新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、投資を始める人が増えている。今から始めるにはどうしたらいいのか。

今回「Mr.サンデー」が話を聞いたのは、知る人ぞ知る投資業界のカリスマ・藤野英人さん、54歳。

数々の大手金融会社を渡り歩き、2008年に自らのファンドを立ち上げて以来、運用成績などで数々の賞を受賞してきた人物だ。

お金と“共働き”になる

まず聞いたのは、株高の今は投資するタイミングかどうか。藤野さんが語ったのは、意外な言葉だった。

藤野英人さん:
これはよく聞かれますが、投資するタイミングを追い求めてはダメなんです。というのは、投資で難しいことはタイミングを見て売り買いすることなんです。実際にコロナでこんなに株高になるって思った人は、プロでもそんなにいなかったんですね。だから、「今がタイミングですか?」っていう質問をしている限り、なかなか投資って儲けることができない。

投資はタイミングでするものではない。さらに、藤野さんが指摘したのは、世界の常識と大きくズレているという日本人の価値観だった。

藤野英人さん:
日本人って本当にお金が好きなんです。一生懸命働くと、ここに財布がありますけど、そこにお金を入れるじゃないですか、一万円札…そうすうると「よく一万円札きたね」って。もう、これ本当に大切だから、僕の手元にいてくださいと。どこにもいかないでね、大好きだからと、君のかわりに僕が働くよって言っているのが日本人です。実はお金の奴隷なんですよ。

藤野英人さん:
「よく来たな、仲間だ!」「じゃあ僕と一緒に働こう!」と投資したり、別のお金の使い方をするというのがアメリカだったり、今の中国だったり欧州の常識になっているんだけども。お金と自分が共働きになるってことなので、お金をただ単純に銀行預金においているだけではなくて、一部でもいいからお金を使って自己投資をする、もしくは株式投資をする。お金を出す、回すことによって世の中が大きく動くことになるのかなと思いますね。

まずは「現金の10%からスタート」すべし

そして、「投資は決してギャンブルではない」という。

藤野英人さん:
(初心者に)よく言うのは、“手に汗をかかない程度”からスタートしましょう。100万円持っている人が50万投資するとなった時、どうかなって思った時に手に汗をかく感じだったら(投資額が)大きすぎるんですよ。スタートはまず10%だと思います。今の(資金が)100万円だったら10万円、1000万円だったら100万円。現金の10%ぐらいからスタートするのがいいのかなと。

藤野英人さん:
金融庁が言っている1つの模範的な投資の考え方というのは、長期積み立て分散。要するに毎月、少しずつ積み立てをするようにして投資をしてくださいと。それを1年、2年、3年続けることが、資産形成の面で見れば一番確実な方法ですよっていうところを、実は日本の金融庁が言ってるんですね。

長期の積み立てというものが一番有効な成功しやすい方法なんです。本当にそれは投資信託でもいいし、会社(の株)でもいいんです。

なぜ?優れたビジネスマンは投資家としても優れている

最後に、藤野さんは投資に必要な”本当の力”を教えてくれた。

藤野英人さん:
ビジネスマンとして優れている人は、投資家としても優れているわけですよ。これからどういう社会になって、どういうものが売れるんだろうかということに対して敏感な人は、商社マンであっても総合電機の会社でも、素晴らしい商品や製品を出すじゃないですか。

それで成功することができるわけですけど、これと全く同じで。株式投資も今後、コロナで在宅ワークも2年3年と続いていったら、インターネットで物の売り買いをしたり、サービスを提供する会社が増えるから、その中でどの会社がよりお客さまのためのサービスになっているか、というところを分かっている人が、売り上げや利益を伸ばす会社の株を買うことができる。

藤野英人さん:
ビジネスマンとしてセンスがある人、本当に仕事ができる人こそが、株式投資で成功できる可能性があるんです。未来を見つめる力、未来を予想して信じる力がとても大事なことだと思います。

藤野さんが語る「投資」、それは自分が信じる未来を生み出す力だった。

(「Mr.サンデー」1月31日放送分より)