オンライン専用プラン 一見すると横並びだが… 

菅政権の肝いり政策として打ち出された携帯料金値下げが一区切りを迎えた。
12月、NTTドコモが20GBで月額2980円の「ahamo」を発表。

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続いてソフトバンクも、LINEのデータ容量を消費しない、20GBのプラン「SoftBank on LINE」(仮称)を、月額2980円で発表した。

そして、注目となったKDDIは1月13日、ドコモ、ソフトバンクに続いて、20GBで月額2480円の新プラン「povo」を、3月から提供すると発表した。
20代以下の利用者の6割が、10分以内の通話量であることから、国内通話5分以内かけ放題は月額500円で追加できるとした。(他社ではプランに含む)
さらに、日ごと、週ごと、月ごとに課金できる形をとり、利用状況に応じてプランを変更できるようにした。

大手3社の差別化は?

通話5分以内を含めた料金は3社とも2980円。
横並びに見えるが、各社の違いはどこにあるのだろうか。

ドコモは、海外ローミングも20GBの中で使うことができ、追加料金が不要となっている。現在は新型コロナの影響で海外への出張なども減っているが、SIMを入れ替えずに使いたいユーザーには便利だ。

ソフトバンクは、LINEのデータ容量を消費しない。LINEのアプリで写真を共有したり、音声通話をしたりする人も増えている中で、LINEのデータ使用量を気にすることなく、20GBまで使用できる。

そして、KDDIは「トッピング機能」と呼ばれる課金制が特徴だ。
週末だけオンライン動画を沢山観たいという人には、プラス200円で、24時間データ無制限で利用できるなどカスタマイズできるのだ。
そのほか「週1回のオンライン授業は、通信量を気にせずに使いたい」などの需要に対応したい考えで、今後スポーツ観戦などでも利用できるよう、選択肢を拡大していく方針だ。

KDDT 高橋誠社長:
ドコモがahamoをだして社内では非常に盛り上がっている。NTTとどうやって戦っていくのかと言うのが我々の歴史。最安値をつけた上でトッピングという色んなアイディアを注入できるようなプランに仕立て上げることができたというのは社内でもワクワクしている

KDDIの髙橋社長はこう話し、期待感を示した。

オンラインでの受付はどこまで浸透する?

3社がオンラインのみで手続きなどを行う新料金を提示したわけだが、果たして店舗のサポートを必要とせず、自身で端末の設定や料金プランの契約をできる人はどのくらいいるのだろうか。
ある通信関係者は、「コロナ禍でオンラインを活用する人が増えている一方で、まだ店舗で契約や相談をしている人が大多数」としている。
今後このオンライン専用が、新規獲得を狙うユーザーに、どこまで浸透するかが焦点となる。

また、店舗で契約を行う利用者の料金はどうなっているのか。
動画やゲームなどでのネット利用が多く、データ容量を気にせず、制限無く使いたいユーザー向けの大容量プランでは、3社は店頭で契約するユーザーに対しても、おおよそ6500円程度で“使い放題”を提供するとしていて、各社4Gと5Gともに値下げをした形だ。(ドコモは4G 60GBまで)

今後の焦点は「小中容量プラン」

大容量までは使用しないが、店頭でのサービスを受けたいとの理由で、オンライン専用プランでの申し込みを行わないというユーザーの受け皿は、今後、小中容量プランになるといえる。

そんな中、KDDIが13日に発表した、UQモバイルの値下げが大きな波紋を呼んでいる。
UQモバイルは、2月から最低容量を3GBで月額1480円、15Gで2480円、25GBで3480円とし、利用しなかった分は翌月に繰り越しができると発表した。さらに、これまであった「家族割り」をなくし一人でも安く使えるとした。

ソフトバンク傘下のワイモバイルは、2月から3GBで1980円、10GBで2980円、20GBで3780円とするプランを提供するとしていて、家族割りの適用で2回線目以降が500円引きで使用できるとしている。

一方、ドコモは、1~7GBの「ギガライト」のプランを、段階制で3150円~6150円で提供している。

料金面でも使い勝手の面でも、UQモバイルが圧倒的な存在感を出した形で、ワイモバイルにも価格競争で大きく差を付けた形となった。

ドコモは、今後、小中容量プランの「ギガライト」について「値下げを検討する」としていて、ワイモバイルも見直しを迫られる可能性がある。

通信関係者は、「競争上のインパクトが本当にでてくるのはUQの部分だ」「通信業界の動きはまだ止まらない」などと声をあげていて、3月の新ブランドの開始を前にもうひと動きすると見ている。

どうする楽天!

楽天は2020年9月に4Gと5Gについて、楽天の回線エリア内では無制限で月額2980円で提供すると発表した。
会見で三木谷会長兼社長は「楽天モバイルのコンセプトは携帯電話料金を下げようということが大きなテーマだ」と話した。
その思惑通り、大手3社は同水準や以下まで下げた料金を発表したが、楽天はいまだに沈黙を貫いている。

楽天モバイルの山田社長も9月の会見では、「圧倒的な価格差があるので、これまで通りでいいと思う。」としていたが、大手3社の相次ぐ新料金プラン発表をふまえると、他社からの顧客獲得には暗雲が立ちこめている。
今後、対応を迫られることになりそうだ。

ある政府関係者は「楽天がいよいよ厳しくなってくる。楽天はせめて2480円までは下げないと戦えないだろう」と話す。

2018年の、菅首相の「4割値下げできる余地がある」発言からおよそ2年半。
常に競争を促されてきた携帯業界。
値下げ戦争に加え端末の2台持ちも多くなり、通信分野での収益が伸び悩む中、通信以外の分野にも本腰を入れなければと大忙しだ。

(フジテレビ経済部 奥山未季子記者)