河野太郎規制改革担当相が23日、フジテレビの「Live Newsイット!」に生出演し、菅内閣発足以来自身が取り組んできた規制改革などの政策を振り返った。生出演冒頭、好物のドリアンを用意すると、「会社員時代、シンガポールに駐在していた頃から食べている」とドリアンにまつわる話を披露。スタジオの都合で、持ち帰ってもらうことにしたが、河野氏は

「折角なら食べたかった」と笑顔で語った。ドリアン刺のように、まさにとがって改革を進める河野氏は何を語ったのか。

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「縦割り110番」の中身を番組初公開!

これまで、ハンコの廃止や霞が関の働き方改革など様々な改革に着手してきた河野規制改革相。番組が注目したのは、救急車の高速道路利用料金の完全無料化だ。消防車が出動する際の高速料金は往復無料だったが、救急車は現場に向かう高速道路は無料で、戻りについては有料で、地域ごとに対応が異なっていた。内閣府が国交省や消防庁と協議した結果、往復無料で利用可能となったのだ。現在は、新型コロナウイルスの影響で、救急車両の任務後に車内の消毒作業を行うことから、河野大臣は「細かい改革のように思ったが、コロナ禍で重要なものだ」と意義を強調した。

今回、番組の出演に際し、実際に寄せられている意見をスタジオで紹介した。

「引っ越しの時、転入届に加えて電気、ガス、水道などの手続きが多すぎる。一度で済ませることはできないのでしょうか?」(「縦割り110番」に寄せられた要望)

河野規制改革相:
電気・水道・ガスは民間の引っ越しサイトでできるようになっているが、それ以外に金融機関、生命保険、携帯電話で住所変更をする部分があるので、これは来年に法改正を予定をしていて、マイナンバーには、今、氏名・住所・性別・誕生日の4の情報が紐づけされているので、「私の4情報を利用していい」という同意があれば、マイナンバーで情報を書き換え、変更があった場合は、変更を相手に教えることをやろうということにしているので、マイナンバーを利用して、変更を1本化できるようにしようと。法改正とシステム整備があるが、その方向で動いている。

選択的夫婦別姓 河野氏「あってもいい」党議拘束なしの採決提案

さらに河野大臣は、「結婚や離婚の時に免許証や保険証などの変更手続きも住所変更の手続きと同じようにできるようになる」と述べた。加藤綾子キャスターが、「そもそも選択的夫婦別姓が実現すればこうした問題も少しは解消する気もする」と切り込むと河野氏は次のように語った。

河野規制改革相:
選択的夫婦別姓を実現したいという要望が一部の方からかなり強くあると思う。女性研究者でも、旧姓の方が論文発表するとそれで論文を検索できるわけだから、名字が変わるとかつての実績が紐付けられないなどの様々な課題があるのは事実だと思う。こういう問題は、みんなが一致するのは難しいと思うので、かつて臓器移植法案をやったときに、脳死は人の死なのかどうかは議論しても考え方はなかなか一致しない。あのときは、党議拘束を外して、議員1人1人が本会議で賛成多数で改正したが、恐らくそういうことも視野にいれたらいいのではないかなと思う。なかなか選択的夫婦別姓でみんなの考えが一致するのは難しい。国会議員は決めるのが仕事なので、「自分はこういう理由で賛成/反対だ」と言って、本会議で投票して多数に従うのが選択肢になってもいいのではないかなと思う。

このように、河野規制改革相は、法案の採決で政党が所属議員の賛否を決めるのではなく、議員個人の判断で投票する形式(「党議拘束」を外した自由討議形式)で決めるべきだとの認識を示した。

その上で、選択的夫婦別姓の是非を聞くと河野氏は次のように述べた。

加藤綾子キャスター:
河野さんご自身は、どう思っているのですか。賛成ですか、反対ですか?

河野規制改革相:
私は、選択的夫婦別姓はあってもいいと。それは本人の選択肢なので、選択肢を増やしていく意味では、あってもいいのではないかと思っている

番組出演の前日(12月22日)に開かれた規制改革推進会議では、女性の出席者から「企業側からみても部下の名字がかわって不便だ」「規制改革の観点から議論してもいいのではないか」との意見が出された。会議に出席した政府関係者も「自民党の一部の保守派の猛反発で、選択的夫婦別姓の議論が進展しなかった。河野氏が規制改革の観点からも選択的夫婦別姓を推し進めてほしい」と期待感をにじませるように、来年以降、河野氏が選択的夫婦別姓の議論を規制改革推進会議の議題に扱うのか注目だ。

買い物帰りにタクシーの時代へ・・・「天気」で値段を変える?

続いて、身近な規制改革のテーマを河野大臣に生直撃すると、次なる改革のヒントを得ることができた。

河野規制改革相:
「Uber」というライドシェアが最初に入ったときは規制がなかったが、段々と、ドライバーに最低賃金を保障しようとか、健康保険をつけよう、運転時間の上限を定めるなどの規制が強まっている。それだったら、日本のタクシーは、安全性・清潔さや信頼性さが世界一とよく評価されているので、例えば日本のタクシーの負担軽減をしていく。日本のタクシーの選択の幅を広げていくと、どこかで、規制を強くするのとタクシーの負担を軽減するのと同じサービスを提供できるようになるんじゃないのかなと。日本型のライドシェアがあってもいいんだろうというところからスタートした。今は、タクシーのメーターは計量法に基づいて、料金をはかっていますから、朝から晩まで同じメーターですよね。例えば金曜日の夕方、雨が降るとタクシーに乗りたい人が増えて、台数が決まっているからタクシーが捕まらない。そういう時は、タクシー料金を上げる。あるいは、夜中の3時頃、あんまりタクシーに乗る人がいないんだったら、その時間帯は下げる。そうしたら、乗っておこうかという人が出てくるかもしれない。そうやって受給に応じて料金を変えることが、もっと自由にできればタクシーの需要を喚起することができるんじゃないかと思う。タクシーはいま、朝の点呼を自分の事業所でやらないといけないことになっているが、ITで遠隔地でも点呼できるようにすればいいとか、それぞれの会社が運行責任者を置かなければいけないが、タクシー台数が少ない時は共同で運行責任者をおいて、その人が台数をみるようにしたらいいとか。そうしたらタクシー会社のコストも下がるので、色んなサービスを提供しやすくなると思う。

加藤キャスター:
「天気」は一つの案ということか?

河野規制改革相:
一つの案。需要と供給に応じて、時間帯というのもあれば、いろんなことが考えられるので、それをタクシー業界にも検討してもらいたいし、国交省でも非常に前向きに検討してくれようとしているので、きちっと進めていきたい。買い物帰りにちょっと乗るのも安ければ乗るかもしれないし、混んでいるときは高い料金でも急いでいけるかもしれないですから

「河野太郎総理」への道 「いつかは・・・」

最後に聞いたのが、菅首相の人柄と「河野太郎総理」への道だ。

加藤キャスター:
普段接してみて、菅首相はどんな人ですか

河野規制改革相:
菅首相とは当選同期で同じ神奈川出身で、私も菅首相もお酒が飲めない通しで20年やってきましたけど、非常にせっかちな人でスピード感を大事にする人ですね。極端なことを言うと、朝の閣議の後に「あれどうなった?」と言われて、夜議員宿舎の玄関で会ったら「ところであれはどうなった?」と言われ、「いやちょっと待ってくださいと(笑)」。菅内閣はスピード感をもって動こうということで、総理がそういう旗を振って頑張っている

加藤キャスター:
菅首相に「アドバイスができる人がいない」安倍内閣での菅さんのような方がいないとの声も聞かれるんですが、河野さんがアドバイス役を担うことは?

河野規制改革相:
非常に官房長官の時からいろんな人の意見を直接聞くということをやってこられました。政治家や政府内の人間だけではなく民間の方の話を聞くことをやってこられたので、そこは多様な情報をインプットして決断をする“菅スタイル”は大事だと思う

加藤キャスター:
いずれは総理を目指されているのか

河野規制改革相:
いずれは総理になって自分のやりたい政策をやりたいというのは誰もがそう思っていると思いますので、それは「いつかは」というのは初当選したときから言っていますので、それはいつかはしっかりやっていきたいと思います。

恒例とも言えるこの質問に河野氏はいつも「自分のやりたい政策をやりたいと誰もが思っている」と述べる。今年の総裁選も出馬を模索していたが、所属する麻生派が菅氏支持を固めたことで、出馬を断念している。来年には、菅総裁の任期満了に伴う自民党総裁選挙が控えていて、コロナウイルス対応や政治とカネ問題の再燃など内閣支持率も下落傾向で苦戦を強いられる中、来年の秋に総理候補レースの構図がどのようになるのかはまだ先が見通せないなかで、河野氏が菅内閣の一丁目一番地政策である規制改革を今後、どこまで成し遂げることができるのか、“河野改革”の力量は、自身の総理への道にも直結しそうだ。