中国の自動車大手「吉利」と提携

中国の検索サイト最大手の「百度」(バイドゥ)は、スマート電気自動車の開発・製造などを手がける子会社を設立すると発表した。

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百度は、これまで自動運転技術の開発などを進めていて、新会社にはスウェーデンのボルボなどを傘下に置く中国の自動車大手「吉利」も出資する。

ロイター通信によると、アメリカのアップルも2024年にも独自の電気自動車を生産することを目指し電池の開発などを進めていて、IT企業の自動車分野参入の動きが活発化している。

テスラ・アップルでスマートEV勢力変化

三田友梨佳キャスター:
IoT NEWS代表の小泉耕二さんに聞きます。
中国の検索サイト大手によるスマートEVへの参入というのは、どこに勝算を見出しているのでしょうか?

IoT NEWS代表・小泉耕二氏:
百度はEVと親和性の高い自動運転の分野で、すでに高いレベルで実用化を果たしています。

米国カリフォルニア州の車両管理局が出している2019年度のレポートによると、公道で行った自動運転の走行において走行時間だとか自動から手動に切り替えた回数の指標において、高い評価を得ています。

こうした自動運転のノウハウなどを生かして、百度は北京で自動運転のタクシーサービスをすでに始めています。

三田キャスター:
今回百度はボルボなどを傘下に持つ中国自動車大手の吉利と組んでの参入ということですが、この提携にはどんなメリットがありますか?

小泉耕二氏:
自動車の量産は安定的な供給を行う体制を構築しなければいけませんが、ここには高度なノウハウが必要になります。

百度は、吉利の量産のノウハウに加えて販売だとか、販売後のアフターサービスの早期立ち上げといった様々なメリットを得ることができます。

EVで先行しているテスラもソフトウェアの開発とハードの生産の両方を自前でやっていますが、その結果、大量生産には手こずっています。

このため、スマートEVの開発競争においては、IT企業と自動車メーカーの提携によってそれぞれの得意分野を持ち寄る傾向も強まっています。

三田キャスター:
アップルもスマートEVへの参入を表明していますが、ますますこの分野での競争は激しくなっていきそうですね。

小泉耕二氏:
EVでリードしているテスラに対して、アップルが名乗りを上げて世界的に話題になっています。ただ、アップルはどの自動車メーカーと提携するかを正式には発表していない。

そこで今回百度が自動車メーカーと組んでスマートEVの開発競争に名乗りを上げてきたことは大きいと思います。

三田キャスター:
IT企業と自動車メーカーが互いの強みを持ち寄ることで技術革新がさらに進むことが期待されます。

(「Live News α」1月11日放送分)