上映中のスマホはマナーモードに設定
映画や演劇などの興行を行う各都道府県の会員で構成される、全国興行生活衛生同業組合連合会(=全興連)は11月25日、「映画館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」の改訂版を公表、12月1日から施行された。

来場者へのマスク着用の推奨など基本的な予防対策は変わらないが、大きな変更点は、映画上映中のスマートフォンの取り扱いだ。
“電源オフ”ではなく、“マナーモードへの設定”を周知するよう求めている。
映画館ではこれまで、盗撮防止のため、上映中は電源をオフにすることがマナーとされていたことから、大きな変更と言える。理由は、新型コロナウイルス接触確認アプリ『COCOA』を稼働可能な状態に保つためだという。
COCOAはスマートフォンの近接通信機能(ブルートゥー ス)を利用し、新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性について、通知を受けることができるアプリだ。

改訂版のガイドラインでは、「COCOAを稼働可能な状態に保つため、上映中はスマートフォンをOFFにするのではなく、マナーモードに設定する旨を周知するように努める」と明記。
映画館で上映前に流れるマナー動画でも、これまでは「スマホは電源オフ」と呼びかけていたが、今回のガイドラインの改訂に伴い、こちらも「スマホはマナーモードに設定」に変えるのか? 全国興行生活衛生同業組合連合会の担当者に話を聞いた。
「上映前の動画はすでに変えています」
――ガイドラインの改訂に伴い、上映前に流れるマナー動画も「スマホはマナーモードに設定」に変える?
動画はすでに変えています。
「スマートフォンは電源オフではなく、マナーモードに設定してください」「上映中はカバンやポケットに入れ、ご使用はお控えください」と呼びかける、「お客様へのお願い」動画が、新たなガイドラインのもと、営業されている全国の劇場で12月1日から流れています。

ただ、スマホの電源がオンになっていると盗撮が心配ですので、スマホは手元ではなく、カバンやポケットに入れ、使用は控えるよう、お願いしています。

スマホ以外でお願いしていることは?
――「お客様へのお願い」動画。スマホ以外ではどのようなお願いをしている?
スマホ以外では以下のお願いをしています。
「館内では、上映中の飲食時を除き、マスクの着用をお願いします」
「マスクを外した状態での会話を防ぐため、上映前の飲食はお控えください」
「退場時は間隔を空けてのご退場をお願いいたします。劇場従業員から整列退場の案内があった際は、ご協力をお願いします」
なお今回の改訂では、マスクを外す喫食の時間を少なくするために、売店において小さいサイズ(Sサイズ等)の販売を推奨することなども盛り込まれた。

感染が再拡大する中での映画館の利用。館内の空気は20分で入れ替わるとされているが、少しでも感染拡大を防ぐためにも、まずはCOCOAをダウンロードすることが重要だろう。
また、マナーモードだとバイブレーションが鳴るおそれがあるので、「おやすみモード」「サイレントモード」などで通知をオフにできる設定を確認してことも新たなマナーといえそうだ。
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