新型コロナウイルスの予防でマスク着用が生活に馴染んだことで、マスクを外して対面する機会は少なくなった。中には仕事先や学校などで、今も接している人の素顔を見たことがないという人も。

そんな中、化粧品メーカーの株式会社伊勢半のコーポレートブランド「KISSME」が、マスクを外した瞬間の喜びを増やせるようにしたいとの思いから、「『会ったことあるのに、はじめまして。』プロジェクト」を行っている。

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マスクなしでの「はじめまして」プロジェクト

伊勢半は、2020年11月、20~50代女性約600人を対象に「ニューノーマル時代のリップメイク」をテーマに“コミュニケーションとリップ”に関するインターネット調査を実施。

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、マスク着用が定着している中、「ここ半年(4~11月)のマスクコミュニケーションにまつわる困ったこと」を聞くと、「相手の表情が読みにくくなった」といった声が上位にあがるなど、多くの人がマスク着用により、コミュニケーションに支障を感じていることが分かったという。

(伊勢半調べ)

「KISSME」はそういった調査結果から、口元がコミュニケーションに果たす役割の大きさに注目して企画。

同社はプロジェクトのサイトでも、本当の感情や細かなニュアンスは気づきにくいかもしれないとしつつ「だからこそ、この貴重な瞬間の表情を記録したいと思った」とし、「時折訪れるマスクをとるわずかな瞬間。その時の喜びを少しでも増やせるよう、私たちもできることを取り組んでいきたい」としている。

プロジェクトでは、12月7日から表参道駅のADウォールで、「会ったことあるのに、はじめまして。展」を開催。マスク着用でしか会ったことがないという、塾の先生と生徒や陶芸仲間、美容師とお客さんなど、6組が素顔で「はじめまして」をした瞬間が展示されている。(展示期間は12月13日まで)

加えて、年齢も職業も違う4組の“素顔を見たい人のもとへいく様子”を撮影したドキュメンタリームービーも配信。キッチンカーの店員と客との“初めての対面”では、マスクを外した瞬間に「わっ!」と驚きの声をあげた後、思わず「はじめまして」と互いに笑顔でお辞儀をしていた。

さらに「YOASOBI」のボーカルikuraとしても活動する幾田りらさんの新曲「ヒカリ」が、ムービーを盛り上げてくれている。
 

顔を半分ほど隠すマスクの着用時に想像していたのと外した時の印象はやはり違うだろう。それこそコミュニケーションの面では笑顔など口元が見せる印象は大きいことだろう。

今回の「『会ったことあるのに、はじめまして。』プロジェクト』」で、素顔でのはじめましてを体験した人たちの様子はどうだったのか?そして反響は?
伊勢半のコミュニケーション本部・広報宣伝部の松本智子さんに話を聞いた。
 

はずかしそうに、でも楽しそうな笑顔

ーー「はじめまして」の瞬間に関して、どういった反応を想定していた?

なるべく自然な反応を映像におさめるために、スタッフの人数は最小限におさえて、別室にてモニタリングしておりました。それでも一般の方々のため、緊張されて笑顔や会話が普段と違う可能性があるのではないかと少し心配してました。

はじめまして。を体験した、美容師さんとお客さん

ーー写真展で6組、動画で4組の「はじめまして」の瞬間を捉えたが、それぞれ反応は?

特に不都合を感じていなかったが、マスクをとってみて初めて「距離を感じていたのかも」と気づいたとおっしゃていた方がいました。動画の主婦の方は思わず「はじめまして」と言ってしまったことが印象に残っております…。

皆さん、はずかしそうに、でも楽しそうな笑顔がこぼれていました。その後の会話もはずんでおりました。


ーープロジェクトの反響はどう?

SNSでは「心に響くものがあった」「このアイデアいいですね」という声も聞くことができ、皆さんにメッセージが届いて嬉しく思います。また、社内でも好評で「勇気付けられた」という感想や、メッセージを発信できる伊勢半として嬉しいという声もありました。

はじめまして。を体験した、塾の先生と小学生の生徒たち

同社の「自然な様子を収められないかも」といった心配をよそに、はじめましての体験者たちは、その瞬間をとても楽しんでくれたという。

たしかに動画を見ると、マスクを外した瞬間の「はじめてまして」の笑顔は皆、心の底から嬉しそうに見える。

コロナ禍で化粧への意識は変化したのか?

飛沫感染を防ぐためにマスクを着用すると、顔の半分が隠れてしまう。プロジェクト発足のきっかけであるコミュニケーション面でもそうだが、頬、目元、口元と顔に施す化粧への影響もあったのではないだろうか。

新型コロナウイルスによる化粧品への影響に関しても、話を聞いてみた。


ーーコロナ禍前後での化粧品の売れ行きの変化はある?

新型コロナウイルスの感染拡大の影響は私たちの消費行動に大きな変化をもたらしました。化粧品は外出自粛やマスクの着用が日常化されたことにより、大きく消費が落ち込んだ項目のひとつです。

総務省統計局が発表している「家計調査報告(2020年9月分)」によると、化粧品のなかでも、特に「口紅」は2020年9月の対前年同月実質増減率がマイナス56.6%と大きく減少しており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を大きく受けていることが伺えます。


ーー化粧への意識もコロナ禍で変化した?

伊勢半では、20代~50代の女性約600名を対象に「ニューノーマル時代のリップメイク」に関する意識調査を行いました。今回の調査では、80%がマスク着用時にもリップメイクをしており、マスクを着用していても新型コロナウイルスの感染が拡大する以前のような「普段通り」のメイクをするのが主流になっていることがわかりました。

リップ(口紅・グロスなど)を選ぶ際、保湿性や耐久性ももちろん大切な要因ですが、ニューノーマル時代においても、多くの人にとって「色」が購入時にもっとも意識するポイントになっています。自分に合った色や、好きな色のリップ(口紅・グロスなど)を付けることが、気分を上げるきっかけになっているのではと思います。

(伊勢半調べ)

伊勢半の意識調査では「マスク着用時にもリップメイクをしている人は約80%」ということだが、その理由として多く挙げられたのは「食事などでマスクを外した時に気になるから(54.5%)」。2位~4位は「顔全体に血色感が出ない(25.5%)」「いつも通りメイクをしたい(24.2%)」「メイク全体が未完成のよう(17.7%)」と、マスクをしていても「普段通り」のメイクをしたいと考える人が多いことが見受けられるという。

(伊勢半調べ)

ーー化粧品売り上げ低下など、コロナ禍による変化をどう感じている?

口紅やベースメイクの落ち込みが顕著なものの、目元のアイテムについては伸長しているものもあります(マスクで隠れないパーツ)。

また、弊社の主力ブランドであるヒロインメイクの耐久性(スーパーウォータープルーフタイプのマスカラやアイライナー)はマスク需要に強く、SNS上でもコンテンツを強化しております。眉メイクではヘビーローテーションの眉マスカラは伸長傾向となりました。

ベースメイクにおいても、弊社のkissのくずれにくい下地のマットシフォンは、他社比較でも堅調といえます。

口紅は落ち込んでいるものの、弊社調査結果(マスクをしていてもリップメイクする理由に「気分が上がる」とお答えになっている方は63.1%)にもあるように、マスクをしていてもリップメイクをされる方が多いということは、今回発売した「キスミーリキッドリップシールド」でマスクをしていても、いつもの口紅を楽しんでいただけるのではないかと期待しております。また、新しい口紅を購入するきっかけになれれば幸いです。


ーーマスク着用が日常化してもリップ需要が衰えていないという結果に対して、どう思う?

正直な感想として、80%もの方がマスク着用でもリップメイクをされていることに驚きました。調査結果として全年代においてほぼ同じ結果がでております。時折訪れる(飲食の際など)マスクをとる瞬間も、自分らしくいられるメイクを楽しめるよう、お客様に寄り添うブランドを目指したいと考えております。

12月8日より発売した「キスミーリキッドリップシールド」が、ECサイトにおいて注文が好調なことから、リップメイクを楽しみたいお客様が多くいらっしゃることを実感できました。

コロナ禍での女性の化粧への意識調査は興味深いものがあったが、皆が願うのは新型コロナウイルスの影響が落ち着き、はやくマスク越しでないコミュニケーションが取れるようになることだろう。
 

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