朝を気持ちよく目覚められたら、その日1日は良いことがありそうな気がしないだろうか。そんな心地の良い朝の目覚めを手伝ってくれるアプリが登場した。

株式会社moneep(東京)が2月8日から事前登録を開始したのが、モーニングコールのプラットフォームアプリ「moneep(モニープ)」

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モーニングコールを“お願いしたい人”とモーニングコールを“かけたい人”とを繋げるプラットフォームアプリだ。

朝起きるのがツライ、誰かに起こしてほしいといった、モーニングコールを“お願いしたい人”は、寝る前にmoneepアプリ内で起こしてほしい人と起きたい時間帯を設定。設定した時間に相手とマッチングできればモーニングコールを受けることができる。

起こしてほしい・モーニングコールを受けたい人の作業
起こしてほしい・モーニングコールを受けたい人の作業

一方で、モーニングコールを“かけたい人”は、寝る前にmoneepアプリ内で起こせそうな時間帯を一度だけ設定。そして翌朝起きた際に、自分に起こしてほしいという人がいれば、1タップすることで1分間通話することができる。

起こしてあげたい・モーニングコールをかけたい人の作業
起こしてあげたい・モーニングコールをかけたい人の作業

モーニングコールを“かけたい人”としては、タレントや声優、YouTuberといったクリエイターの利用を見込んでいる。メリットは、ファンの起床を手伝い、朝のコミュニケーションをとることでのコアファンの獲得。

また、モーニングコールをした回数などに応じて、現金に還元できる「ポイント」がもらえるので、活動に必要な収益を得ることができるという。

moneepの特徴
moneepの特徴

好きなクリエイターの声で目覚められて、なおかつ、直接応援や感謝を伝えられるアプリのようだが、なぜモーニングコールに着目したのだろうか? 現在の反響はどうなのだろうか?

株式会社moneepの堀口凌佑代表取締役CEOに話を聞いてみた。

実はSNSの発達によって「朝の孤独」が相対的に濃くなっている

ーー「moneep(モニープ)」を開発したきっかけは?

私は昔からとても朝が弱い人でした。毎朝の目覚めが辛くてたまらなく、目覚ましの機械的な音が大嫌いで目覚ましを壊したこともある程です。

そんな中、ふとした日に友人にモーニングコールを頼んだことがありました。革命的でした。声を聴いて、声を出して、ただそれだけなのにあれだけ重かった体がふわりと起き上がりました。そして気づいた時にはスマホを片手にベッドの横に立っていたのです。特別な言葉を交わしたわけではありません。ただ「おはよう」と数個、ありきたりな言葉を交わしただけです。会話はまるで魔法のように、ベッドから出るためのエネルギーをくれたように思えました。

それと同時に、思いました。もしこれが自分の好きな声で好きな人だったらどんなにいいだろうか。その感動と着想を火種に、すべての「おはよう」を繋ぐための音声SNS「moneep」の開発に着手しました。

心地の良い目覚めのイメージ
心地の良い目覚めのイメージ

ーー他にも、モーニングコールに着目した理由はあるの?

「moneep」をブラッシュアップしていく中で、私は日本人の9割の人が朝の起床に痛みを抱えていることを知りました。そこで私は、医療機関に直接「なぜこんなにも朝が辛い人が多いのか」とヒアリングしに足を運びました。

すると、実はSNSの発達によって【朝の孤独】が相対的に濃くなっているのが原因の一つであることがわかりました。つまりTwitterやInstagram、YouTube等、日常的に誰かとつながっているのが当たり前の時代に、朝の目覚める瞬間だけ誰とも繋がれていないせいで、人は無意識のうちに孤独からくる強烈なネガティブな思考や不安を感じてしまい、それが朝起きれない痛みにつながっているのです。

私は、この【朝の孤独】を無くすことができれば、どんな目覚ましよりも【気持ちよく】起きられるソリューションをユーザーに提供することができると考え、人と人とがコミュニケーションを取りながら起こし合うことができる「モーニングコール」にスポットしました。

より多くの人がモーニングコールを受けられる仕組み

ーーなぜモーニングコールの時間を1分に限定した?

理由は2つあります。
1つ目は、人は1分間の会話で十分に目を覚ますことができるからです。長くすることでユーザーはよりクリエイターとコミュニケーションを楽しむことができるようになりますが、それと同時に、目覚めとは関係のない話題でトラブルになってしまう可能性があります。そうしたことを防ぐために、最低限目覚めることのできる1分という時間を選択しました。

2つ目は、より多くの人にモーニングコールを届けるためです。モーニングコールの時間を伸ばすとそれだけ起こせる人が減ってしまいます。moneepは朝を繋ぐアプリとして、より多くの人に気持ちのいい朝を体験してもらうために1分という制約を設けています。

ただ今後、ユーザーからのフィードバックにより、時間を伸ばしたりクリエイターごとに選択できるようにする機能を実装する可能性がございます。


ーー大勢の起こしてほしい人が、もし1人に殺到したらどうなるの?

その場合、マッチングできなかった方にはモーニングコールはかかりません。ただ、私はCtoCサービスを行う関係で、必ず遅刻や忙しくてモーニングコールできない等が発生すると考えています。そうした時に予約制だとユーザー同士のトラブルになりかねません。

moneepはあえて最初から「予約制」や、必ずマッチングする事をやめることで、そうしたトラブルを回避できるようになります。それによって安心してクリエイターがmoneepを使って活動することができるようになり、結果としてより多くの人がmoneepを利用し、朝【気持ちよく】起きられるソリューションの提供が実現すると考えています。

モーニングコールを受けて、起きたい人
モーニングコールを受けて、起きたい人
モーニングコールをかけて、起こしたい人
モーニングコールをかけて、起こしたい人

ーー予約制ではないため必ずモーニングコールが届くわけではないが、起こしてほしい人は大丈夫なの?

moneepでは多くの人がモーニングコールを受けられるように、同日に複数人のクリエイターにモーニングコールをお願いすることができる機能を実装しています。これにより、一人にお願いするより格段にモーニングコールをしてもらえる確率を高めることができます。
(ただし、複数人に依頼しても、1日に受けられるモーニングコールは1回までとなる)

ーーこだわりの部分を教えて。

例えばロゴですが、「朝」を連想させる目覚め系のアプリやサービスはハツラツとした暖色系が多いのに対して、moneepでは夜と朝の中間の「目覚め」をイメージした紫とピンクのグラデーションを使っています。これは起こす人の「朝」と、寝ている人の「夜」の2つの時間が繋がるというSNSの側面を意識しています。また、ただのグラデーションでなく、柔らかな水彩画調にしているのも「寝起き」の曖昧さや暖かさ、心地よさをイメージしています。またロゴがヒツジなのは有名な小説をモチーフにしてます。

その他にも、シンプルにしたUIや、受動的をテーマにしたUX、必要最低限の機能をあえて実装するなど、スタートアップのプロダクトらしさを意識してアプリケーションを設計しました。

moneepはロゴを始めとしてUI/UX等、すべて自分で設計したプロダクトですので、こだわりは無限にあります。ですがユーザーには自由に使って頂きたいので、あまり言語化はいたしません。

「一日の計は朝にあり」moneepで朝を有意義に

ーー現在の反響は?

現在は、リリース時までの目標値の10倍以上のクリエイターの方にご登録頂いております。

プレスリリースについての反応は、「ありそうでなかったアプリ」「クレイジーなアプリ」「確かに好きなクリエイターに起こしてもらえたら最高」など、比較的好意的に捉えていただいているのかなと思っています。

また、登録してくださったクリエイター様からも、「クリエイターにもファンにもWIN-WINなアプリ」「素敵なサービスを作ってくれてありがとうございます」「面白そうなサービス楽しみにしてます」等の声を大変多くの方から頂いております。


ーー反響に対しては、どう思う?

正直のところ、とても嬉しいです。そもそもこんなにも多くの方に登録頂けるとは思っていなかったので、応援してくださっている方には頭が下がります。この期待をバネに、一人でも多くの、私と同じように朝起きるのが辛い人や、「個の時代」を生きるクリエイター様の力になることができるようなサービスを創って行きたいと強く感じています。

おはようを、すべての朝に。
おはようを、すべての朝に。

ーー「moneep」の魅力を改めて教えて。

moneepは2つの【“こ”の時代】のための新しいSNSです。

1つめが【”孤”立の時代】です。
世界中を未曾有の危機に陥れた新型コロナウイルスの影響で、人々の繋がりは分断され、その急激な変化に多くの人が痛みを抱えています。特に日本人の9割の人が苦痛に感じている”朝の目覚め”は、コロナウイルスによる孤立化による影響と、SNS等の発展による日常的な繋がりから、相対的に強く【孤立】を感じてしまうことによって引き起こされ、急速に人々の朝を蝕んでいます。

moneepはそんな【孤立の時代】を生きるすべての人の朝をモーニングコールによって繋ぎ、心地いい朝を実現することで、今まで以上に有意義な朝を過ごすきっかけを作る事ができるようになります。

2つ目が【”個”人の時代】です
Youtube、Instagram、ライブ配信、Tiktokや、最近話題のClubhouseのような新しいプラットフォームの躍進により、職業の選択や自己表現の方法が昔よりも遥かに多様化し、クリエイターは自らの生活様式や生き方を自由に選択できるようになり、とてつもなく多くの人が”自分らしさ”を武器に自己実現ができる時代にシフトしていっています。

しかし、プレイヤーの増加による成長痛によってファンの分散化や金銭面などの課題も浮き彫りになっています。moneepはそうしたクリエイターの休眠資産だった「おはよう」を活用し、収益化の幅や自己表現の選択肢を増やすことによって、自分を応援してくれるコアファンの獲得や【新しい価値】を創出ができるようなり、クリエイターがもっと自分らしく活動する事ができるようになります。

moneepの一番の魅力は、1つのサービスによって、これら2者の課題を同時に解決する事ができることであると考えています。そして「一日の計は朝にあり」という言葉の通り、朝を有意義にすることはその日一日を有意義にすることに繋がります。moneepを通じて多くの人の朝が変わり、その結果日本全体がいい方向に変わっていくことを目指して、moneepは「すべての可能性に、目覚めを」を企業ミッションにして取り組んで行きます。

今後の展開としては、なりすましを防ぐ本人確認機能などを充実させ、ランダムマッチング機能や評価機能など、起きたり起こしたりするのが楽しくなる機能を追加していく予定で、アプリのリリースは3月中を目指している。

moneepは、堀口さんのモーニングコールでの目覚めの経験から誕生したものだった。

朝が弱い人や目覚めがツライ人は、堀口さん曰く「革命的だった」というモーニングコールでの目覚めを味わってみるのはどうだろうか? 心地よい一日の始まりを迎えられるかもしれない。

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プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。