をふさいでいる 中国政府による言論弾圧を表現か
中国の国旗を模した手が口の部分をふさいでいる 中国政府による言論弾圧を表現か

「ダイアナ」が一番人気

夏頃、女の子の出産を予定しているメーガン妃。イギリスでは早速名前の予想が始まっていて、夫・ヘンリー王子の母と同じ「ダイアナ」が一番人気となっています。
市民:
「ダイアナという名前は良いと思う。ヘンリー王子は母を心から愛しているので、彼はダイアナと名付けたいかもしれません。」
実はメーガン妃、子供の頃からダイアナ元皇太子妃に憧れていたとされ、現地メディアは同じ名前を付ける可能性は十分あると報じています。王室を離れてもなお注目を浴びる二人、ダイアナちゃんと名付ければさらに話題となることは間違いありません。(ロンドン支局 小堀)

メーガン妃が子供の頃から憧れていたとされるダイアナ元皇太子妃出産のお披露目
メーガン妃が子供の頃から憧れていたとされるダイアナ元皇太子妃出産のお披露目

セレブの街から感染拡大

タイでは、セレブが集う夜の街からの感染が急拡大していて、波紋が広がっています。タイでは数十人だった一日の感染者数が、8日には405人を超え、感染が急拡大。きっかけはバンコクの歓楽街にあるナイトクラブでのクラスターで、店を訪れていた日本の梨田和也大使やタイの政界関係者、芸能人などの感染が相次いで判明しました。さらにこのエリアでは、タイ国内では初めてとなるイギリス由来の変異ウイルスの市中感染が確認されました。セレブの街からの感染拡大に、タイ政府は危機感を強めています。(バンコク支局 池谷)

クラスターが発生したタイのナイトクラブ
クラスターが発生したタイのナイトクラブ

安藤忠雄さんの個展「挑戦」が人気

世界文化賞も受賞した建築家の安藤忠雄さんにとって海外では最大規模となる個展が上海で開かれています。大阪市出身で、上海には大型の劇場や博物館などの建築作品がある安藤さん。今回の個展のタイトル「挑戦」という言葉には、新型コロナウィルスの流行が続く中、芸術を通じて人々が希望をもち現状に立ち向かってほしいという願いが込められています。会場では、安藤さんの作品の模型やスケッチの他、結婚式会場やインスタ映えスポットとしても知られる北海道の「水の教会」の内部を再現した展示など400点近くを公開。上海でもゆかりの深い建築家の個展とあって、主催者によると、平日1日平均1700人、週末は入場数時間待ちになることもあるほどの人気だそうです。(上海支局長 森)

北海道の「水の教会」の内部を再現した展示
北海道の「水の教会」の内部を再現した展示

オールスターゲームを巻き込んでの対立劇

アメリカのメジャーリーグが、7月に予定していたジョージア州アトランタでのオールスターゲームの場所を、開催3カ月前に突然変更しました。理由はジョージア州で成立した選挙関連法です。ジョージア州では期日前投票で身元確認を厳格化するなどした法律が3月に成立、黒人やマイノリティの投票を妨げると批判が高まっています。メジャーリーグ以外にも、州内に拠点を置くコカ・コーラやデルタ航空などが懸念を表明しています。一方、共和党は猛反発していて、トランプ前大統領は、「メジャーリーグをボイコットしよう」と呼びかけました。オールスターゲームも巻き込んでの対立劇、まだまだ揉めに揉めそうです。(ニューヨーク支局長 上野)

ジョージア州アトランタでのオールスターゲームの場所が変更されることに
ジョージア州アトランタでのオールスターゲームの場所が変更されることに

「トンネルの終わりに明るい光」

カリフォルニア州でとうとう「日常に戻る日」の具体的な日程が示されました。およそ2カ月後6月15日には経済活動が全面的に再開されます。ニューソム知事は6日、「ワクチンの接種回数が2千万回を超えた」として、今後も供給が安定し、入院患者数も低く抑えられれば、規制の大部分を解除すると発表しました。今後もマスク着用の義務などは残りますが、外出禁止令から1年以上、不自由な生活を送ってきた住民にとってはビッグニュースです。このまま順調にいくかはまだわかりませんが、知事は「トンネルの終わりに明るい光が見えている」と強調しています。全米最多4000万人の人口を抱えるカリフォルニア州の動きは、アメリカ社会全体にも大きな影響を与えそうです。(ロサンゼルス支局長 益野)

「明るい光が見えている」ロサンゼルスの街並み
「明るい光が見えている」ロサンゼルスの街並み

“ジャズの街”で音楽ライブ復活

アメリカで一番歴史の長いジャズバーが存在するなど、実は“ジャズの街”としても知られるワシントン。ワクチン接種が進んだことから、5月からは、ジャズバーでの音楽ライブ復活が認められました。歴史ある名店の廃業が相次いでいた中での朗報に、喜びの声が広がっています。市民は「すばらしいよ!感染拡大以降たくさんの店が閉まっていた。ジャズはワシントンの一部だ。有名な音楽家がたくさんここから誕生した」と喜びいっぱいです。また、映画館や公営プールの再開も決まり、日常が戻りつつある一方で、悪質な犯罪も。インターネット上で、闇ワクチンや偽造のワクチン接種証明書が高額で取引されるケースが続出していて、当局が注意を呼びかけています。(ワシントン支局 石橋カメラマン)

“ジャズの街”としても知られるワシントン
“ジャズの街”としても知られるワシントン

ワクチン接種が急ピッチで進む北京

こちら北京市内では日本人などの外国人のワクチン接種について、医療従事者のほか、一般向けも始まっています。中国ではワクチンの接種回数が1億4千万回(6日現在)を超え急ピッチで進んでいて、対象者は外国人にも広がっています。接種を受けた日本人医師は「これから移動する時に接種やっているかとたぶん聞かれると思うというのがまず一番の動機。動き回るのにやっていた方がよいでしょうということで(受けた)」と話します。一方、一部の地方政府は接種を受けない場合「ブラックリストに載せる」「今後、子どもの進学や仕事などでも影響を受ける」などと警告。批判が殺到し、謝罪・撤回に追い込まれました。接種を事実上強制する動きには、市民が猛反発しています。(北京支局 木村)

地方政府は「接種を受けない場合ブラックリストに載せる」と警告した後、謝罪・撤回(ウエイボより)
地方政府は「接種を受けない場合ブラックリストに載せる」と警告した後、謝罪・撤回(ウエイボより)

サッカースタジアムでワクチン接種

パリの藤田です。フランスではワクチンの接種を加速するため、こちらのサッカースタジアムなど各地で大規模な会場の整備が始まりました。スタジアムは、建物の一部が接種会場となり、1週間で1万件の接種を目指しています。利用者は「3~4週間ずっと接種の予約が取れず、やっとこの会場ができて予約を取れました」と話してくれました。フランスではイギリス型の変異ウイルスの感染が急激に広がり、現在3度目の原則外出禁止の最中です。しかし、自宅から10キロ以内の移動は許可されているため、週末には大勢の人が外出しています。フランス政府は過去2回のような厳しい外出制限はこれ以上難しいとみて、ワクチンの接種を急ぐことで、感染を抑える方針に切り替えた形です。(パリ支局 藤田)

3度目の原則外出禁止の最中だが、週末には大勢の人が外出するパリ
3度目の原則外出禁止の最中だが、週末には大勢の人が外出するパリ

北方領土問題を無視した合宿

東京オリンピックへの出場をめざすサーフィンのロシア代表候補が、北方領土の国後島で合宿し、波紋を呼んでいます。これは「国後富士」と呼ばれる「爺爺岳」をバックに波に乗る選手の様子を、ロシアサーフィン連盟がSNSに投稿したものです。参加した選手6人は個人の資格で出場をめざし、4月半ばまで2週間、練習を続けます。北方領土での合宿は初めてで、選手の1人は「本番の海と波のタイプが似ていて、練習場所として完璧だ」と絶賛。連盟は「祖国でサーフィンの適地を探す出発点」と実効支配を強調しました。日露間の最大の懸案である領土問題を無視した合宿ですが、ロシア代表が五輪に出場できる可能性は低いと見られます。(モスクワ支局長 関根)

「国後富士」と呼ばれる「爺爺岳」をバックに波に乗る(SNSより)
「国後富士」と呼ばれる「爺爺岳」をバックに波に乗る(SNSより)

【取材:FNN海外特派員取材班】

国際取材部
国際取材部



世界では今何が起きているのか――ワシントン、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン、パリ、モスクワ、イスタンブール、北京、上海、ソウル、バンコクのFNN11支局を拠点に、国際情勢や各国の事件・事故、政治、経済、社会問題から文化・エンタメまで海外の最新ニュースをお届けします。