民主化を求め若者が「ミルクティー同盟」

アジアでは民主化を求める若者が、国境を超えて連帯する「ミルクティー同盟」が広がり、ミャンマーも加わりました。2月28日のヤンゴンの抗議デモで若者たちが掲げていたのは「ミルクティー同盟」のスローガン。左から台湾・タイ・ミャンマーそして香港と、「茶」文化圏で、ミルクティーを好む人が多い地域です。中国への警戒を強める台湾と香港、そして王政改革などを求めるデモが続くタイは、SNS上で互いに声援を送り合ってきました。新たに加わったミャンマーでは、軍政がデモへの武力行使を強め、3月3日には19歳の女性など30人以上が射殺。民主化の要望はおろか、市民の流血が止められない泥沼状態が続いています。(バンコク支局長 佐々木)

市民の流血が止められない泥沼状態が続くミャンマー
市民の流血が止められない泥沼状態が続くミャンマー
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トランプ氏の“亡霊“と議会襲撃の“悪夢”

議会前に来ているんですがこのように有刺鉄線が張り巡らされ、銃を持った兵士が厳重な警備をしています。連邦議会警察は「特定の武装組織が4日に議会の襲撃を計画している可能性がある」と発表。議会下院は予定されていた審議を全て取りやめ、休会を決定しました。一部の過激なトランプ支持者の間で「トランプ氏の二期目の就任式が4日に開かれる」とのデマが広がっていて、不測の事態が懸念されています。2月末に開かれた保守系政治団体のイベントでもトランプ人気は健在で、会場に出現した黄金のトランプ像には支持者が群がっていました。今もトランプ氏の“亡霊“と議会襲撃の“悪夢”に悩まされるワシントン、厳戒体制が続きます。(ワシントン支局長 藤田)

黄金のトランプ像に群がる支持者たち
黄金のトランプ像に群がる支持者たち

虐殺事件から29年

旧ソ連のアゼルバイジャンとアルメニアの係争地、ナゴルノカラバフに来ています。あの山の向こうに29年前、虐殺事件があったホジャリの町があります。ホジャリではアルメニア軍がアゼルバイジャン市民を襲撃し、女性や子供を含む613人を殺害。当時、山を越えて逃げる途中に8歳の娘を失った母親は、となり町のモスクのそばに娘を埋葬したということです。
娘を失った母親「8歳の娘と手をつないで逃げたところ、攻撃が始まったので娘に覆いかぶさった。自分が撃たれても娘を助けたかったが、娘は私の下で亡くなった」
アゼルバイジャンが2020年にこの地を奪還したのを受け、29年ぶりにこの場所を訪れた元住民たち。停戦が成立しても、人々の心には今も決して消えることのない悲しみが残っています。(イスタンブール支局長 清水)

逃げる途中に娘を亡くした母親
逃げる途中に娘を亡くした母親

手押しのトロッコで大脱出

まるで脱北者?北朝鮮にあるロシア大使館の外交官たちが帰国の際に乗ったのは、手押しのトロッコでした。ロシア外交官「母国に戻ったぞ!」鉄道のレールの上を走るトロッコ。押しているのはロシアに帰国する3等書記官とその家族らです。北朝鮮が新型コロナウイルス対策で1年以上境界を封鎖しているため、飛行機は使えず、陸路での移動を余儀なくされました。平壌から鉄道で32時間、バスで2時間、最後はトロッコを1キロ以上手で押して、ようやくロシア国境に到着しました。この大脱出の模様がロシア外務省のSNSに投稿されると、「まるで映画みたい」と話題に。ロシアの駐北朝鮮大使は平壌でも医薬品や生活必需品不足が深刻だと明かしています。(モスクワ支局長 関根)

平壌からの旅、最後はこのトロッコを1キロ以上手で押して帰国!(提供:ロシア外務省@telegram)
平壌からの旅、最後はこのトロッコを1キロ以上手で押して帰国!(提供:ロシア外務省@telegram)

韓国が日本へ「対話による解決」を呼びかけ

文在寅大統領は3月1日、日本統治時代の3・1独立運動を記念する式典で演説し、関係が悪化する日本政府に対し対話による解決を呼びかけました。韓国外務省は「演説は大統領の真心だ」として、今後対話を正常化するのは日本の役割だと責任転嫁。外務省関係者は「歴史問題と他の問題を結びつけた日本のせいで関係が悪化した」との認識を示し、韓国政府が無効化した慰安婦に関する日韓合意についても、「先に謝罪・反省に外れる動きをしたのは日本だ」と批判しました。日本政府が求めている、いわゆる徴用工問題や慰安婦問題の具体的解決策は一切示されず、問題解決への道筋は全く見えていません。(ソウル支局長 渡邊)

日本へ責任転嫁
日本へ責任転嫁

全米で相次ぐヘイトクライム

犯人はこのフェンスを乗り越えて侵入しました。そしてこの灯篭を倒し、提灯台にも火を付けたということで今も燃えた痕がそのまま残されています。全米で相次ぐヘイトクライム。ロサンゼルスで日系コミュニティーの象徴が狙われました。東本願寺ロサンゼルス別院に侵入した白人とみられる男は、ライターのようなもので火をつけ、最後には敷地の外から石を投げ込みガラスを割って逃走しました。犯行時間はわずか5分程で周りを気にする様子もありません。警察はヘイトクライムの疑いで捜査しています。100年以上ロサンゼルスで親しまれてきた寺の責任者は「人種をこえて共に生きられないのか。出来るなら犯人と会って話し合いたい」と訴えていました。(ロサンゼルス支局長 益野)

狙われた東本願寺ロサンゼルス別院で、倒された灯篭
狙われた東本願寺ロサンゼルス別院で、倒された灯篭

フィリップ殿下の回復を祈る国民

エリザベス女王の夫で99歳になるフィリップ殿下が、感染症の治療のため入院して2週間が過ぎました。長引く入院に体調を心配する声もあがっていますが、王室は4日「治療は成功した。休養と回復のため何日か病院にのこる」との声明を発表しました。そんな中、94歳のエリザベス女王は、ワクチン接種の担当者らとのテレビ会議に出席。「自分だけではなく他の人々のことを考えないといけない」と訴えて、国民に積極的なワクチン接種を促すなど懸命に活動を続けています。2021年で結婚74年目を迎える女王と殿下。コロナ禍の中で多くの国民が2人の健康を願っています。(ロンドン支局長 立石)

2021年で結婚74年目を迎える女王と殿下
2021年で結婚74年目を迎える女王と殿下

パリ市長の朝令暮改に反発

一日の感染者数が2万人と高止まりしているフランスで、パリ市内限定の「ロックダウン案」をめぐり、波紋が広がっています。マスクなしに「密な」休日を楽しむ人の姿も多く見られる週末のパリ・セーヌ川。危機感からか、パリ市は政府に市内限定で3週間の原則外出禁止を実施するよう求める意向を示しました。パリ市民をはじめ世論はこれに猛反発。するとパリのイダルゴ市長は、「ロックダウンは希望していない」と一転、さらに政府が検討している週末だけの外出禁止を「非人道的」と批判しました。次期大統領選候補の一人ともされる市長の矛盾した対応に、「選挙に向けた宣伝活動だ」と反発が高まっています。(パリ支局 藤田)

セーヌ川で休日を楽しむ市民
セーヌ川で休日を楽しむ市民

全人代で国の威信を誇示したい中国

こちらは北京市内にあるワクチン接種会場です。多くの市民が訪れ、行列ができています。中国では5日に国会にあたる全国人民代表大会(全人代)が開幕するのを前に新型コロナウイルスワクチンの大規模接種が進められ、2月末までに接種回数が5200万回を超えました。感染対策の専門家によると、中国は7月末までに人口の40%へのワクチン投与を目指していて、国内での接種の動きがさらに加速するとみられます。世界60カ国以上にワクチンを提供する「ワクチン外交」を展開し影響力を拡大する中国。全人代はいち早くコロナを封じ込め、プラス成長に転じた中国の威信を誇示する場となりそうです。(北京支局 木村)

3月5日に開幕した全人代
3月5日に開幕した全人代

子どもの宿題は親の負担!?

中国では、今、子供の学校の宿題をめぐる親の負担が議論を呼んでいます。こちらは、地元の公立小学校に通う小学1年の男の子のお宅。毎日、国語や数学の他、1年生から英語の宿題もあり、親は間違いがないかを添削します。さらに朗読や暗唱、そして運動といった実技を伴う宿題では「証拠動画」を撮影し、アプリで学校に報告。共働き家庭からは帰宅後に第2の仕事が待っているようだと悲鳴が上がるほどで、中国政府はこのほど、親にこうした負担をかけてはいけないと発表しました。一方で、低学年の宿題でも難しくて親がついていけないことがあるといい、親には別のプレッシャーものしかかっています。(上海支局長 森)

「証拠動画」を撮影する親
「証拠動画」を撮影する親

『鬼滅の刃』1週間の限定公開

マイアミの中心部にあるこちらの南国感漂うおしゃれなショッピングモール、ここにある映画館で全米で初めて映画が限定公開されます。劇場版『鬼滅の刃』はアカデミー賞のノミネート資格を得るため、マイアミで1週間限定で上映され、チケットは即日完売しました。一方でチケットを取れなかったファンは、まだ日程が決まっていない全米での「公開」を待ちきれません。アニメショップ店長は「マイアミの1つの劇場だけの公開では十分でない。(全米の)みんなが見たいと思っている」と話します。アメリカではワクチン接種計画の前倒しが発表され、エンターテイメント産業の早期復活にも期待がかかっています。(ニューヨーク支局 新庄)

映画を見て興奮ぎみの鬼滅ファン
映画を見て興奮ぎみの鬼滅ファン

【取材:FNN海外特派員取材班】

国際取材部
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