スイッチ、プレステ5の”偽販売サイト”を注意喚起

今年の夏以降、通信販売サイトで、「ニンテンドースイッチ」や「プレイステーション5」などの人気の家庭用ゲーム機を注文して代金を支払ったものの、「商品が届かない」という相談が、各地の消費生活センターなどに336件寄せられていることが分かった。

クリスマスや年末年始にかけて家庭用テレビゲーム機の需要が高まると予想されるため、消費者庁が注意を呼び掛けている。

この偽の通信販売サイトは、「ニンテンドースイッチ」や家電製品などを通信販売しているかのように装っているが、見た目は普通の通信販売サイトのようで、一見しただけでは偽サイトと気付くのは困難だという。 
 

偽サイト(提供:消費者庁)
この記事の画像(6枚)

消費者庁がこれまでに確認した偽サイトは8つ。

「OTOKU」
「TAKUMI」
「Gaming」
「SELECT STORE」
「E STORES」
「SMART STORE」
「FIRST」
「PLUS」

いずれも同じ事業者が運営しているとみられ、アクセス可能期間はそれぞれ約半月と短く、また、あるサイトが閉鎖されて間もなく、屋号を変更したサイトが公開されている。

12月上旬からは「PLUS」という名前で運営されていたが、現在は閲覧できない状態になっている。

8つの偽サイト(提供:消費者庁)

「リスティング広告」で誘導

消費者はどのようにして、偽サイトに誘導されるのか?

消費者庁によると、インターネット上で「スイッチ」など商品名を検索すると、「リスティング広告」(※検索サイトの検索結果の上部などに表示される広告のこと)が表示される。

例えば、「スイッチ 本体特価 34,900 円」といった表示だ。

提供:消費者庁

ニンテンドースイッチは、他の通信販売サイトでは抽選販売が行われていたり、在庫切れだったりしている。また、在庫のあるサイトでも、メーカー希望小売価格に1万円以上上乗せした価格など、高値で販売されていることがある。

一方で、偽サイトの検索結果には、メーカー希望小売価格より“若干高い価格”や“ほぼ同じ価格”などが表示されるという。

消費者はこうした検索結果に誘引されて、リンクをクリックし、偽サイトにアクセスしてしまっているのだという。

「残り○個」と表示して買わせる

さらに、偽サイトには、ニンテンドースイッチなどについて、「残り○個」と在庫が僅かであるかのように表示されている。

消費者は、他の通信販売サイトよりは安く買える、早く注文しないと売り切れてしまうなどと考え、偽サイトで注文をする。

すると間もなく、代金の振込先を知らせるメールが届く。

振込先の銀行口座は個人の名義なので、この時点で疑問を持ち、消費生活センターなどに相談する消費者もいるが、多くの消費者は子どもや孫のために早く手に入れたいなどと思い、指定された口座に代金を振り込んでしまう。

代金を振り込んでも、商品は届かない

メールで問い合わせても返信はなく、また、偽サイトやメールには運営者の電話番号が記載されていないため、消費者は運営者に連絡をすることもできない。

子どもへのクリスマスプレゼントなど今後需要が増えそうなタイミングでの注意喚起だが、偽サイトを見分ける方法はあるのか?被害に遭わないようにするためにはどのようなことに気を付ければよいのか?

消費者庁の担当者に話を聞いた。

8月1日から11月30日までに336件の相談

――把握している相談の件数は?

8月1日~11月30日までに336件の相談を受けています。
内訳は、8月が82件、9月が98件、10月が115件、11月が41件です。
 

――11月に減っているのはなぜ?

「ニンテンドースイッチ」が消費者の手元に届くようになったからだと思われます。

同じ時期、偽サイトは「プレイステーション5」を載せ始めたので、「ニンテンドースイッチ」から「プレイステーション5」に切り替えたとみられます。
 

――336件の相談のうち、料金を支払ってしまったのは何件?

319件です。支払い済みの総額は、約1132万円です。
 

イメージ

30代、40代女性からの相談が多い

――相談してきた方に、何か傾向はみられる?

40代が最も多く、次に多いのが30代でした。いずれも女性が6割以上を占めています。
一方で、60歳以上の高齢者からの相談は少ないです。
 

――30代、40代の女性が多い。これはなぜ?

お子さんのために購入しようとした母親が多いとみられます。実際に、母親からのこういった相談が寄せられています。
 

――多くの母親が被害に遭っている。この理由として考えられることは?

「子どもにプレゼントしたいという親心をとらえた手口」だから、だと思われます。

自分が欲しいものを買うときは、おかしいと思ったら、躊躇するものです。自分ではなく子どものためなので、少しおかしいと思っても支払ってしまう、ということだと思われます。
 

イメージ

見分け方は“前払い”と“個人名義の口座”

――偽サイトの見分け方は?

支払いが“前払い”で、振り込み先が“個人名義の口座”かどうかです。
この場合は偽サイトの可能性が高いので、お気を付けください。
 

――これまでの偽サイトとの違いは?

4点あります。

1点めは「設定価格が高い」
これまでの偽サイトは、他のサイトより価格を安く表記していました。ところが、今回は定価より高く表記しているのが特徴です。

2点めは「運営者の電話番号の記載がない」
運営者に繋がる情報が書かれていないんです。

3点めは「同じ事業者がサイトの立ち上げと閉鎖を繰り返していること」
8月から現在まで、半月ごとのペースで、同じ事業者が、“サイトを立ち上げて閉鎖”、そして“新たなサイトを立ち上げて閉鎖”、という行動を繰り返しています。

4点めは「料金の振り込み口座を短期間で変えていること」
こちらは特殊詐欺と手口が似ています。
 

――偽サイトの被害に遭わないようにするためには、どのようなことに気を付ければよい?

普段、使っていない通販サイトを使う際は、いつも以上に注意してください。

 

担当者が語るように、子どもの喜ぶ顔が見たいという「親心をとらえた手口」なので、これから通販サイトで購入しようとする際には、消費者庁が注意喚起する、偽サイトの手口と見分け方を踏まえ、慎重に検討してほしい。
 

【関連記事】
密閉空間でしか効果ナシ? 「首下げ型除菌グッズ」で5社に行政指導…消費者庁に見分け方を聞いた​
LED照明事故が328件…ついやってしまいがちなことを消費者庁が注意喚起