2日付読売新聞の牧原出・東大教授のインタビューで高市早苗総理のことを「1人で政権運営をしようとする『ワンパーソンポリティクス』の傾向がある」と分析していたのを面白く読んだ。
牧原氏によると「1人で政権運営」しているため、「省庁横断で未来志向の大きな政策を推進できていない」という印象があり、「各省庁でそれぞれ政策を作っており、首相官邸で主導できていない」という。
確かに高市総理は官邸の執務室や公邸に閉じこもって、人とはあまり会わずにひたすら政策を勉強しているらしく、牧原氏の言うように「(自民党と)コミュニケーションをとっているようには見えない」し、「野党に花を持たせるような配慮もほとんどなかった」ようだ。

また、支持率が下がれば「法案審議に手こずる可能性は高い」、「国会の混乱が続けば、政権への不信感が増すという悪循環に陥る」と牧原氏は警告。「長期政権は難しい」と明言している。
だが、現状で高市内閣の支持率は政権発足後1年経っても60%超え(FNNなど)の高いままで、政策は次々に実現し、株も高い。野党はバラバラのままで来年の自民党総裁選、再来年の参院選くらいまで選挙で負ける要素が見当たらない。
このままでは長期政権になる可能性は十分にある。
議員定数削減法案に「良識派」の批判
では、「官邸が主導できていない」「自民党とコミュニケーションを取れない」「野党に花を持たせるような配慮もしない」ような“ダメ?な総理”がなぜ強い政権を維持できているのか。
高市政権の「強さ」を象徴しているのが、与党と国民民主党が合意したことで、今国会での成立が確実視される衆院の議員定数削減法案をめぐる動きだろう。
この法案は大変評判が悪い。 「良識派」からは以下のような批判が出ている。
まず、「日本の国会議員の数は諸外国より人口比では多くないから減らしてはいけない」という意見がある。「国会議員は民と官の橋渡しをする人たちなので数が減ると困るのは民間の我々なのだ」と。
また、「1人の国会議員にかかっている税金はざっくり1億円なので100人減らしても100億円、日本の予算規模を考えればこれによる予算削減効果は大したことはない」という意見もある。
それから、「議員の“クビ”がかかっている話なので各党の意見をなるべく集約しなければいけないのに与党だけでしかも小政党に不利な『比例のみ削減』を強行しようとした。これはけしからん」といった批判だ。
だが、FNNの10月の世論調査ではこの衆院定数削減法案について「賛成」65.6%が「反対」25.1%を大きく上回っているのはやはり国民の政治に対する「不信」が当事者たちが考えているよりはるかに大きいということなのだろう。
ちなみに筆者が「不信感」を持つのは、国会で時々ものすごくトンチンカンな質問をする議員がいることだ。「こんな人になぜ俺の税金が使われるのか」と本当に虚しくなる。

