2020年8月。福岡市の大型商業施設で起きた15歳の中学生による女性刺殺事件。
少年は事件の2日前に九州の少年院を仮退院。引き取り手がいなかったため、県内の更生保護施設に入所していた。しかし、その翌日に施設を無断で抜け出して事件を起こしたとされている。

少年院では、入所者の社会更生をどう指導しているのだろうか。福岡市南区にある福岡少年院を取材した。

セカンドチャンス!福岡松尾昌人さん:
お願いします

少年たち:
お願いします

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再犯を防ぐ…少年院の取り組み

この日、行われていたのは少年院の出院を間近に控えた少年5人と少年院を経験した大人が膝を合わせる座談会。
少年支援を行うNPO法人「セカンドチャンス」の松尾昌人さんたちが企画した。

少年:
松尾さんは、少年院とかに入られたことあるんですか

セカンドチャンス!福岡松尾昌人さん:
はい。ここ(福岡少年院)です。いろいろやりました

社会復帰した先輩の体験談を聞いてもらうことで、少年院を出たあとの「再非行」を防ぐ取り組み。

少年:
前に住んでいた場所は、祖父母と一緒に住んでいて。ここを出るときは、お母さんのところに帰る。というか…

少年:
自分は“反社”との関わりがすごいあった。出てからどう関わればいいのか。関係を絶たないと(いけない)と分かっているけど、どう絶てばいいのか

母親のネグレクトや以前交流があった反社会的勢力との関わり方など、少年たちは思い思いの質問をぶつける。

セカンドチャンス!福岡松尾昌人さん:
自分は地元に帰ったら先輩が迎えに来た。ヤクザみたいな人だった。(反社の知人が)来たら、親に助けを求める。親に助けを求めることは恥ずかしくない。(自分を)止めてくれたのは母親だった

「再犯」への不安…和らげるために

松尾さんは少年たちに「ある質問」を投げかけた。

セカンドチャンス!福岡松尾昌人さん:
福岡少年院を出てから再犯をしない自信ある?

少年:
あまりない。最初の頃は入ってきてすぐ「またやってやろう」と思っていた。いろいろ授業を受けて(気持ちは)半々ぐらいになった

少年:
自分も半々ですね。やっちゃいけないと思うんですけど、何かのきっかけで崩れちゃうんじゃないかなと思います

誰もが抱える社会復帰への不安を少しでも和らげる。この座談会の最大の狙い。

セカンドチャンス!福岡松尾昌人さん:
社会に出たら自分の夢、自分の目標を持って、それを貫く。走ればいいだけ。少年院経験者でも社会で頑張っておけば、絶対、見てくれる人はいるから

少年たち:
ありがとうございました

少年:
1回失敗してしまった自分たちに、こうやって目標を与えてくれるのは、自分の中でいいのかなって、自分もこうなりたいと思いました

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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