セバスチャン・サイズがリバウンド制す

「チームのために何が出来るかを考えてプレーすればもっと自分達のいいところが出せる」
新潟アルビレックスBBとの試合前、千葉ジェッツ大野篤史ヘッドコーチ(43)は選手を集めこう伝えた。

©IKEMENKOHO
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スペイン出身で、「自分がチームのベストリバウンダー」と自負するセバスチャン・サイズ(26)は指揮官の「チームのために何が出来るか?」の問いに「リバウンドでの貢献」を真っ先に考えた。

205センチの長身と228センチのウイングスパン(両手を広げた長さ)を活かして、ゴール下で圧倒的な存在感を発揮。「オフェンス、ディフェンスともにリバウンドに集中した」とリングに弾かれたボールを次々に拾い、得点を重ねていく。

人気漫画『スラムダンク』の名台詞「リバウンドを制するものは試合を制す」の通り、新潟に試合の主導権を与えない。

期待のルーキー赤穂雷太も躍動

サイズの活躍でリードが広がり、チーム期待のルーキーにも出場機会が訪れる。
「チームのために何が出来るのか?」の問いに青山学院大学バスケ部を退部して、プロとしての歩みをスタートさせたルーキーの赤穂雷太(22)は「ためらわずにシュートを打つ」ことで応えた。

第2クォーターに赤穂はその言葉通り、ボールを受け取ると「ためらわずに」ジャンプシュート。この試合で初得点をあげる。

第3クォーター残り4分にはゴール下でレイアップシュートを試みるも、213センチのジェイソン・ウォッシュバーン(30)に阻まれる。「1本目のレイアップを外国人選手にブロックされて、大学では通用したプレーも厳しいと分かった」とプロの壁を感じたという。

それでも積極性は失わない。プロの壁を感じても直後には、この試合の自身のベストプレーにあげるダブルクラッチをウォッシュバーンの前で決めて見せる。
さらに残り3分には「ためらわずに」3ポイントシュートを放って沈めるなど、指揮官の起用に見事応えた。

赤穂は40分の試合のうち16分50秒の出場時間で9得点をあげ、104-65の大勝に貢献。「久しぶりの出場でバテバテだった」と振り返った。

自身最多の22リバウンド(21得点)をマークしたサイズも赤穂のプレーに「本当にいい活躍だったと思う。スピードも速いし将来有望な選手だと思う」と大きな期待を寄せた。

シーズンもいよいよ終盤、首位を走る宇都宮ブレックス追撃へチーム一丸で戦う。

千葉ジェッツ104-65シーホース三河
(船橋アリーナ)

加藤忍
加藤忍

早稲田大学卒業。フジテレビ入社。スポーツ局すぽると!ロッテ担当、ヤクルト野球中継などを経て現在は報道局兼スポーツ局。