母校の存続へ プロジェクト始動

過疎化が進み、廃校の危機に直面する高校の存続へ、生徒がプロジェクトを立ち上げた。奮闘するのは、愛媛・内子町の分校の高校生。新入生を呼びこむのは、小田への愛が詰まったキッチンカーだ。

高校生たちが拠点にする車。そこには、「おだマルシェ」と書かれた看板が。

旧・参川小学校 提供:小田分校
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この活動は…

女子高校生たち:
そうそうそう! いい感じちゃう? きれい

古い軽ワゴン車をカラフルな色で飾っているのは、内子高校小田分校の女子生徒6人。彼女たちが取り組んでいるのは、学校の存続がかかった重要なプロジェクトだという。

過疎化が進む山間の町・内子町にある内子高校小田分校は、生徒数が全員でわずか61人。2021年度以降、2年連続で入学者が30人以下になると、新入生の募集が停止され、今まさに廃校の危機に直面している。

生徒数わずか61人の内子高校小田分校

この危機に立ち上がったのが、3年生の岡田真優さん。

岡田真優さん:
小田分校があることで、地域も明るくできるし、やっぱり小田に高校があってほしいなという思いはあります

小田分校3年生 岡田真優さん

このプロジェクトは、2020年11月から本格始動。岡田さんのもとには、5人の仲間が集まった。以来、町内の道の駅などで度々顔を突き合わせ、誕生したアイデアが…

岡田真優さん:
この「動く道の駅」が成功したらいいなと思ってます。よろしくお願いします

この車は、「動く道の駅」。小田の特産品も販売するキッチンカーだ。

岡田真優さん:
売りに行くのを生徒がすることで、小田分校のPRにもつながるなと思ったので、この企画を考えました

小田の農作物の高い品質と安さをアピール

このプロジェクトには、力強い助っ人がいた。
アイデアに深く感動した、地域おこし協力隊の岡山紘明さん。車の提供を申し出てくれた。

内子町地域おこし協力隊・岡山紘明さん

内子町地域おこし協力隊・岡山紘明さん:
よくあるキッチンカーの例が…、軽自動車やけん小さいけど…、こっち側はね…

生徒にとって、車に乗れる人数も気になるところ…

岡田真優さん:
入れる? 入れるけど、でも意外と広いかも。2人いけるかもしれん

そして特に頭を悩ますのが、キッチンカーで小田の魅力をどうアピールするか。
さっそく道の駅に並んでいるミカンを見てみると…

岡田真優さんたち:
安くないですか。安すぎですね。1個25円とか。安! 安い!

思わず声を出し驚いたのが、小田の農作物の高い品質と安さ。

高い品質と安さに驚く生徒たち

地元の人にも、何が人気があるのかアドバイスをもらった。

岡田真優さん:
野菜とか果物とか、小田のは安くておいしいと聞いたから、置きたいなと思いました

松森美羽さん:
小田のものを、ぜひ食べてほしいなと思います

メインの商品は名物の「うどん」 評価も上々

固まりつつあるイメージ。そして、キッチンカーとして提供するメインの商品は…

岡田真優さんたち:
うどん食べに来てくださいって呼んだけん、何人か来ると思う

2020年12月。分校の近くにある学生寮に現れたのは、まだ製作途中のキッチンカー。そのそばの大きな釜でメンバーが作っているのは、小田名物の「たらいうどん」。

小田名物「たらいうどん」

特長は、やわらかい麺に、大豆やシイタケが入った甘いだし。郷土愛があふれるアイデア。
振る舞う相手は、生徒や地元の住民たちだ。

女子高校生たち:
どうぞ~。うどんもう1個

食べた地元の人:
さすがです! う~ん。うまいおいしい!

メンバーはこの日に向け、地元の人気のうどん店で、ゆで方や盛り付け方を教わっていた。

地元の人気うどん店で教わる生徒たち

麺やだし、釜も提供してもらった。看板やキッチンカーの棚も生徒たちの手作り。

崎本真衣さん:
うどん、もう1個お願いします!

この日は、用意していた40杯のうどんが2時間で完売。評価は上々。確かな手応えだ。

地元の人:
高校生のフレッシュな目線とアイデアで、内子のいいものが新しい方にも届きそうな気がします

崎本真衣さん:
皆さん、すごい笑顔で食べてくださったりとか、ありがとうっていう言葉をいただけたので、接客ってこんなにも楽しいんだなって

崎本真衣さん

岡田真優さん:
こんなにたくさんの人に来てもらえると思ってなかったので、すごくうれしいです。明るい色とかで目立つようなキッチンカーにしていきたいと思います

キッチンカー完成 SNSで地域の魅力も発信

学校の存続に向け、残るのは、キッチンカーの完成。車を彩る小田分校の色は…

色塗り作業は、年明けからとりかかった。
6人が使うのは、2色のペンキ。細い筆も使いながら、細かい部分まで丁寧に塗り込む。
目指すのは、遠くから見ても小田をイメージするインパクト。

松森美羽さん:
(小田は)山とか多くて自然豊かなので、緑が一番しっくりくるかなと思いました

松森美羽さん

女子高校生たち:
きれいになった! めっちゃきれいになったね

生徒たちの努力は、2月に入っても続き、ついに...

女子高校生たち:
完成しました!

車体で表現したのは、下半分の濃い緑が小田の山々。上半分のクリーム色は、小田分校生の明るさ。オシャレなツートンカラーだ。

完成したキッチンカー 小田の山々をイメージ

地域おこし協力隊・岡山紘明さん:
今やってるメンバーは、取りあえずやってみるというか、わからんかったら来てくれたりとか、電話してくれたりLINEしてくれたりとか、どんどん突き進んでいる感じ。その推進力みたいな(キッチンカーを)実現した

女子高生らしく、早速写真撮影会!その理由は…

女子高校生たち:
小田分校のインスタグラムで投稿してます

地域の魅力を伝えようと、学校生活のひとコマをSNSで発信。この日も、早速キッチンカーづくりの様子を投稿。

小田分校のインスタグラムで投稿

岡田真優さん:
入学者がインスタグラムを見て、学校の様子を知ってもらえたらうれしいなと思っているので、小田分校のことをたくさんの人に知ってもらえたらいいと思います

このキッチンカーは、2月14日から活動をスタート。
しかし、車の中でもうどんを作れるよう、今も車内を改良中だ。

「小田の魅力を知り分校に入学してほしい」。

分校生たちの願いを込めた「動く道の駅」は、高校生の笑顔とともに愛媛をめぐり、小田をアピールする。

(テレビ愛媛)

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