鹿児島市の職員が勤務時間中に共同墓地の草刈りを行っていた問題で、当時の市の幹部から意見を聞く参考人招致が行われた。幹部らは「今後の議会対応が難しくなるのではないかと不安を感じた」と当時の心境を語った。
4年間でのべ90人ほどが草刈りに従事
この問題は、2022年度から2025年度までの4年間、入船攻一元市議の要望を受けて起きたものである。勤務時間中の市職員がのべ90人ほど共同墓地の草刈りを行い、62万円余りの公金が支出されていた。
参考人招致は29日、調査を進める市議会の議会運営委員会が開いた。議員が2022年度から各年度ごとに、当時の幹部から意見を聞く形で進められた。
「再び断れば、今後の議会対応が難しくなる」
元市議の要望で初めて草刈りが行われた2022年度の環境衛生課長は、一度は要望を断っていた。にもかかわらず再度要望があった際の心情を問われ、次のように述べた。
「ここで再び断れば本会議や委員会で共同墓地について取り上げられ、今後の議会対応が難しくなるのではないかという不安を感じていた」

さらにこの課長は、草刈り後に問題が表面化した場合、自らの責任が問われるかもしれないと考え始めたことも明らかにした。
「安易に考えて同じく対応する判断をしてしまった」
翌2023年度の環境衛生課長は、要望を断る判断に至らなかった理由を問われた。
「前年度に委託で対応していたことから、安易に考えて同じく対応する判断をしてしまった」

前年度の対応が前例となり、判断が流れてしまった様子がうかがえる。
職員からは「やるべきではない」の声も
市当局が行った聞き取り調査では、職員の間から「やるべきではない」という声が上がっていたことがわかっている。参考人招致では、部下から意見はなかったのかと議員が質問した。2023年度の環境衛生課長は次のように答えた。
「職員の一部からは『やるべきではないのではないか』という意見があった。大変申し訳ない気持ちがあるが、課として対応しなければならないと考え、職員に指示をした」

現場の職員が疑問を抱きながらも、課長の指示で作業が行われた経緯が示された。
再度の議会運営委員会へ
29日の参考人招致をへて、市当局への新たな確認も必要になったという。議員らは今後、再度議会運営委員会を開く方針である。
議会との関係への不安から要望を断れなかったとする幹部の証言は、公金の使い方や職員の対応が適切だったのかを改めて問うものだ。今後の委員会でどのような確認が行われ、どのような結論が示されるのか、引き続き注目される

