野菜を店内で育てその場で販売

アジア初、野菜を店内で育ててその場で販売するシステムが登場した。

高級スーパーの「紀ノ国屋」が19日から始めたのは、店内におかれたケースの中でミントやバジルなどを栽培し、その場で収穫して販売するサービス。

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ケースの中は湿度や温度が一定に管理されていることから、価格の変動がなく、新鮮な状態で購入できるという。

購入した人:
新鮮さが一番魅力です。これからも購入して、朝、新鮮なものをサラダに添えたいと思います。

このシステムは、ドイツの企業が提供しているもので、ヨーロッパでは一般的なものになっている。

日本では、売り場面積が狭いことや技術面などからこれまで導入されていなかったということで、今回、アジア初上陸となった。

エネルギー対策が課題

三田友梨佳キャスター:
IoTNEWS代表の小泉耕二さんに聞きます。新しい時代の地産地消をどうご覧になりますか?

IoTNEWS代表・小泉耕二氏:
2年前のベルリンで実際にインファームのケースで作られた野菜サラダを食べたことがありますが、とても美味しかったです。

このケースで野菜を作ることで、広大な農地が必要なくなったり、防虫剤や肥料、水など生育に必要な多くのものがカットできます。
また、消費地で作るので、物流費用もかかりません

三田キャスター:
こうした店内栽培が広がっていくためには何が必要でしょうか?

小泉耕二氏:
課題は、生育のための照明や気温湿度の調整といったコントロールのためのエネルギーが必要になります。
いろいろな要素がカットできるので、持続可能性に貢献するのですが、エネルギー面でも対策を進めて欲しいと思います。

ただ、民間ではどうしてもコストを問われてしまうことが多いので、国レベルでの再生エネルギーの比率を上げるなど、社会全体の持続可能性の向上を行う必要もあると思います。

三田キャスター:
エネルギー消費といった課題もありますが、未来を見据えた新しい食料供給を考え続けていく必要はありますよね?

小泉耕二氏:
地球温暖化だとか、食糧不足といった問題が出てきている昨今なので、こういった取り組みは非常に重要だと思います。

例えば、野菜の露地栽培では作りすぎると廃棄しなくてはいけないということがありますが、今回のものであれば、必要な量だけ栽培することができます。

また、農家の後継者不足で食料を継続的に供給し続けられるかも課題になっていますが、この取り組みによって新しい地産地消の形ができて成長することに期待できると思います。

三田キャスター:
大量の廃棄問題や自然災害の多さ、農家の高齢化など様々な課題を抱えている日本の農業界において、テクノロジーによって省力化、効率化を図るスマート農業への需要はさらに高まっていくのかもしれません。

(「Live News α」1月19日放送分)