春の高校バレー岩手県大会で、大会3連覇を目指す男子の第1シード・一関修紅。春高では県内最多16回の優勝を誇る名門は、大きな試練に直面した。チームをけん引してきたエースが大けがで戦線離脱。しかし仲間たちは、その悔しさと願いを胸に刻み、さらなる成長を遂げてきた。コートに立つ選手も、応援席から支える選手も心を一つに、部員37人が3連覇への戦いに挑む。
エース襲った大けが
一関修紅のエースとしてチームをけん引してきた3年生の七木田大輔選手。
1年生だった2024年5月からレギュラーに抜てきされ、春高やインターハイなど全国大会に4度出場してきた。
しかし3年生になった2026年5月、右ひざ前十字靱帯を断裂。在学中の競技復帰は絶望的となった。
七木田選手は「またコートに立てるのかなという不安とか心配が一番に感じた」と当時の心境を明かす。
突然の大けがに見舞われた七木田選手だが、今はリハビリを続けながら、審判やボール拾い、水分補給の用意など、サポートに徹している。
最後の春高は応援席から見守ることになったが、その思いは変わらない。
七木田選手は「応援席からでも自分の思いが伝わるような応援をしていきたい」と語る。
2人の主砲がけん引
七木田選手の思いを受け、チームを引っ張るのが2人のアウトサイドヒッターだ。
3年生の内村大斗選手は、2025年から攻守の大黒柱として活躍してきた。
緩急自在のスパイクで得点を重ねる一方、安定したレシーブでもチームを支える存在だ。
内村選手は「ディフェンスを重点的に強化してきたので、ディフェンスからの自分たちのコンビバレーを展開してプレーしていきたい」と意気込む。
もう一人の攻撃の柱が2年生の柏琉生選手だ。身長175センチながら最高到達点は326センチを誇り、チーム屈指の跳躍力を武器に得点を量産する。
柏選手は「チームのみんなが自分に集めてくれるようなエースとしての行動をして、最後は自分が決め切っていきたい」と決意を語る。
エース不在の穴を埋めるべく、2人が攻撃の中心となってチームをけん引する。
エースが認めた新戦力
チームには将来のエース候補として期待される新戦力がいる。オポジットを務める1年生の高林愛世選手だ。
実は七木田選手自身が取材前のアンケートで「1年の新たなオポジットを取り上げてほしい」と名前を挙げた選手だ。
七木田選手は高林選手について、「まだ1年生だが、攻撃面に関しては自分よりも高いスキルを持っていると思う」と高く評価する。
高林選手の最高到達点は323センチ。入学時の体力テストではハンドボール投げ38メートル(全国平均比+13.メートル)、立ち幅跳び265センチ(全国平均比+ 26センチ)を記録し、いずれも全国平均を大きく上回る身体能力を示した。
高林選手は「誰よりも元気よく、そして攻撃はパワフルに、(七木田)大輔さんの分までしっかり頑張って、そしてチームの目標をかなえられるようにしたい」と力を込める。
先輩が認める逸材もまた、一関修紅の大きな武器となっている。
37人で挑む3連覇
一関修紅が目指すのは県大会3連覇。そして、その先にある全国ベスト8だ。
成田涼太主将(3年)は「3年間ずっと全国ベスト8になるんだという思いを込めて、毎日毎日練習してきたので、それを県予選から発揮して絶対に優勝したい」と力強く語る。
大けがで戦列を離れたエースの思いを胸に、受け継がれる“紅の闘志”。
戦う者も、思いを託す者も、部員37人が心を一つに、一関修紅は3連覇を懸けた決戦のコートへ向かう。

