悲痛な声は、暴行の疑惑を指摘される町議に届くのでしょうか。
北海道京極町の農場でミャンマー人労働者が虐待を受けていたとされる問題で、保護された労働者が胸の内を語りました。
京極町の農場で働いていた、20代のミャンマー人女性です。
2人は札幌地域労働組合に保護され、札幌市手稲区の教会で暮らしています。
農場での働き方は、事前の説明とは違うものだったといいます。
「休みの日があるといいましたけれど、仕事は休みがないです。社長(実質的経営者の町議)はとても怖いです」(保護されたミャンマー人労働者)
農場での出来事を、ミャンマーに残してきた家族に打ち明けることはできませんでした。
心配すると思ったからです。
「ここに避難してきた時から、農場での仕事のことを話せました。家族は心配しています。『ミャンマーに帰って』と言います」(保護されたミャンマー人労働者)
2人は劣悪な労働環境や、農場関係者から暴言などパワハラを受けたと訴えています。
また、同僚のミャンマー人労働者が暴行を受けた場面を目撃したといいます。
「わからんか、この野郎。ちょっと来い、来いって! だから、教えてやるから」(農場関係者)
農場関係者から暴言を浴びせられた上、胸元をつかまれ引っ張り出されるミャンマー人労働者の男性。
その後、東京に避難し、労働組合の支援のもと農業法人側と団体交渉を続けてきました。
10月30日に行われたオンラインの交渉には、農場の実質的な経営者の町議が初めて出席しました。
「なぜ、素直に認めないのか。事実を素直に認めない限りは、謝罪を受けることはできない」(団交に参加したミャンマー人男性)
労働組合側によりますと、町議は男性の胸元を引っ張ったことなど暴行の一部を認めましたが、その他については認めなかったといいます。
改めて、その町議に取材を試みましたが。
「すみません、UHBテレビですけれども、話をうかがうことは可能でしょうか?」(川瀬 雄也 記者)
農場や自宅など関係先を訪ねましたが、取材に応じることはありませんでした。
この町議が所属する町議会では、説明を求める声が上がっています。
「このまま終わってしまうことではない。町の信用失墜行為ということで、議員辞職勧告決議案を出したいと思っている。事の顛末や言い分を、しっかり述べてもらいたい」(京極町議会議員 城田 幸俊さん)
避難して暮らす2人のミャンマー人女性は東海地方の工場への就職が決まり、まもなく旅立ちます。
新たな職場へ求めることは。
「優しい人がほしい」(保護されたミャンマー人労働者)
これまでに9人を保護し、支援してきた札幌地域労働組合。
全員の新たな就職先が決まりました。
「多くの外国人労働者によって今の日本の私たちの生活が支えられていることを考えると、本当に憤りを感じます。日本人であれ外国人であれ、しっかり人権を守る社会にしていかなければならないと思います」(札幌地域労働組合 鈴木 一 顧問)
