販売スタッフのデジタル接客により、リアル店舗と通販サイトの新たな融合が始まる。

アパレル店の販売スタッフとして4年目を迎える、森川小百合さん。
今、出勤のたびに、客のいない合間を縫って行っている、新たな取り組みがあるという。

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mystic 新宿店・森川小百合さん:
スタスタ… スタッフスタートの撮影に行きます

新作の商品を自ら着用、そして。
写メで変わる、アパレル界のニューノーマルとは。

店舗と通販サイトの融合

森川さんが行っていたのは、「スタッフスタート」という、実店舗の販売スタッフのオムニチャネル化を推進するアプリのための写真撮影。

販売スタッフのオムニチャネル化とは、スタッフが着用したコーディネート写真を、ブランドのECサイトや、自身のインスタグラムなどのSNSに投稿。

 

そこに商品情報をひも付け、販売することで、オンライン上でも接客が可能になった。

mystic 新宿店・森川小百合さん:
UPした商品が販売されると、「直接売上」につながって、この画面から別のアイテムに売り上げがいくと「間接売上」になる

ディレクター:
森川さんのUPした商品から、ほかの商品も売れたのが?

mystic 新宿店・森川小百合さん:
見られるようになっています

このサービスの特徴は、スタッフの販売実績が見える化すること。

その結果、売り上げの数%がインセンティブとして、スタッフの給与に加算される。

mystic 新宿店・森川小百合さん:
自分のページにとんでいただいて販売されるのが、結構モチベーションにつながる

来店してくれるようになる相乗効果も

販売スタッフを、店舗だけでなくデジタル上に立たせることで、こんな相乗効果も生まれたという。

「スタッフスタート」運営 バニッシュ・スタンダード 小野里寧晃社長:
ECサイト上にたくさんの顧客がつく、スタッフに。
何か値引きします、セールしてますと言わないと店頭に来てくれなかったのに、スタッフへの信頼を持って来店してくれるようになった

実店舗と通販サイトの新たな融合を、販売スタッフを通じて実現したこのサービス。

小売業をはじめ、サービス業にも活用が期待されている。

「スタッフスタート」運営 バニッシュ・スタンダード 小野里社長:
常に1to1で、お客さまに対してリアルで提供しているホスピタリティー、サービスの世界観をデジタル上でもっと表現していかないといけない。
全てのスタッフさんがデジタル上に立てる。
全国のお客さま、世界中のお客さまに対応できる、スタッフテックという世界をどんどん広げている

「個人の産業化」の可能性

内田嶺衣奈キャスター:
デジタル接客で実績を上げたスタッフには売り上げの数パーセントが還元されるというこの取り組みですが、松江さんどうご覧になりますか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
これはかなり皆さんやる気になるのではないですか。
やはり自分らしく売ったところが、ちゃんと売上としてカウントしてもらえるってことですから。
この動きが発展すると、「個人の産業化」の可能性が広がってくるのではないかと思うのです。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
従業員でもありつつも自分のSNSで自分らしく売っていく。
これはある種個人が事業主としての顔もより強くしていくってこともありますから、こういった「個人の産業化」がお店にとってもハッピーになるウィンウィンになっていくのではないか。
さらにネット上はある種自分が商品になっていくので、今回はアパレルですけれど他の商材も含めて売っていくことは可能になるという意味では、「業種を超えた広がり」も期待できると思います。

内田嶺衣奈キャスター:
まだまだ可能性がありますよね。
一生懸命働いた分だけリターンがあると、さらに新たな工夫やアイデアを出そうと前向きに働けるような気がします。

(「Live News α」 1月15日放送分)