LINE懸賞の詐欺が増加
お金や手間がかかるはがきではなく、最近増えているのがLINEの懸賞だ。
この記事の画像(27枚)企業の公式LINEを友だち追加することなどでスマホだけで簡単に応募ができて、豪華な商品などが当たるとあって人気となっている。ところが今、このLINEの懸賞を装った新手の詐欺が増えているという。
狙われたのはコロナ禍で、テイクアウトなどで人気が高いケンタッキーフライドチキン。
偽のLINEの懸賞画面には「1年分の無料の食事が当たりました。とても簡単です。ぜひお試し下さい」と表示されている。
ケンタッキーフライドチキンが1年分が当たるという甘い言葉で、偽の懸賞に誘導し、高額のお金を請求される被害が相次いでいる。
友人から詐欺のURLが送られてくる
その悪質な手口は普段LINEでやりとりする友人などからメッセージ付きのURLが送られてくる。
そこには本物そっくりのカーネルサンダースのロゴが表示されている。
URLにアクセスしてしまうと、懸賞の参加を促す画面が表示される。
すると、9つのギフトボックスの中から、当たりを選ぶ抽選がスタート。
まず1回目は外れ。
そして2回目も外れ。
そして、ラストチャンスとなる3回目は見事当選。
「おめでとうございます」と表示されるが、実は3回目には必ず当選する仕組みとなっている。
30代の女性が友人からLINEで偽の懸賞のURLを受け取ったのは1月11日。
まったく疑うことはなかったという。
偽の無料懸賞に参加した女性:
親しい友達からLINEが来たというのもありましたし、ケンタッキーのロゴが入っていたので…
偽の懸賞では賞品の当選が発表された直後、5人の友達にURLを送るように指示される。
当選したと思い込み指示に従うと、友達のアカウント情報を第三者に教えてしまうことになる。
偽の無料懸賞に参加した女性:
怪しいなと思ったのは友人も当たって、私も当たって、こんなに簡単に当たるものなのかなという不安がありました。
最後には指定の電話番号に電話をかける指示
そして、最後に指示されるのが当選賞品を請求するために謎の番号に電話をかけることだ。
番組が入手した謎の電話番号を調べると、日本から約7000キロ離れたニュージーランド領にあるトケラウ諸島の電話番号だと分かった。
一度でも電話してしまうと、高額の国際通話料金を請求される。
国民生活センターには1月に入り、大手外食チェーンの偽の懸賞の相談が相次いでいるという。
国際電話料金を約2万円が請求される被害も出ており、詐欺グループが海外の事業者から不正に収益を得る「国際ワンギリ詐欺」の可能性があるという。
専門家は偽の懸賞について…
ITジャーナリスト・石川温氏:
ゲーム性を帯びていて、当たった喜びを共有したくなる点が相当手が込んでいますし、だまされてしまう人が出てしまうのかなと思います。
詐欺に使われているのは古いロゴ
その巧妙さは表示されたロゴからも見てとれる。
現在、日本ケンタッキーフライドチキンは2年前に変更された新しいロゴを使っている。
一方、偽の懸賞は古いロゴとそっくりなものが使用されている。
日本ケンタッキーフライドチキンは偽の懸賞について「URLは決して開かず、万が一開いても何も入力しない」ように注意を呼びかけている。
30代の女性は誰もが当選することを不審に思い、偽の懸賞のURLを友達に送る前に思いとどまったという。
偽の無料懸賞に参加した女性:
携帯に不具合が起きているとか情報を抜き取られたとかは見受けられないので分からないんですけれども、ちょっと不安があります。
(「イット!」1月26日放送分より)