携帯電話各社が続々と値下げプランを発表する中、総務省は携帯電話の料金プランの見直しを呼び掛ける「携帯電話ポータルサイト」(暫定版)を12月21日に公開した。

トップページには、利用者のデータ使用量に関する興味深いデータが公表されている。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの大手携帯会社4社のサービスを利用する人のうち、40%以上の人が月当たり20GB以上の料金プランを契約している一方で、実際に20GB以上を使っている方は約10%しかいないということだ。

加入する料金プラン別の利用者の割合と実際のデータ通信使用量で見た利用者の割合(画像提供:総務省)
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その上で総務省は、必要以上の料金プランに入っていたり、普段の利用目的より高性能・高額なスマートフォンを使っているなど、自分に合ってない!と感じた人には、料金プランの変更や携帯会社の乗換えの検討を呼び掛けている。

また、このサイトでは、「今の契約を確認する方法」「乗換えの際の注意点」「電話番号を変えずに乗り換える方法」「端末を変えずに乗り換える方法」「端末を買う際のアドバイス」など自身のニーズに合ったサービスを選択する際に参考となる情報をまとめている。

料金プランの見直し 4つのステップ

では、内容を詳しく見ていく。
料金プランの見直しについて、4つのステップでまとめている。その手順がこちら。

見直し手順(画像提供:総務省)

STEP1 今の料金プランやデータ使用量などを把握していますか?
STEP2 自分に合った料金プランの選び方をご存じですか?
STEP3 どんな選択肢があるかご存じですか?
STEP4 プラン見直しや乗換の注意点をご存じですか?

そしてこの中で、料金見直しで押さえるべきポイントを3つ紹介している。

・もしかして、今の料金プランは、自分の利用実態に合っていない?
毎月数GB(ギガ)しか通信をしないのに、最大数十GB(ギガ)が使える料金プランに入っていませんか?また、普段通話はしないのに通話かけ放題プランに入っていたり、逆によく通話をするのに通話かけ放題プランに入っていなかったりしませんか?
自分の利用方法に合った料金プランに見直すことで、毎月の通信サービスに支払う負担が軽減されるかもしれません!

・なぜ料金は複雑なの?
多くの携帯会社の契約では、様々な割引メニューが用意されていますが、例えば最初の半年間だけの割引や、家族とセットの場合だけの割引など、時期や条件によって料金が変動することが多く「自分がいくら払っているか」が分かりにくい構造になっています。
また、テレビCMなどで非常に安い料金がアピールされているのをよく見かけると思いますが、これもこうした割引がすべて適用された「最安値」が表示されている場合が多いことにも注意が必要です。

複雑な料金のイメージ(画像提供:総務省)

・計画的な見直しのオススメ
携帯会社の乗換えを行うには適切なタイミングがあります。例えば、契約期間が決まっている「2年縛り」などのようなプランの場合、契約から2年以内に解約すると違約金が発生する場合があります。また、2年満期を迎えても、契約が更新されるとまた違約金が発生する場合があり、乗換えをする場合はタイミングを見計らって行うことが重要です。

プラン変更の2つの選択肢にアドバイス

そして、今の料金プランが自分に合っていないと思った時、どの料金プランを選択すればいいのか、2つの選択肢についてアドバイスしている。

1つは、同じ会社の中で別の料金プランに切り替える場合、定額プランと段階性プランのどちらが自分に合っているものか確認したほうがよいという。

例えば、今使っている料金プランが大容量の定額プランの場合、「使った分だけ」の料金になる「段階制」の料金プランに変更することで費用が抑えられる場合がある。また、大手携帯会社の中には「サブブランド」という比較的低価格なブランドを用意している場合があり、同じ会社の中でも色々な選択肢があるので、自分にぴったり合ったものがあるか確認することを勧めている。

定額プランと段階制プラン(画像提供:総務省)

一方、別の携帯会社に乗り換える際には、「格安スマホ」や「MVNO」と呼ばれる携帯会社のサービスは自身のニーズに合わせて安く便利に使えるものが多く、検討をして欲しいとしている。

「格安スマホ」(格安SIM)」とは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなどの大手携帯会社から「ネットワークを借りて」携帯電話サービスを提供するMVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)と呼ばれる事業者のサービスを指すことが一般的。
大手携帯会社と比較して注意すべき点もあるが、一般的に価格が安い、利用がお手軽、といったメリットがある。

携帯ブランドのイメージ(画像提供:総務省)

MVNOの特徴は、
(1) 低容量・低価格から利用でき、料金プランが比較的シンプル
(2) オンラインの手続きが充実していて、お手軽に契約手続きができる

MVNOは、1GBや3GB、6GBなどの低容量プランを中心に展開をしている場合が多く、例えば、毎月6GBのデータ通信と音声通話のセットで2,000円前後のプランが多い。
この点、総務省の調査によると、大手携帯会社4社のサービスを利用する人の半数以上は毎月5GB以下のデータしか使っていないことが分かっており、たくさん通信をしない人の場合には、MVNOを選ぶメリットが大きいという。

加入する料金プラン別の利用者の割合と実際のデータ通信料で見た利用者の割合(画像提供:総務省)

見直しや乗換えをする際の6つの注意点

そしてプラン見直しや乗換えをする際の6つの注意点を示している。

(1)違約金が発生する場合があること
(2)他の契約とのセット割がある場合の注意点
(3)乗り換えても今お使いの電話番号をそのまま使えること
(4)乗り換えても今お使いの端末をそのまま使えること
(5)端末の分割払いは残ること
(6)オプションサービスの解約忘れへの注意

別の携帯会社に切り替える際には、3つのポイントを紹介
・電話番号を変えずに携帯会社を乗換えることができる仕組みがMNP。
・令和3年4月から、ウェブでのMNP手数料はゼロ円になります!
・令和3年4月から、携帯会社によるMNP申込み時の引き止めは原則禁止となります!

このMNP(mobile number portability モバイル ナンバー ポータビリティ)という仕組みを使うと携帯会社を乗換えても、今の電話番号をそのまま使うことができる。

また、端末を変えずに乗り換える際には、2つのポイントを紹介

・大手携帯会社3社でスマートフォンを買うと、「SIMロック」という制限がかけられている場合が多く、乗り換え時には注意が必要!
・携帯電話の購入時や購入後などに「一括払い」や「クレジットカード払い」をするだけでSIMロックがかかっていない端末を購入できますが、会社によっては自分から申し出る必要があります!

SIMロックとは、携帯会社が携帯電話の端末を売る際に制限をかけて、他の携帯会社の「SIM」を差し込んでも通信できないようにするもの。「SIMロック」という制限を解除することで、今使っているスマートフォンをそのまま使える乗換えを行なうことができる。
 

SIMロック解除のすすめ(画像提供:総務省)

他にもサイトでは、「端末を買う際のアドバイス」「中古端末の検討」「通信契約はキャンセルできるか?」といったことなどが紹介されている。

とても丁寧に説明してある印象だが、総務省はなぜ「携帯電話ポータルサイト」(暫定版)を公開することにしたのか?特に伝えたいことはどんなことなのか?
総務省の担当者に話を聞いてみた。

自身のニーズに合ったサービスを容易に選択できるように

――なぜこのサイトを作った?

令和2年10月27日に公表した「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」では、その第1の柱において携帯電話のサービスについて、「消費者の一層の理解促進」を行うこととしています。
この内容を踏まえ、総務省では国民の皆様が御自身のニーズに合ったサービスを容易に選択できるよう、関係する情報をまとめた「携帯電話ポータルサイト」(暫定版)を公表しました。

――暫定版とはどういうこと?

携帯電話各社から魅力的なプランが出てきています。
一方で、総務省の調査では、大手携帯会社4社のサービスを利用する方を中心に、自分に合った料金プランを選べていない方が多くいることが分かっています。

そうした中で、皆さんが「今、自分はどんなプランに入っているのか?」「自分の普段のデータ使用量はどれくらいか?」など、一度把握していただき、もったいないお金の使い方をしていないかを確認いただきたい。
そのために、スピード感をもって今回、一旦、暫定版として公表しました。今後、足りない情報などを足した正式版を公表する予定です。

「今の料金プランは本当にあなたに合っていますか?」

――特に伝えたいことは?

トップサイトの「今の料金プランは本当にあなたに合っていますか?」の部分です。例えば、マイページにアクセスする習慣がある人は少ないのではないでしょうか。もちろんリテラシーの高い人も中にはいますが。
マイページのアクセスをはじめ、見直しの手順を簡単にまとめていますので、皆さんにプランの見直しの参考にしていただきたいです。

マイページ(画像提供:総務省)

――大手キャリアが続々と値下げプランを出していることはどう思う?

様々なプランが出ることは、利用者の皆さんの選択肢が広がるので、非常に良いことだと思っています。

 

今後正式版を公開する予定だというが、暫定版でも総務省の携帯料金値下げへの取り組みの本気度が伺える。
NTTドコモ、ソフトバンクに続き、KDDIも2021年1月に新料金プランを発表する方針を示している中で、プランの見直しを考える際には、総務省のサイトを参考にするのも良いかもしれない。