移動自粛を無視して2000万人が旅行か

旧正月の連休を迎えた韓国の空港は、ご覧のように大きな荷物を抱えた旅行客でごった返しています。旅行客「正月連休で済州島に遊びに行きます!」「釜山に母が一人でいるので、妻と子供と一緒に行こうと思います」韓国では新規感染者が300人程度まで減少しましたが、政府は5人以上の会食禁止など厳しい規制を維持。旧正月中の移動自粛も呼びかけていますが、それを無視して旅行や里帰りする人は、のべ2000万人を超える見通しで、国民の警戒心は緩みつつあります。一方、イギリスで拡大した変異ウイルスの流入や、集団感染の発生など、気の抜けない状況が続いていて、旧正月中の感染拡大が懸念されています。(ソウル支局 熱海)

旅行客でごった返す韓国の空港
旅行客でごった返す韓国の空港
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民族大移動を抑制する取り組み

春節の大型連休シーズンとなり、こちらのスーパーでは、中国各地の郷土料理のレトルト食品がずらりと並んでいます。例年なら延べ30億人が移動するこの期間、中国政府は市民に対し里帰りや大人数での会食を控えるよう求めています。今回のセールは政府の方針に合わせる形で企画されたもので、店側は、家族と過ごす人はもちろん上海に残る単身者も気軽にふるさとの味を堪能できると話していました。移動を抑制する取り組みは中国各地で行われていて、居住地にとどまった人には商品券を支給したり、観光地を無料開放したりする街もあります。民族大移動による感染再拡大を阻止するべく、中国政府はあの手この手で対策に躍起となっています。(上海支局長 森)

春節期間の移動を抑制するために中国政府はあの手この手で対策
春節期間の移動を抑制するために中国政府はあの手この手で対策

中国版紅白歌合戦

中国版紅白歌合戦とも言われる毎年旧暦の大晦日の夜に放送される大型年越し番組。5時間にわたる放送には、その時々の世相を反映した内容が盛り込まれています。今回は豪華スターらの出演に加え、バーチャル歌手や丑年にちなんだロボットなども登場し、最新技術を使った映像効果が目立ちました。また、ロックダウンをテーマにしたコントでは、武漢市の実際の映像と共に、封鎖に耐えた庶民や医療関係者を称え、コロナとの戦いの勝利を強調する場面もありました。このほかカーリングの選手らが登場し、2022年の北京オリンピック開催をアピール。一方で、領土を守る軍を称えるなど、例年通り愛国パフォーマンスも随所に見られました。(北京支局長 高橋)

丑年にちなんだロボットなども登場
丑年にちなんだロボットなども登場

「鉄の貴婦人」のお色直し

おなじみのエッフェル塔が長く親しまれてきた「エッフェルタワーブラウン」から塗り替えられることが明らかになりました。金色を帯びた色に替えられる予定で、設計者のギュスターヴ・エッフェルさんが当初から望んでいた色だということです。エッフェル塔の塗装は、およそ7年に一度行われていて、1887年の建設以来、20回目となる今回は60億円を掛けた最大規模の作業になります。塗り重ねてきた表面のペンキも、厚さが3ミリと、年季が入っています。建設当時の赤色から時代の流れとともにその装いを変えてきた「鉄の貴婦人」エッフェル塔。2024年のオリンピックを控える中、生まれ変わった姿は2022年11月にお披露目される予定です。(パリ支局長 山岸)

お色直しが始まる「鉄の貴婦人」
お色直しが始まる「鉄の貴婦人」

アジア系の人々へのヘイトクライム2800件以上

カリフォルニア州でアジア系の住民が標的になる事件が相次いでいます。防犯カメラが捉えたのは、マスク姿の男が高齢の男性を後ろから思い切り突き飛ばす瞬間です。1月末に、北部オークランドやサンフランシスコで高齢の男性が突き飛ばされる事件が相次ぎ、84歳の男性一人が亡くなりました。シリコンバレーの日本人街でも、姉妹都市の岡山市から贈られた日系移民を称える石碑が何者かに落書きされました。新型コロナウイルスの感染拡大以降、アジア系の人に対するヘイトクライムが全米で2800件以上報告されていて、巨大なアジア系コミュニティーのあるカリフォルニア州ではこうした犯罪に神経をとがらせています。(ロサンゼルス支局長 益野)

岡山市から贈られた日系移民を称える石碑に何者かが落書き
岡山市から贈られた日系移民を称える石碑に何者かが落書き

ドラッグストアやスタジアムでも接種可能に

新型コロナウイルスワクチンの接種をスピードアップさせるため、接種会場が各地に広がっています。ニューヨーク州では大手ドラッグストアチェーンへワクチンの直接配送を開始。ドラッグストアは町の至る所にあり、毎年のインフルエンザワクチンも薬剤師から手軽に受けることができます。米大リーグ・ヤンキースの本拠地「ヤンキースタジアム」や、メッツの本拠地でも接種が可能となり、接種率アップに期待がかかっています。ニューヨーク州ではワクチンの配送の遅れや人種間格差などにより、2回の接種が済んだ人は人口の3%あまりに留まっていて、ワクチンの迅速な普及が課題となっています。(ニューヨーク支局 新庄)

ドラッグストアチェーンでも接種可能に
ドラッグストアチェーンでも接種可能に

「スプートニクV」でワクチン外交に前のめり

ロシアが独自に開発した新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」をもとに、「ワクチン外交」に前のめりになっています。ロシアはこれまでイランや旧ソ連の国々を中心に20カ国以上にワクチンを提供。 今回新たにEU・ヨーロッパ連合に承認申請していたことが、 明らかになりました。ロシア側は「承認の速度はEU側にかかっている」として、「認められて当然」との強気な姿勢を示していますが、EU側は申請があったこと自体を否定しています。世界的な権威のある医学雑誌「ランセット」が、ロシア産ワクチンの有効性の高さを91.6%と認めたことも追い風となっていて、ワクチン外交で存在感と国際的影響力の拡大を狙うロシアの動きが加速しそうです。(モスクワ支局長 関根)

「ワクチン外交」に前のめりのロシア
「ワクチン外交」に前のめりのロシア

弾劾裁判の行方

現在こちらの議事堂では退任したトランプ前大統領の弾劾裁判の真っ最中なのですが、襲撃事件の二の舞を防げ、とフェンスが張り巡らされたままとなっています。弁護団は「この弾劾裁判は次の大統領選に向け、トランプ氏を排除する目的で行われている」などと無罪を強く主張。しかし、アメリカメディアは関係筋の話として「トランプ氏が弁護団のパフォーマンスに”アンハッピー”」、不満をぶちまけたと報じています。別荘にこもりいらだちを募らせる様子は、「相変わらず」のトランプ流を感じさせます。現時点では、無罪の公算が高いとされるトランプ氏。2024年に向けた”存在感”が再び大きくなりつつあります。(ニューヨーク支局 中川:取材場所/ワシントンDC)

いまだに厳戒態勢が続く議事堂前
いまだに厳戒態勢が続く議事堂前

3m飛板飛び込みのイギリスチャンピオン

ロンドンオリンピックで水泳会場にもなったこちらのプールで練習する一人の女性アスリートがいます。マリア・パップワースさん(19)。3m飛板飛び込みのイギリスチャンピオンで、ロックダウン中も東京オリンピック出場をめざして練習を続けています。「今はロックダウン中にも関わらず、私がプールに入れるのは楽しくて光栄なことであり、毎日練習できることに感謝しています。」選手として望むのは、全ての人が安全なオリンピックの開催。ワクチン接種が可能になれば、ぜひ受けたいと話します。「(オリンピック選手にワクチン接種が始まれば)絶対に接種したいな、自分と他人を守ることになるから。」「私の好きな技は、走り込んでの2回半宙返りの1回ひねりです」「オリンピックに出られたら、みなさんにはとにかく一生懸命やっているのを見て欲しい」(ロンドン支局 小堀)

ワクチン接種が可能になれば「是非受けたい」と語るマリアさん
ワクチン接種が可能になれば「是非受けたい」と語るマリアさん

接種率で世界をリードするイスラエル 

新型コロナワクチンの2回の接種率で世界をリードする中東イスラエル。現地在住の日本人の中にも既に接種した人が増えてきています。テルアビブ在住の甲斐隆史さん「私、クラリット(=保険)に入っている。性別国籍問わず、この国でコロナのワクチン受けられる」「この2、3週間かなりすいていて、今日も入って出るまで5分経ってない、3分4分」と話します。イスラエルでは2月4日から、ワクチン接種を16歳以上の全国民に拡大。一方、変異ウイルスの感染が拡大し、新規感染者は依然高止まりしていて、今後のワクチンの接種率とその効果が注目されます。(イスタンブール支局長 清水)

既に接種を受けたイスラエル在住の甲斐隆史さん
既に接種を受けたイスラエル在住の甲斐隆史さん

2週間の強制隔離生活

2月にバンコク支局に赴任した私は現在、こちらの指定ホテルで、2週間の強制隔離生活を送っていて、部屋から外には出られません。1日3度の食事は部屋の前に置かれ、最初の1週間は、タオル交換や清掃、ランドリーサービスもお願いできないなど、人との接触は最小限に制限されています。日本とは違いタイでは入国者はタイ人、外国人を問わず必ず2週間の強制隔離が必要です。この厳格な措置により、感染力の強い変異ウイルスも水際で食い止め、感染拡大を抑え込んでいます。一方で深刻な影響を受けているタイの観光業界は、ワクチンを接種した外国人に対し、入国の際の隔離を免除するよう要望していますが、保健当局は難色を示していて、隔離措置は当分続きそうです。(バンコク支局 池谷)

厳格な隔離措置で深刻な打撃を受けているタイの観光業界
厳格な隔離措置で深刻な打撃を受けているタイの観光業界

【取材:FNN海外支局特派員取材班】

国際取材部
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