鹿児島市職員が勤務時間中に共同墓地の草刈りを行っていた問題で、市議会の議会運営委員会は10月21日、参考人として当時の複数の市の幹部に出席を求めることを決めた。市当局による職員への聞き取りでは明確な答えが得られなかったためである。前日の20日には、市当局が元市議の要望を「不当要求行為」に該当するとする中間報告をまとめており、問題は新たな局面を迎えている。
「議会としても自浄作用に生かしていきたい」
10月21日の議会運営委員会では、市当局による職員への聞き取りでは明確な答えが得られなかったなどとして、当時の市の幹部に議運への出席を求めることが確認された。日程などは今後、調整するという。
鹿児島市議会の米山太助議員は、参考人招致の狙いを次のように語った。
「参考人招致して、当事者に来てもらい、改めてその当時どうだったのかという判断をする中で、今後、議会としても自浄作用に生かしていきたい」

4年間で延べ90人ほどが作業
この問題は、2022年から2025年の4年間にわたるものだ。元市議の男性の要望を受け、勤務時間中の市職員が延べ90人ほど、鹿児島市下伊敷の共同墓地で草刈りを行っていた。作業に伴い、62万円余りの公金が支出されている。元市議は一連の責任を取り、議員を辞職した。
市当局の中間報告は「不当要求行為」と判断
中間報告は、20日に開かれた議会運営委員会の冒頭で、古江尚子議長が伝えた。古江議長は問題の背景について、次のように述べた。
「毅然と断ることができず、議員に忖度して、職員で対応するしかないと考えたことなど複数の要因がある」
市当局は、元市議の要望について「対応できないと断られている状況にありながら再び依頼」していたことなどから、不当要求に該当すると判断した。一方で、威圧的な言動は確認されず、要求の回数も限定的だったことから、パワーハラスメントには「該当しない」とした。
元市議や当時の課長らに損害賠償を請求する方針
市当局は、元市議と、職員の派遣を決めた当時の課長らの対応は共同不法行為に当たると判断した。元市議や元課長らに損害賠償を請求する方針である。請求額は人件費や燃料費などとして、各年度10万円から25万円を見込んでいる。

刑事告発は行わない方針だ。支出した公金などがすでに返還されていることが理由である。
今後の焦点
市当局は、再発防止策や職員の処分が決まり次第、改めて報告するとしている。議員への忖度や、断りにくい状況が背景にあったとされる今回の問題で、市がどのような再発防止策を示すのかが焦点となる。あわせて、参考人招致で当時の幹部からどのような説明が得られるのかも注目される。参考人招致の日程などは、今後調整される予定である。

