日米豪の低利子融資でインド製ワクチンを購入

日本・アメリカ・オーストラリア・インドの4カ国が、新型コロナウイルスのワクチンを途上国などに供与する枠組みの創設に向けて調整を進めていることがわかった。

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4カ国の首脳は、3月12日にオンライン形式で会談する予定で、途上国などへのワクチン供与の新たな枠組みについて合意するものとみられる。

複数の政府関係者によると、新たな枠組みでは、日本・アメリカ・オーストラリアの3カ国が途上国などに低利子の融資を行い、その資金で各国がインド製のワクチンを購入する仕組みになっている。

自国のワクチンの供与で、途上国への影響力を高めようとしている中国に対抗する狙いがあるとみられるが、政府高官は「資金提供だけでは日本の顔が見えない」と語っている。

首脳会合に慎重なインド参加の意義は大きい

三田友梨佳キャスター:
このニュースについて、哲学者で津田塾大学教授の萱野稔人さんに聞きます。中国をにらんだ新たな外交の枠組み、どうご覧になりますか?

津田塾大学・萱野稔人教授:
これは、日本にとって極めて重要で意義深いニュースです。4カ国の枠組みは、海洋進出を進める中国に対抗する安全保障上の枠組みとして、もともとは安倍前首相とトランプ前大統領のタッグの下で進められてきました。

これを今回、バイデン政権がしっかり引き継ぐということが明確になりました。それも、外相級の会合だったものを首脳会合に格上げしたんです。バイデン政権が中国にどう向き合うかが明確になったということです。つまり、日本などとともに中国に対し、厳しい姿勢で臨むバイデン政権の姿勢が明らかになりました。

三田友梨佳キャスター:
4カ国の枠組みを今後、維持発展させるための鍵はどういった点でしょうか?

津田塾大学・萱野稔人教授:
今回、首脳会合にインドが参加した意義は非常に大きいです。インドは、非同盟の立場に立っていて、特定の国との安全保障上の協力関係を前面に押し出すことには非常に慎重でした。また、経済的に依存している中国に配慮していることもありました。

今回、インドが開発するワクチンを途上国が購入するために、日本やオーストラリア、アメリカが資金を提供・援助するという形にして、インドが参加しやすい枠組みをつくったということがあります。

三田友梨佳キャスター:
そうした中で、今回のポイントはどういった点ですか?

津田塾大学・萱野稔人教授:
狭い意味での軍事的な安全保障にとどまらず、中国の覇権主義に対抗するための協力関係をいかにどこまで広げられるかということが問題になると思います。

中国 習近平国家主席

津田塾大学・萱野稔人教授:
今回、ワクチン供与だけではなく、サプライチェーンの中国依存からの脱却をどうするかということも議論されます。多角的に中国に対抗する枠組みができれば、今後の歴史を方向づけるほど重要な4カ国の枠組みになると思います。

三田友梨佳キャスター:
コロナ対策に加えて対中国、さらには気候変動など課題は山積する中で、この枠組みでどのような議論が進むのか、注視していきたいと思います。

(「Live News α」3月10日放送分)

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