新型コロナウイルスの影響で外食を控え、自宅で酒を楽しむ「家飲み」をしている人が増えているだろう。
そんな中、一風変わったビールが話題となっている。

それがこちら。

「エルディンガー ヴァイスビア」
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なんと、ペットボトルの容器に入ったビールなのだ。

ビールといえば瓶や缶に入っているのが一般的で、ペットボトル入りはあまり目にすることがないのはなぜなのか気になるところだ。
 

「シュティーグル ゴールドブロイ」

この「ペットボトルビール」は、2020年8月に埼玉県上尾市にオープンしたビアレストラン「MAVERICKS BEER STATION」が製造。本場ドイツの「純粋令生ビール」と、ビールをさらに美味しくするフードを提供しているビアレストランが、昨年12月11日から家庭向けにオンラインで販売を開始し、すでに約1万本売れるほどの人気だという。

種類は以下の通りだ。
「エルディンガー ヴァイスビア(白ビール)」
「シュティーグル ゴールドブロイ(ラガービール)」
「シュティーグル コロンブス1492(ペールエール)」
「エルディンガー デュンケル (黒ビール)」

※1本(500ml )の価格は、すべて935円(税込)。

ペットボトルで、ビールの味や香り、鮮度などは損なわれないのだろうか?どんな技術を使っているのか? 販売元の「MAVERICKS BEER STATION」の担当者にお話を伺った。

ビールは酸素に非常に弱い

ーーなぜ“ペットボトルビール”を作ろうと思った?

外食を控え「家飲み」の機会が増えているいま、純粋令生ビールを通じて日本全国の「家飲み」をより華やかで、充実した時間にしたいという思いから、販売を開始しました。


ーーこれまで、ビールにペットボトルの容器があまりなかった理由を教えて

ペットボトルは、瓶や缶よりも酸素を通しやすい性質があります。キャップが密閉されていても、目に見えないミクロのすき間から空気中の酸素がわずかに入ってしまい、酸素に非常に弱いビールとは相性が悪い容器とされていました。

シュティーグル コロンブス1492

ーーではどんな技術でこれを防いだの?

ペットボトル生ビールを新鮮な状態でお届けするには、当店が採用している「量り売り専用充填機」と「専用ペットボトル」の2つが欠かせません。

「量り売り専用充填機」は生ビールの充填前にペットボトル内の酸素を炭酸ガスに置換する仕組みで、酸化による風味の劣化を防ぐことができます。

次に「専用ペットボトル」は一般的なペットボトルと比べて、酸素や炭酸ガスの透過を防ぐ特殊なコーディングを施しています。

この2つを組み合わせることで、新鮮な生ビールをお客様にお届けすることができるようになりました。

「量り売り専用充填機」

ーー中に入っているビールはどんなもの?

当店では自社で輸入をしている「純粋令生ビール」を提供しています。「純粋令生ビール」とは、1516年にドイツ・バイエルン州で制定された今もなお有効な世界最古の食品条例「純粋令」に則ったビールのことです。

ビールの原料を「麦、ホップ、水、酵母」に限定した法律でドイツがビール大国と呼ばれる理由の1つです。飲食店やオクトーバーフェストなどのイベントに足を運ばないと飲めない特別なビールを自宅に居ながら気軽にお楽しみいただけます。


ーー生ビールと、市販されている缶や瓶のビールは製法が違うの?

「生ビール」は加熱処理をせずに作られる「非加熱ビール」をさします。

当店で提供しているビールは全て加熱処理をしていない「生ビール」で、飲食店でビールを注文した時と同じように「樽から出したての生ビール」をペットボトルに充填してお届けしています。

「エルディンガー デュンケル」

利点はガブ飲みできること

ーーどんな苦労があった?

ペットボトルを含め、生ビールの鮮度維持する「容器」の選定に最も時間を要しました。

世界各国のボトルメーカーから製品を取り寄せ、実際にビールを充填してビールの味・風味・炭酸・色等が劣化していないかを1つ1つ比較・検証を行い、その中からもっともビールの鮮度を維持できた容器を採用しました。

「エルディンガー ヴァイスビア」

ーー泡はある?

グラスへの注ぎ方を誤ると、グラスが泡だらけになってしまうほど泡が立ちます。グラスに注ぐ際は、ペットボトル生ビールをよく冷やしていただくことをおすすめします。


ーーペットボトルにしたメリットは?

メリットは「持ち運びのしやすさ」「破棄のしやすさ」「のどごし」です。

特にペットボトルは、缶や瓶に比べて、ガブ飲みをしやすいことから、ビールの楽しみの1つである「のどごし」をより体感でき、多くのお客様から「ペットボトルから直接飲むビールは意外に美味しい」と評判です。

季節限定ビールの販売も検討

ーー売り上げは?

2020年12月11日の販売開始から約2カ月で、約1万本のペットボトル生ビールを全国のお客様にお届け致しました。​


ーーコロナ禍で持ち運びできるという需要は多い?

多いです。BBQなどアウトドアに持ち出しやすいだけでなく、蓋ができるため、無理に飲み切る必要がなく、持ち帰ることができる点も好評です。

「シュティーグル ゴールドブロイ」

ーービールの種類は増えていく予定?

SNSなどを通じて「他の純粋令生ビールも飲みたい」という要望を多く頂戴しております。今後は季節限定ビールなど、その時にだけしか飲めない特別醸造のビールも展開していく予定です。

シュティーグル コロンブス1492

ーー反響はあった?

販売開始以降、一般のお客様からのインターネット通販の注文量が日に日に増えています。またそれだけでなく、遠方から当店までわざわざ足を運んでいただき、実際に充填している様子を見にお越しいただくお客様もいらっしゃいます。

また、テレビでも取り上げていただいたこともあり、飲食店やクラフトビールメーカー充填機やペットボトルを取り扱いたいというお問い合わせも多くいただいております。

「エルディンガー デュンケル」

ペットボトルでもあるのにもかかわらず、鮮度や味、香りが落ちないのは、「量り売り専用充填機」と「専用ペットボトル」があってこそのことだった。

「家飲み」需要が増すこの時期に、今までにない新感覚の「ペットボトルビール」を楽しんでみてはどうだろう。

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