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スターリンクVSロシア軍の高速ドローン ウクライナ軍が公開した“スターリンク搭載の自爆無人機”|FNNプライムオンライン
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スターリンクVSロシア軍の高速ドローン ウクライナ軍が公開した“スターリンク搭載の自爆無人機”

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ロシア軍との厳しい戦いを続けるウクライナ軍にとって、スペースX社が2022年2月から提供している衛星通信サービス「スターリンク」は、携帯電話や地上回線の中継インフラが破壊された戦場で、部隊間連絡や指揮所を地上の中継設備を介さずにつなぐことができる不可欠な通信インフラだ。

「スターリンクの技術は、ドローン、砲兵、指揮所を単一のリアルタイム通信網として機能させ、標的を探知してから、打撃するまでの時間を最小限にすることができる」「ウクライナの無人機がロシア(内部)への攻撃を仕掛ける間、操縦者は、スターリンクを通じて、通信できる」(BBCニュース ・2026/10/15付)はずだった。

高速化するロシアの自爆ドローン

従来、ロシアがウクライナの戦場に投入していたゲラン2(シャヘド136)自爆無人機は、時速180kmと言われていたが、最近ロシアが多用しているジェット推進式の自爆無人機(ドローン)ゲラン4やゲラン5は、「時速320kmを超える速度で飛行する」(BBCニュース・ 2026/10/15付)とされる。

ロシア軍「ゲラン4 ジェット推進自爆無人機」(ウクライナ国防情報局のHPより)
ロシア軍「ゲラン4 ジェット推進自爆無人機」(ウクライナ国防情報局のHPより)
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特に、ゲラン4の新しい機体について、ウクライナ国防情報局は次のように説明する。

「『ゲラン-4』の新しい機体は、時速300〜400kmでの積極的な機動を可能にしている上、強化された構造により、大きなG負荷にも耐えられるようになった」
「『ゲラン-4』は最高時速500km、最大高度5000メートルに達することが可能となった。この無人機(UAV)は、50kgの高性能炸薬破片弾頭(OFZBCH-50)またはサーモバリック弾頭(TBBCH-50M)、あるいは90kgの大型サーモバリック弾頭(TBBCH-90)を搭載し、最大450kmの距離まで飛行できる」

スターリンクの速度制限がウクライナの迎撃戦略を直撃

これらのジェット無人機がウクライナに襲いかかる事態になり、迎撃するのがウクライナ軍の急務となっていた。しかも、ゲラン4、ゲラン5の性能のみならず、ウクライナ国防情報局(DIU)は「ロシアの防衛産業はゲラン4/5特攻ドローンを月に約3000機生産していると回答」し、「月間生産量が相当量に達しているにもかかわらず、ロシア国防省はアラブガの施設の生産能力拡大を目指している」(ウクライナの軍事情報専門メディア、ミリタルニー紙・2026/8/12付)という。

しかし、ウクライナに提供されていたスターリンクが「2026年10月13日夜に時速約160kmの速度制限」(BBCニュース・2026/10/15付)を設定したため、「スターリンクに接続されたあらゆるモノが時速160km以上の速度を超えられなくなり、(速度が速い)ロシアのジェット推進無人機を迎撃しようとするウクライナの取り組みは無に帰す」(BBCニュース・2026/10/15付)事態になったという。

なぜ、こんなことになったのか。

スペースX社のCEOであるイーロン・マスク氏は、「民間の商業サービスであるスターリンクを使って攻撃的なドローン攻撃を行い、人を殺すことは許されたことがなく、許されるべきでもない」と説明した。

だが、その3日後、ウクライナ国防省は、 公式Xを通じて次のような発表を行った。

「スターリンクおよびスターシールドの端末が、再び高速移動するプラットフォームに対して機能している。国防省の監視システムにより、以前確認されていた制限を乗り越え、時速400kmを超える速度でも安定した接続が維持されていることが確認された。エフゲニー・フマラ(ウクライナ)国防大臣は『これは、何よりも前線において、軍の隊員たち、ドローン運用、兵站(ロジスティクス)、そして通信にとって極めて重要なことだ』と述べた」
(ウクライナ国防省公式X・2026/10/24付)

「ホーネット」にスターリンクのアンテナを搭載か

スペースX社の態度変更にはトランプ大統領の働きかけがあったとも報じられているが、興味深いのは、 時速400km以上でも“安定した接続”が確認されたことと、ウクライナ軍国防省の公式Xに添えられた無人機の画像だろう。

 米陸軍「ホーネット自爆無人機」(米国防総省HPより)
 米陸軍「ホーネット自爆無人機」(米国防総省HPより)

この無人機は、スターリンク・ミニという端末のアンテナを搭載しているようだが、機体は、断言はできないものの、米国で開発された「ホーネット」という自爆無人機とみられる。ホーネットならば、2025年春からウクライナで使用されており、既に多数の部隊で運用されている。2026年5月には、米陸軍の隊員もこれらの無人航空機の訓練を開始した。(ミリタルニー紙 2026/5/25付)。

ホーネットの飛行距離について、ミリタルニー紙は次のように分析する。

「前線から最大160kmの地点での使用がすでに記録されている。…輸送ルートに沿って最大200メートルの低高度を飛行することが注目される。標的を検知すると、誘導システムを用いて標的をロックオンし、攻撃を行う。(電気モーターで飛ぶ)無人機は、非常に静かに標的に接近するため、(迎撃側が)反応できる時間は短縮される。ロシア側の推定によると、飛行制御装置、弾頭、またはバッテリーに命中させない限り、小型武器で撃墜するのは極めて困難。また、輸送ルート沿いに設置されたネットも、この無人機に対する防御には効果がない…記録によると、この無人機は高度5メートル以下で飛行した事例もある。また、目標に向かって急降下する際にも操縦性が維持されるため、小型で移動する物体に対する有効性が高まる」
(ミリタルニー紙・ 2026/5/25付)

つまり、飛行距離は、200km程度であったとしても、静かに、低空を飛んで、敵に忍び寄る。それに、スターリンクを通じて、敵の状況を味方に伝えながら、突っ込んでいく、ということなら、敵にとっては、厄介な存在になるのではないか。

 米陸軍「ホーネット自爆無人機」(米国防総省HPより)
 米陸軍「ホーネット自爆無人機」(米国防総省HPより)

つまり、ウクライナ国防省は、スターリンクとスターシールドの速度制限が復旧したことを公式に「X」で発表した。「X」は、イーロン・マスク氏が買収したツイッターを改名したSNSだ。ウクライナ国防省が発表の際に掲載したのは、迎撃無人機ではなく、米国で開発された自爆無人機にスターリンクのアンテナを搭載した画像だった。

スターリンク搭載によってホーネットがどのような性能を発揮するのかももちろん興味深いところだが、ウクライナ側がどのような意図でこの画像を公開したのかも興味深いところではある。
(フジテレビ特別解説委員 能勢伸之)

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フジテレビ報道局特別解説委員。1958年京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。報道局勤務、防衛問題担当が長く、1999年のコソボ紛争をベオグラードとNATO本部の双方で取材。著書は「ミサイル防衛」(新潮新書)、「東アジアの軍事情勢はこれからどうなるのか」(PHP新書)、「検証 日本着弾」(共著)など。

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