毎年10月に宮崎県で行われるフェニックス・リーグ。来シーズンの飛躍を目指す若手が、実戦経験を積むためのリーグ戦です。現地で野球漬けの毎日を送る選手たちに密着しました。
早朝から始まる練習 「量をやって強くなろう」
10月7日から宮崎でのフェニックス・リーグに臨んでいる若鷲選手たち。その一日は、早朝の練習から始まります。
室内練習場では、外野手が黙々とバットを振り続け、キャッチャーの島原選手はコーチとマンツーマンでの特訓。
一方、グラウンドでは、渡辺直人2軍監督が見守るなか、守備の強化トレーニング。
野手は一つの種目に特化し、朝からハードな練習をこなす日々。
この期間、直人監督が掲げたテーマとは?
渡辺直人2軍監督
「“量”をやって強くなろうと。反復練習でしか技術は習得できないと思っているので、守備もバッティングも多く課題を持っている選手たちだけれど、期間中になにか上手くなったものを持って帰りたい。」
オフシーズンに入る前の、いまだからこそできる“量”にこだわった練習。そして、投手陣が合流した全体練習。全員でのウォーミングアップを終えると、メイン球場では、野手が試合前のバッティング練習。
投手陣はサブグラウンドでのキャッチボールや、視察に訪れていた吉井1軍監督が見守るなか、ブルペンでピッチングに励みます。
不安定な砂浜で下半身強化
さらに、球場近くの林を抜けると…海辺に選手の姿が。
足場が不安定な砂浜をひたすら走る下半身強化トレーニング。
伊藤大晟投手
「いつもと違う環境で走って刺激になります」
Q.海はいい?
「めっちゃいいっす」
若手選手にとっては食事もトレーニング

午前中の練習を終え、選手たちが向かった先は食堂。厳しい練習を乗り切るために欠かせない栄養補給。若手選手にとっては、食事もトレーニングの一環です。
古謝樹投手
「ほんとにやるしかないです。泥水すすって頑張ります。」
吉納翼選手
「最初の4日間がめちゃくちゃ長く感じて地獄だった」
Q.ファンへ
「来年必ずレギュラーつかみとります」
武藤敦貴選手
「きつさはあるんすけれど、このくらいやらないとシーズンはこれ以上きつい時があるので。これくらいは楽ですね」
Q.ファンへ
「僕らも頑張っていますので、みなさんは心を長くしてお待ちください」
練習から即実践へ 来シーズンの環境へ初の試みも
休日以外の全日程で試合が組まれているフェニックス・リーグ。練習で取り組んでいることを、すぐに実践で試せる絶好の機会です。
第2クールに行われた一戦では打線が猛攻。23安打16得点で見事、特訓の成果を発揮しました。
さらに、こんな初の試みも。来シーズンから導入される、サインの伝達機器『ピッチコム』。
球種やコースを音声で伝えることでサイン盗み防止や時間短縮が期待され、楽天ではフェニックス・リーグで初めて試験導入しました。
新たなことに取り組めるのも、今の時期だからこそ。普段はコーチが主導で行っている試合後のミーティングを、吉井監督の発案で選手自身で進めることに。
吉井理人監督
「他人のプレーもしっかり見てもらえたらと思って、みんなでチームが強くなるための作戦会議が出来ればいいと思って提案した。上手にやってくれていましたね」
「モチベーション高くやってくれている」
試合が終わってもなお、個別メニューでの猛特訓。ここでもポジション別に分かれてそれぞれの分野に特化した練習が行われます。
この日、ひと際注目を集めていたのが、3年目の青野拓海選手です。
Q.こんなに泥だらけになったのプロに入ってからある?
青野拓海選手
「初めてっすね。もうやりたくないっす。笑」
厳しい練習を乗り越え充実した表情を見せる選手たちの姿に…
吉井理人監督
「モチベーション高くやってくれているので、スタッフコーチの協力のなか、いい感じで秋の練習、フェニックス・リーグが進んでいると思います」
練習の積み重ねが未来へつながる
最後にベンチを掃除するのも若手の仕事。日が暮れ始めたころ、選手たちは宿舎へ。
フェニックス・リーグの一日がようやく終わり…かと思いきや。
バット片手に駐車場へ集まる選手たち。『練習量』をテーマに掲げるこの期間、野手は宿舎に帰ってからも、夜間練習。時間を決めず納得するまでバットを振り続けます。
雄平打撃コーチ
「自分と向き合う時間、しっかり自覚を持って、もちろん他人と喋ることもないし、自分のバッティングに集中してほとんどの選手が向き合えているので、意味のある練習になっている」
渡辺直人2軍監督
「ちょっときついかなと思うんですけれど、選手みんな前向きなので、『うまくなりたい』という気持ちに応えたいし、いいものを提案していきたい。毎日充実しています」
午後7時、野球漬けの一日を終えた選手たち。積み重ねた一球一打が、未来への力につながっていきます。
