新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は1月7日、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県に緊急事態宣言を発令した。期間は1月8日から2月7日までで、政府の基本的対処方針に基づき、さまざまな感染防止策が行われる。

前回の2020年4月と比べ制限される範囲が異なるが、私たちはこの発令をどう受け止め、対処すればいいのだろう。

内閣官房のウェブサイトでは、今回の発令に伴い、国民に伝えたい情報をまとめた特設ページ「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」が公開されているので、内容を紹介していきたい。

公開された内閣官房の特設ページ
公開された内閣官房の特設ページ
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目的は感染を「減少傾向に転じさせる」こと

特設ページではまず、「国民の皆さんにお伝えしたいことのポイント」として、今回の緊急事態宣言の目的を「首都圏を中心に、新規感染報告が過去最多を記録し続け、医療体制がひっ迫しています。この現状に歯止めをかけ、減少傾向に転じさせること」としている。

内閣官房の特設ページより
内閣官房の特設ページより

合わせて、これまでの感染拡大期の経験などを踏まえて、より効果的・集中的な感染防止策を講じたいともし、宣言下の感染予防対策は以下の考え方を示した。

「今回の緊急事態宣言は、社会経済活動を幅広く止めるのではなく、感染リスクの高い場面に絞って、効果的・重点的な対策を徹底します」

「具体的には、飲食を伴うものを中心として対策を講じます。そのため、飲食につながる人の流れを制限する、飲食店に対する営業時間短縮要請を行うと共に、夜間の外出自粛の要請、テレワークの推進などを行います」

飲食店の感染対策が中心に(画像はイメージ)
飲食店の感染対策が中心に(画像はイメージ)

社会経済活動を維持しつつも、感染リスクの高い場面に絞り、対策を徹底したいとのことだ。

そしてそのために、(1)外出・移動、(2)イベントなどの開催、(3)施設の使用、(4)テレワークの分野で、国民に次のような協力を求めている。

国民に“4つの協力”をお願い

(1)外出・移動
住民に不要不急の外出や移動の自粛を要請し、特に飲食による感染リスクが高い場面の回避のため20時以降は外出自粛を徹底してほしいとのことだ。ただ、出勤や通院、散歩など、生活や健康の維持に必要な外出・移動はこれに当たらないという。

(2)イベントなどの開催
不特定多数が集まるようなイベントは、人と人との接触機会が多いこと、飲食につながる場合が多いことなどから、特別な対応が必要であるとした。また人数の上限や、収容率、飲食を伴わないこと等が要件となり、開催者には規模などの要件に沿った開催をするように求めている。

不要不急の外出は控えるべきだが、必要な通院などは例外となる(画像はイメージ)
不要不急の外出は控えるべきだが、必要な通院などは例外となる(画像はイメージ)

(3)施設の使用
飲食店やカラオケボックスなどに営業時間の短縮(営業は20時まで、酒類の提供は11時から19時まで)を要請するとともに、遊戯場や大規模な店舗などにも、飲食店と同様の働きかけ(営業は20時まで、酒類の提供は11時から19時まで)を行う。
※政府は、1都3県が時短要請を行う場合に支払う「協力金」を支援する(月30日換算120万円→180万円へ引き上げ)。

(4)テレワーク
職場への出勤自体は、自粛要請の対象ではないが、「出勤者数の7割削減」を目指し、テレワークやローテーション勤務、時差通勤などを推奨。あわせて事業継続に必要な場合を除き、20時以降の勤務抑制をお願いしている。

テレワークなどは引き続き推奨される(画像はイメージ)
テレワークなどは引き続き推奨される(画像はイメージ)

このほか、1都3県の学校に一斉休校などは要請しないが、部活動や学生寮での感染防止対策などを、学生に注意喚起を徹底するようにお願いしている。また入試などは、予定通り実施されるという。

内閣官房の特設ページより
内閣官房の特設ページより

特措法に関するQ&Aも掲載

特設ページにはこのほか、新型コロナウイルス感染症が緊急事態宣言の適用対象となることを定めた、新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)の概要についても説明し、緊急事態宣言の期間や区域などがどう決められるかなどを確認することもできる。

さらに、緊急事態宣言に関連したQ&Aも掲載されていて、都市が封鎖されるロックダウンの可能性はあるか、外出はどうかなどの疑問点を確認することもできる。宣言下での過ごし方がよくわからない人にとっても、役立つ情報が得られるはずだ。

内閣官房の特設ページより
内閣官房の特設ページより

ちなみにQ&Aの内容は、編集部の以前の記事でも詳しく紹介しているので、こちらも参考になるだろう。
(参考記事:「緊急事態宣言」が発令されたら…外出は制限?内閣官房のサイトにQ&A

特設ページにはこうした情報以外にも、緊急事態宣言で政府が示している「基本的対処方針」や関連する事務連絡のファイルなども閲覧できる。再びの発令で不安を感じている人は、このような情報を参考にしてほしい。

・内閣官房の特設ページはこちら

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プライムオンライン編集部
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