「のどや鼻の不調」に関する意識調査

冬になり新型コロナウイルスだけでなく、風邪やインフルエンザへの対策も求められる。

こうした中、体調不良の盲点とされるのが「睡眠中の口呼吸」。「口呼吸」は「鼻呼吸」と比べて感染症やのどの不調を引き起こす原因になるという。

ウーマンウェルネス研究会が、首都圏在住の526人(20代~60代男女)を対象に、「のどや鼻の不調」に関する意識調査を11月に実施し、その結果を今月発表した。(11月4日~11日にインターネット調査)

調査では、60%が睡眠中の「口呼吸」を自覚しており、去年に比べて、口呼吸を自覚している人が13%増加していた。

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そして「起床時に口の中が乾燥している」と感じている人は74%に上った。
 

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また、睡眠中に口呼吸を自覚している人ほど、「風邪を引きやすい」と感じていることも分かっている。

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さらに、外出時は93%が着用しているというマスクはのどや鼻の乾燥を防ぐため、日中は結果的に乾燥対策ができている一方で、寝る時に全く乾燥対策を行っていない人は約62%。夜間は乾燥に対して、無防備になっている状況が明らかになった。

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なぜ、睡眠中に口呼吸だと、体調不良の原因になるのか?
睡眠中の口呼吸を防ぐためには、どのような対策をとればよいのか?

今回の調査を監修した帝京大学ちば総合医療センター・耳鼻咽喉科の鈴木雅明教授に話を聞いた。

ウイルス、細菌などが鼻の粘膜で除去されず、直接体内に入る

――去年に比べて、睡眠中の口呼吸を自覚している人が13%増加。この理由としてはどのようなことが考えられる?

本来、人の呼吸は鼻呼吸ですが、乾燥や低温、花粉などの環境ストレスによって鼻がつまると、口呼吸になってしまいます。
外出が少なくなり、人目を意識して表情をつくる機会が減ると、口もとの筋肉の緊張が緩みがちになり、さらに口呼吸につながりやすいと考えられます。

また、今年は新型コロナウイルス流行のせいか、例年よりも「のどの不安」を感じて、来院する患者さんが増えています。

特に冬は、冷たく乾燥した空気の影響で鼻づまりになりやすく、のどを痛めやすいため、注意が必要です。

――睡眠中に口呼吸だと、風邪をひきやすくなる?

口呼吸をすると、異物やウイルス、細菌などが鼻の粘膜で除去されず、直接、体内に入るため、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかる危険性が高くなります。

感染症全般の予防として、口ではなく、鼻で呼吸することはとても重要です。

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“かくれ口呼吸”チェックリスト

――6割以上の人が寝る時にのど・鼻の乾燥対策を行っていない。こちらはどのような理由が考えられる?

まだまだ、ナイトケアという概念が薄い結果だと思われます。特に男性に意識が低いと思われます。

――起きている時と比べると、就寝時の方が口呼吸になりやすい?

眠っている間は筋肉がゆるみ、意識して口を閉じることができないため、どんな人でも口呼吸になりやすくなります。

自覚がなくても、「朝起きた時に口が乾いている」「いびきをかいている」などの兆候があれば、寝ている間に口呼吸になっているサインです。
夜間は鼻炎などアレルギー性の症状も悪化しやすくなるため、鼻づまりが起こりやすい時間帯でもあります。

また、口呼吸によりいびきをかいたり呼吸が途切れたりすると、脳から「呼吸に異常が起こっている」という信号が出て心身が緊張し、睡眠が阻害されてしまいます。

――睡眠中の呼吸は意識できないため、自分では気づきにくい。自分が口呼吸をしているかどうかはどうやって確かめればよい?

以下の項目に1つでも当てはまる方は、自覚がなくても就寝時に口呼吸になっている可能性があります。 

1. 口の中が乾きやすい 
2. 集中している時、無意識に口が開いている 
3. 唇が荒れている・唇が乾いている 
4. 鼻づまりがある 
5. いびきをかく 
6. 起床時に口の中が乾燥している 
7. 起床時にのどが痛い 
8. 起床時に口臭がある 
9. 寝ている間によだれが出る

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「睡眠中の口呼吸」を防ぐための3つの対策

――「睡眠中の口呼吸」を防ぐためには、どのような対策をすればよい?

就寝時に「のど・鼻を加温・加湿」して、口呼吸のリスクを防ぎましょう。鼻通りがよくなり、睡眠の質が向上します。

鼻の中の線毛運動も活発化するため、風邪やインフルエンザの予防効果も期待できます。 

――「のど・鼻の加温・加湿」、具体的にはどうすればよい?

具体的には3つの方法があります。

1つめは「就寝時にのど・鼻を蒸気で温める」
鼻を温めながら加湿することで、スムーズに鼻で息を吸えるようになり、口呼吸を防ぐことができます。口呼吸を防ぐことで、睡眠の質が高まり、のどの乾燥も防ぐことができます。

就寝時に蒸しタオルを鼻の上に置き、温めるのがおすすめです。より手軽な対策としては、マスクを着けて眠るのもよいでしょう。

加湿機能がついたマスクを使うとさらに効果的です。

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――蒸しタオルを鼻の上に置く。こちらは何分ぐらい?

10分間ぐらいで十分と思われます。

――2つめは?

「空気の乾燥を防ぐため、部屋全体を加湿して湿度を上げる」。

最近では、ウイルスやカビ菌などの有害物質や花粉など、アレルギーを引き起こす物質を抑制できる、加湿空気清浄機もあるため、上手に活用するのもよいでしょう。
 

――3つめは?

「片方の鼻で交互に鼻呼吸」。

人差し指で右の鼻を押さえ、左の鼻から深く息を吸って、ゆっくりと吐きます。次に左の鼻を押さえ、同様に右の鼻で深呼吸します。左右交互に5セット、行いましょう。
 

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風邪やインフルエンザなどの感染症にかかる危険性が高くなるという「睡眠中の口呼吸」。
コロナ禍でとくに体調管理に気をつけたい中で、睡眠中は“口”ではなく“鼻”で呼吸するよう、体調を崩しやすいこの時期に3つの対策を徹底してみてはいかがだろうか。
 

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